旅レポ
グレートバリアリーフから熱帯雨林、さらに鉄道までオーストラリア・ケアンズ大自然旅(その1)
静かで美しいとっておきの海岸や港を散策。パームコーブ&ポートダグラスを訪ねる
2018年2月6日 00:00
世界遺産の美しいサンゴ礁・グレートバリアリーフに世界最古の熱帯雨林。2つの世界遺産への玄関であるケアンズは、2016年は日本から約11万人が訪れるなど人気の観光地。ジェットスターの直行便を利用すれば成田国際空港からケアンズ国際空港まで約7時間半と日本から一番近いオーストラリアだ。
今回訪れたケアンズは人口約16万人で、サンゴ海に面する湾岸都市。自然との共存を大事にしながら観光化を進めており、街中では木で休むたくさんのフルーツバット、クルマで少し走れば早朝に野生動物が草を食む姿などを見ることができる。
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ジェットスターの直行便利用で約7時間半。ケアンズに早朝到着で初日からアクティブに動ける
今回ケアンズ国際空港まで利用したのはジェットスターのJQ26便。機材はボーイング 787-8型機。成田国際空港 第3ターミナル発が20時10分、ケアンズ国際空港着が4時40分。成田空港では第2ターミナルから第3ターミナルまでバスで移動。出発3時間前からチェックインができるため、17時30分ごろにカウンターを訪れたが長蛇の列。修学旅行や語学留学で人気の都市ということで学生の姿も目立った。
フードコートを抜け、保安検査場と出国審査を通過し、搭乗口へ。搭乗開始時刻となり、タラップを利用し機内へ。今回はエコノミークラスを利用。3-3-3の配列となっており、シートピッチは76~79cm。モニターはタッチパネル式で各種エンタテイメントは有料で、モニター下部分にクレジットカードをスライドさせて支払うシステム。なお、機内の支払いはすべてクレジットカードのみとなっており、機内食などもタブレット端末を使い決済していた。
着席後にイヤフォンを配布。定刻よりやや遅れて出発し、機体が安定したタイミングで機内食の購入タイムに。今回は機内食とアメニティを事前に予約済み。「Comfort Pack」の中には、耳栓、靴下、ネッククピローにアイマスク、そして歯磨きセットがイン。毛布も一緒に渡された。機内食では、ベジタブルナシゴレンをチョイス。パンとマンゴープリンもセットとなっていたが、夜便のため量は少なめ。セカンドミールは、バナナブレッドローフとオレンジジュース。食べ終えてうとうとしていると、あっという間に到着時間に。体感としてもかなり早く着いた印象で、LCC利用ながらほぼ疲れも皆無だった。
到着した際は外はまだ日が昇っていない状態だったが、入国審査を終えケアンズ国際空港を出ると朝焼けが。早朝到着のため、滞在時間を有効に使えるのもこの便のよさ。すぐにポートダグラス、そしてパームコーブへ向かうことに。
ポートダグラスで新鮮なシーフードに舌鼓! 静かな港町のローカルグルメと絶景を堪能
宿泊先のホテルへ荷物を預け、サトウキビ畑と海岸線をひた走り早速ポートダグラスへ。ケアンズから約1時間ほどのビーチリゾートは、約6.5kmにもおよぶ「Four Mile Beach」が有名だ。砂の質はしっかりめで、波も穏やかでのんびり過ごすには最適な環境。なお、今回はクラゲのシーズン中だったため、クラゲ対策のために、ネットで囲われた部分でのみ遊泳可能となっていた。
ビーチを一望したい場合は「Flagstaff Hill」の展望台がオススメ。1900年代以前の写真が飾られ、現在の景色を眺めならがらその移り変わりも知ることができる。
ビーチ周辺を楽しんだあとは、そのまま「マクロッサンストリート」でランチ&ショッピング。「2 Fish Restaurant Port Douglas」はナショナルセーバーレストラン&ケータリング賞を受賞する実力派。地元でもその美味しさで評判のシーフードレストランだ。テラス席はもちろん、涼しい店内でいただくシーフードはもう格別。今回は、オーストラリアでなじみ深いバラマンディを使った「whole baby barramundi」(時価)をオーダー。ふわっと柔らかな白身をジンジャーとライムを使ったタイソースで仕上げた一品。ダイナミックな見た目ながら、その美味しさの虜に。
そして地元産のフレッシュな野菜がたっぷり乗ったイカのフライことカラマリが味わえる「three pepper calamari」(19オーストラリアドル、約1767円、1オーストラリアドル=約93円換算)も。サクッと仕上げられたイカフライとさっぱり味の野菜がベストマッチ。
「market catch」(時価)はカジキマグロのステーキがメイン。地元産の野菜に、スイカもトッピング。意外な美味しさに驚くはず。なおオススメなのが「tuna tartar」(22オーストラリアドル、約2046円)。新鮮なマグロに卵黄や玉ねぎ、リンゴやジンジャーなどをミックス。そのままでもよいがカナッペにしても美味しいはずと想像が膨らむ。
2 Fish Restaurant Port Douglas
所在地: Shop 11, Coconut Grove Complex 56 Macrossan Street Port Douglas QLD
