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オーストラリア・ケアンズ観光局 CEO ピップ・クロース氏にケアンズの知られざる魅力を聞く

2018年5月25日 実施

初来日したケアンズ観光局 CEO ピップ・クロース氏(右)と、クイーンズランド州政府観光局 日本局長 ポール・サマーズ氏(左)

 オーストラリアのクイーンズランド州・ケアンズといえば、「グレートバリアリーフの玄関口」として多くの渡航者が訪れる人気の観光エリアだ。成田国際空港より直行便で約7時間半で到着。時差も1時間しかなく、到着日からフルで滞在を楽しめるのがうれしい。

 今回初来日となるケアンズ観光局 CEOのピップ・クロース氏に観光地としてのケアンズの現状と未来、そして日本市場への施策などをうかがった。

ケアンズ観光局 CEOのピップ・クロース氏

さらなる観光開発に着手し、定番&ディープなケアンズを魅せたい

――豊かな自然が広がり、ケアンズ空港からも約10分ほどで市内中心部に到着する利便性が高いケアンズ。観光局が考えるケアンズの魅力とは?

クロース氏:何と言っても世界自然遺産が2つ楽しめるのがケアンズの魅力。国内においても「トロピカルオーストラリア=ケアンズ」と、誰もが知るエリアです。熱帯雨林に関しても多くの日本人観光客が訪れるキュランダとともに、国内ではデインツリーやケープトリビュレーションがよく知られていますね。観光局としてはヨーク半島やカーペンテリア湾に面したエリアも今後紹介していきたいと考えています。

ケアンズからクルーズ船に乗り込みグレートバリアリーフへ
世界自然遺産のグレートバリアリーフを空から眺めるアクティビティも人気
キュランダ高原列車にゆられながら熱帯雨林を進むプログラム

――ケアンズの魅力は自然からの享受の部分が大きいのですね。さまざまな現地ツアーも開催されており、何度訪れても新たな発見があります。

クロース氏:まさにそのとおりですね! 「ONE GATEWAY 100 STORIES」という言葉がまさに表わしていると思います。ケアンズを起点として地域全体にいくつもの物語が待っているのです。

 オススメのプログラムとしてはケアンズから約半日かけてジョージタウン周辺まで向かい、オーストラリア特有の赤い大地(アウトバック)を味わうものです。さらにアンダラ火山国立公園へも足を伸ばしていただけたら。約10万年前の噴火により生み出されたラバ・チューブの見学も可能で、とっておきの体験をお約束します。

 カルンバも国内では有数のフィッシングエリアとして人気。美味しいバラマンディやエビも。なお、ヨーク半島へ続くペニンシュラ・デベロップメント・ロードが今後5年のうちに舗装される予定です。現在ラウラから先は4WD車が必須ですが、よりスムーズに訪れることができると期待が集まっています。

――ケアンズ観光局としては自然の素晴らしさとともに、先住民にまつわる観光にも力を入れていくとセミナーにて言及がありましたが。

クロース氏:先住民文化にまつわる観光開発はとても重要な部分です。アボリジニとともに、トレス・ストレイト・アイランダーと呼ばれる先住民がケアンズで暮らしています。オーストラリア国内では2つの先住民族が住む唯一のエリアとなっているため、ぜひ多くの渡航者に知っていただきたいのです。

定番エリアとともにケアンズ周辺やマイナーエリアの認知度向上に力を入れたいとセミナーでも語った
ケアンズではアボリジニ文化の継承のための「ジャプカイ・アボリジニ・カルチャーパーク」で多くの知識が得られる

――ケアンズ滞在は何日がベストでしょうか?

クロース氏:日本の渡航者の皆さまが長期の休暇取得が難しいのは承知しておりますが、7日間は滞在していただければと思います。王道的な観光エリアを押さえるためにはやはり1週間は必要。1日目、2日目はグレートバリアリーフ、熱帯雨林へ。3日目、4日目はケアンズの600以上ものオプショナルツアーからお好きなプログラムを。移動時間も含めての日数ですが、せめてアンダラまで訪れていただければベストですね!

 世界中の渡航者は「モノ」より「コト」、そして「体験」を重視する傾向ですので、本物の体験がケアンズでは味わえるのではないでしょうか。

より“消費者目線”のプロモーションを。WebやSNSの活用で情報を多くの世代に

――日本のマーケットに対する施策についても教えてください。

クロース氏:情報網が広がりネットを通じての旅行の申し込みが増えていますが、ケアンズに関しては代理店や旅行会社を通じての契約がここ10年ほど約8割とあまり変化していません。来期も継続して日本市場へのコミットメントを行ない、今までどおりグレートバリアリーフと熱帯雨林を基盤とし、今まで以上に“消費者目線”のプロモーションを強化していきます。

 日本語WebサイトやSNSでの情報提供、クチコミによる認知度向上、アンバサダープログラム、さらに先日開催された関空旅博もそうですが、今年はより多くの方にケアンズを渡航先として選んでいただけるようアピールしていきます。

――直行便の増便予定について。また、ビジネスツーリズムに対しては現状いかがでしょう。

クロース氏:アビエーションに関してはケアンズ空港にお任せしておりますが、今後チャーター便や季節運航的な部分がかなえばとても効果的であると考えます。

 ビジネスツーリズムについては地域として行なっておりますが、日本市場に対してはフルキャリアサービスの直行便の就航タイミングにチャンスが広がるのではと。当面現状維持が続くかと思いますが、期待はしています。

――最後にピップ・クロースさんのオススメするケアンズグルメととっておきのエリアを教えてください。

クロース氏:ケアンズ言えばシーフード。ケアンズのターミナルに停泊している船上レストラン「PRAWN STAR」がオススメです。ちょっとレトロな気分も味わいつつ新鮮なカキやカニ、エビを使った料理が楽しめます。

 パームコーブのファインダイニング「NU NU」も素晴らしいですね。さらに、アサートン高原のビーフにマンゴー、ブルーベリーなどのフルーツもぜひ味わっていただきたいと思います。

 オススメエリアは、フィッツロイ島のシークレットなビーチ。「Nudey Beach」と呼ばれオーストラリア国内でナンバーワンの美しさを誇ります。秘密のビーチを島で探してみてはいかがでしょう。

ゆったり過ごせるリゾート地パームコーブ。ヤシの木が生い茂り、ビーチを眺めながら食事ができるレストランが多数
宿泊施設や熱帯雨林散策が楽しめるフィッツロイ島でオーストラリア1のビーチ探しを!