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フィンエアー、最新ビジネスクラス「AirLounge」に乗ってみた! 北極ルートで約13時間の羽田~ヘルシンキ線を紹介
エアバス A350-900型機
2026年3月30日 06:00
フィンランドのフラッグキャリア、フィンエアーは、日本とヨーロッパを結ぶ主要路線として羽田~ヘルシンキ線を運航している。
2026年夏期スケジュール(3月29日~10月24日)では、羽田、成田、関西、セントレア(中部)の4空港から、ハブとなるヘルシンキ・ヴァンター国際空港へ直行便を運航。このうち関空発着は当初予定していたデイリー運航に加え、6月30日から増便も決定している。これで日本路線は最大週28便体制になり、日本~ヨーロッパ路線で最多便数を誇る欧州系航空会社となる。
使用機材は、2022年10月から日本路線に導入した最新世代のエアバス A350-900型機。3クラス制・計278席(ビジネスクラス43席、プレミアムエコノミー24席、エコノミー211席)で構成する長距離路線の主力機だ。
北欧らしい洗練されたデザインやロングフライトを支える機内サービスに定評があるが、なかでも新型ビジネスクラスシート「AirLounge(エアラウンジ)」は、従来の航空機シートとは異なる“シェル型”の座り心地が魅力。
今回は羽田~ヘルシンキ線を例に、そのシートスペックと、数少ない“北極の真上”を通過する北回りルート約13時間の旅を紹介する。
羽田を夜に出発、ヘルシンキには早朝到着。運がよければオーロラも見られる北極ルートの約13時間
羽田~ヘルシンキ線の夏期運航スケジュール(2026年3月29日~10月24日)
AY062便: 羽田(21時50分)発~ヘルシンキ(翌04時40分)着、毎日運航
AY061便: ヘルシンキ(18時30分)発~羽田(翌13時50分)着、毎日運航
※JALコードシェアによるAY5072/AY5073便(ボーイング 777-300ER型機)も週5便で運航
往路のAY062便(羽田→ヘルシンキ)は北極圏を飛ぶ北回りルート、いわゆる“北極ルート”で運航。日本とヨーロッパを効率よく結ぶ最短ルートだが、現在はロシア上空を迂回するため通常よりやや長い、片道約13時間のフライトになる。
ビジネスクラスの各座席には、北極点近く(北緯88度30分00秒、東経0度8分23.1秒)に到達したことを記念する証明書「Northern route diploma」を配布し、特別感も演出している。
一方で、復路のAY061便(ヘルシンキ→羽田)では主に、東欧からトルコ、中央アジアを経由する南回りルートが採用される。ロシア領空を避けつつ、西から東へ流れる強い偏西風(ジェット気流)に乗って、約13時間強のフライトとなる。
日本とヨーロッパを結ぶ“北極ルート”は飛行時間や燃費の面でメリットがある一方、高緯度空域では“太陽フレア(太陽の表面で起こる爆発)”の影響による通信障害などが発生する場合があるため、各航空会社では普段、風向きや気象条件も含めた総合的な判断から、北回り・南回りを決定するという。
実は、北欧観光で人気の「オーロラ」の出現率も、この太陽の活動が大きく関係している。オーロラは、太陽から飛んできた電気を帯びたプラズマ粒子が地球の北極・南極付近の磁場に引き寄せられて大気中のガスと衝突し、赤や緑など神秘的に発光する自然現象。
それが「ここ数年、太陽が活発化しているためオーロラが発生しやすくなっていて、オーロラの観測の“当たり年”とも言われているんです」と日本人CAが教えてくれた。今回のフライト中にも、ちょうど北極圏の上空で機内窓からオーロラを見ることができた。
新型ビジネスクラスシート「AirLounge」のスペックを紹介。機内アメニティはマリメッコ
フィンエアーの日本就航の歴史は40年以上で、ここ数年のあいだにも日本人旅行者の需要に応えるべく路線拡大や機材のアップデートを行なってきた。
機内を全面リニューアルし、2022年から日本路線に導入しているエアバス A350-900型機。最大の特徴は、新型ビジネスクラスシート「AirLounge(エアラウンジ)」だ。全43席あり、配列は1-2-1。