Webサイト: 2 Fish Restaurant Port Douglas
ゆったりランチのあとは「マクロッサンストリート」でお土産&デザート探し。するとジェラートとシャーベット合わせて42種のフレーバーが話題の「WICKED ICE CREAM」が見えてきた。スタッフに一番人気を聞いたところ「Salted Lime」と即答。「Mint Chocolate for Kids」と合わせて2 Scoop(7オーストラリアドル、約651円)を注文。「Salted Lime」はふわっとライムが香るなんとも懐かしいフレーバーで、また食べたくなる味わいだった。
WICKED ICE CREAM
所在地: 48 Macrossan St, Port Douglas QLD
Webサイト: WICKED ICE CREAM
デザートを味わったあとはお土産探し。オススメなのが「Coffee Works Port Douglas」だ。地元クイーンズランド産のコーヒーに紅茶。そして手作りのチョコレートをじっくり選んで購入できる。店内に入るとチョコレートの甘い香りが漂い、それだけでも幸せな気分に。スタッフと会話をすれば、人気のフレーバーのリサーチに、試食もさせてもらえるのでどんどん話しかけてみよう。なお、一押しは「Lemon Myrtle Chocolate」と「Chilli Orange」。「Lemon Myrtle Chocolate」は口に含むとふわっとレモンマートルの爽やかな香りが広がり、そのあとにチョコレートの風味が押し寄せてくる。「Chilli Orange」は、オレンジのトロピカルな味わいとチョコレートの甘さのあとの強烈な辛さで汗をかくほどホットに。どちらもオーストラリア産の原料を使ったここならではのフレーバーとなっている。気になるチョコレートが見付かったらば、3つの味をミックスして1袋100g(8オーストラリアドル、約744円)から購入ができる。
Coffee Works Port Douglas
所在地: Shop 5, 32 Macrossan Street, Port Douglas QLD
Webサイト: Coffee Works Port Douglas
ラストはマリーナ&ショッピングセンター「The Reef Marina」へ。ヨットやグレートバリアリーフへ向かうツアー船の発着場所となっており、マリーナには大小さまざまな船舶がずらり。ボードウォーク沿いの「Hemingway's Brewery」で地ビール片手にのんびりするのもよし。「Lure Restaurant&Bar」でシーフードを味わうのもよしだ。今回は「Lure Restaurant&Bar」にて購入できる地元のドーナツ屋「DUKE'S DOUGHNUTS PORT DOUGLAS」の「Vanilla Glazed」(3.5オーストラリアドル、約326円)片手に散策することに。バニラ味のグレーズドがたっぷりかけられたふわふわドーナツは、食べ歩きフードとしてもベストだった。
The Reef Marina
所在地: 44 Wharf Street Port Douglas QLD
Webサイト: The Reef Marina
なお、ポートダグラス滞在時の宿泊場所としては、1987年オープンの「Sheraton Grand Mirage Resort, Port Douglas」がオススメ。全面改装を行ない2016年に再オープン。プールは環境保全を意識し海水を浄化して使用するなどの配慮も。ホテルにいながら海を感じられると話題だ。ラグーンに客室からそのまま入ることのできる「Deluxe Lagoon Edge Room」をはじめ、8つのプールを活用した客室配置が魅力。有料のプールサイド・カバナを利用すれば、プライベート空間も保持できさらに優雅な休日が過ごせるはずだ。
Sheraton Grand Mirage Resort, Port Douglas
所在地: Port Douglas Road, Port Douglas QLD
Webサイト: Sheraton Grand Mirage Resort, Port Douglas
ポートダグラスからケアンズへ向かう際には、「REX LOOKOUT」に立ち寄ることもお忘れなく。ハングライダー用のパッドもあり、ここから大空へと飛び立つことも可能。ワンゲッティビーチを見下ろしながら、しばし自然の雄大さを感じてみてはいかがだろう。
のどかで静かなビーチリゾート、パームコーブで贅沢な時間を過ごす
続いては、ケアンズ国際空港から約10~15分ほどのエリア・パームコーブへ。“椰子の入江”という名前のとおり、椰子の木やペーパーバークツリーの大木が訪れる人々を迎えてくれる。同地区はペーパーバークツリーを保護するために、ホテルをはじめとする建物が樹木に配慮した設計となっている部分も見どころ。紙のようにはがれる樹皮は先住民アボリジニが赤ちゃんをくるんだり、オムツ代わりにしたり、屋根の間に挟んだり、下に敷いたりと生活の必需品だったという。
周辺エリアの最大の魅力は都市部に比べると圧倒的な人の少なさで美しい海岸線を独り占めできることだ。砂浜ではシーグラスもときどき見付かるなどのサプライズも。浜辺を時間を気にせずゆったり散歩して、忙しい日常を忘れることができる。
なお、クラゲのシーズン中は遊泳可能なエリアが囲われており、その中でのみ泳ぐことができる。ライフセーバーも常にいるため安心だ。ビーチでのマナーやスタッフ滞在時間、そして水温などが記入されたボードもあるので、泳ぐ前にチェックしておこう。
道路沿いにはオープンエアタイプのレストランやカフェも。宿泊時に重宝するスーパーマーケットやファーマシーもカラフルな看板が目印の「Palm Cove Shopping Village」内にあるため、足りないものはそちらで調達しよう。
今回の宿泊先「Peppers Beach Club&Spa」は浜辺から道路を隔てて10秒ほどの場所に立地。コロニアルスタイルのホテルの中央にはビーチを模したプールを用意。ホワイトとサンドカラーで落ち着いた雰囲気の館内は、海からそよぐ風が吹き抜け、気持ちよさに拍車をかける。
特に海に面する部屋の「Ocean Spa」は、心地よい海風と波の音に癒され、まさにご褒美。扉を開けた瞬間、バルコニーから望む樹木越しの景色のよさにうっとりするはず。客室中央には、キングサイズのベッド。天井部分にはファンを完備。柔らかな風で最高の眠りをサポートしてくれるのだ。落ち着いた色調の木製家具が並び、シンプルながら家にいるようなリラックス空間に仕上げている。
さらにバルコニーにはジャグジー付きのバスタブと、海を眺められるチェアーが。部屋から出たくなくなるほどの心地よさだ。
シャワー&トイレスペースも広々。アメニティはオーストラリア発のオーガニックブランド「APPELLES APOTHECARY&LAB」を採用。オーストラリア産のオーガニック原料をふんだんに使い作られた「シャンプー」「コンディショナー」「ハンド&ボディウォッシュ」と「ボディローション」。さらにサイズが異なる「ボディバー」がセットとなっていた。
バスルームの向かいにはクローゼットを完備。スリッパにバスローブとともに、セキュリティボックスやプール用のタオル。そしてアイロンとアイロン台などが用意されていた。
さらにミニバーには、「AURORA」の紅茶とエスプレッソマシーン。冷蔵庫の中にはウェルカムフルーツとドリンク(有料)にスナックなどが入っている。
朝食は海に面したオープンエアの「Lime&Pepper Restaurant」を利用。オーストラリアらしい、フレッシュなヨーグルトにチーズたっぷりの焼きトマト。各種ブレッド、ペイストリーに、おなじみベジマイトまで揃う。シンプルながら納得の味わいで、ゆったり海辺を眺めながらの朝食タイムはまさに至福のときだった。のんびり時間をかけて朝食を取る宿泊者が多く、バケーションを思う存分楽しんでいる様子があちこちで見られた。
Peppers Beach Club&Spa
所在地: 123 Williams Esplanade, Palm Cove QLD
Webサイト: Peppers Beach Club&Spa
元邸宅を活かした老舗ホテルでディナー。パームコーブ初日の夜を満喫
到着日に目一杯観光を楽しんだならば、少し早めのディナーでリラックス。「The Reef House」に併設する「Reef House Restaurant」では、樹齢300年のメラルーカの下でシェフが腕によりをかけた絶品ディナーが味わえる。地元産の食材をふんだんに使ったメニューは、パームコーブを訪れる人々に大人気なので予約は必須。今回味わったのは、「Clean Greens」(32オーストラリアドル、約2976円)と「Vanilla Bean Creme Brulee」(17オーストラリアドル、約1581円)の2品。
「Clean Greens」はブロッコリーやアスパラガス、緑豆がどっさり。野菜類はにんにくでほどよく味付けされており、素材の美味しさが光るジューシーな鶏肉がベストマッチ。
「Vanilla Bean Creme Brulee」はそのままでもよいが、ピスタチオのビスコッティにつけて味わうと食感もプラスされ、さらに美味しく仕上がる工夫が。ベリーのコンポートをプラスしてもよい。
なお、「The Reef House」はアットホームさを大切にしたホテルとなっており、自宅にいるようにくつろげる空間を目指している。毎日夕刻にオーナーから宿泊者全員にドリンクのサービスがあり、共有エリアには図書館。そして自転車や釣り道具の貸し出しも。
さらに、「BRIGADIERS BAR」はユニークなシステムを採用しており、自己申告制となっている。宿泊ゲストの快適さを尊重、気兼ねなくくつろいでほしいという思いが随所にあふれ出ているのだ。
The Reef House
所在地: 99 Williams Esplanade, Palm Cove, QLD
Webサイト: The Reef House
到着日も早朝から時間をたっぷり使い大人が喜ぶオススメリゾートエリアを巡った1日目。次回は、ケアンズを訪れたならば絶対に行きたいグレートバリアリーフまで足を伸ばし、シュノーケリングやヘリでの遊覧飛行体験。さらに2017年9月にオープンしたばかりのアクアリウムなどの様子をレポートする。