各席からダイレクトに通路へアクセスできるのはもちろんのこと、パーソナルスペースをしっかりと確保した“シェル型”のシートは、高さ130cmの壁に囲われているため隣席の動きは互いにほぼ見えず、扉こそないものの個室感がとても強い。
また、一般的なリクライニングシートとは異なり、シートは倒さずに足をのばして横になれる“レイフラットベッド仕様”を採用している。
そのため背もたれにはあらかじめ緩やかな傾斜がついている。シート幅も最大100cm以上と広く、ほどよい硬さもあるため、まるでリビングのカウチソファで寛いでるかのような感覚だ。テーブルを引き出してPC作業や食事をするとき、リラックスして映画鑑賞をしたいときにも、窮屈さがなく身動きがとりやすい。
就寝時は全長198cmのベッドになり、シート幅も広いため寝返りを打ちやすい。各席に備え付けのマットレスと掛け布団、2個のクッションはすべて「マリメッコ」のテキスタイルで、CAに頼めばメモリーピロー(低反発枕)も借りられる。
背もたれ部分には光量を調整できる読書灯が備わり、座席横の棚のなかにはPhitekのノイズキャンセリング機能付きヘッドフォン、USB Type-A/Cポート、リモコンが格納。サイドテーブル上には、スマホを置くだけのワイヤレス充電器も搭載されている。
大型のメインテーブルは、手元のボタンで引き出すポップアップ式で、機内食の際はこちらにテーブルクロスと料理のトレイがセットされる。試しに13インチPCを置いてみたが、本体+マウスを使ってワークできる広さだった。
映画や音楽、フライトマップなどの機内エンタメを楽しめる個人モニターは、大画面18インチでタッチパネル式。横になる際は、棚から引き出したリモコンで操作できる。
ユニバーサル電源は全席の足元に設置。機内Wi-Fiは基本有料だが、Finnair Plus会員は割引料金で使え、ビジネスクラス含む一部搭乗客は1時間無料で利用できる。
そのほか、小物やPC・タブレットをしまえる収納ボックスと、足元には脱いだ靴やバッグなどを置けるスペースが備わる。コートフックも各席に備わるが、離着陸の際は、上着や大きな手荷物は頭上の収納棚に入れるよう案内される。
「マリメッコ」のアメニティポーチがもらえるのもビジネスクラスの醍醐味で、どの色・柄になるかはその便・その席に着いてからのお楽しみ。
生地がしっかりとした再生ポリエステル100%のファスナー付きポーチになっており、中には歯ブラシセット、アイマスク、耳栓が入っている。また、ソックス、くし、シェービングキットの提供はCAにリクエストできる。
機内前方にあるビジネスクラス用の化粧室(長距離便)にはハンド&ボディローションがあるが、リップクリームや化粧水などの提供はないので、必要に応じて持参するのがお勧めだ。
イッタラの食器で優雅に味わう機内食。リニューアルしたばかりのメニューを紹介
日本含む長距離路線の機内食は、夕食(離陸1~2時間後)と朝食(着陸1~2時間前)の2回。ビジネスクラスでは前菜、選べるメイン、デザートのコース仕立てとなり、フィンランドが誇るテーブルウェアブランド「イッタラ」の食器とカトラリーで提供される。
夕食のメインは、数種類の肉料理か魚料理から選べ、前菜にはさまざまな塩漬けや酢漬け、発酵食材など、厳しい冬を乗り越えるために編み出されたフィンランドならではの食の知恵と伝統が盛り込まれている。
メニューは年2~3回ほど更新されるそうで、今回いただいた冬・春メニューは1月28日にリニューアルしたばかりとのこと。メインは主に、日本発便では日本食、ヘルシンキ発便では洋食がラインアップされており、出発時刻の24時間前までにフィンエアーの公式Webサイト・アプリから事前選択ができる。
例えば、今回記者が羽田発便で選んだメインは「牛肉とマコモ茸のすき焼き風 ご飯と野菜 山椒風味」。ヘルシンキ発便で選んだメインは「サーモンのフェンネル風味 スペルト小麦とロブスターのリゾット 野菜 ペルノーサフランソース」。
どちらも、素材そのものを活かしながら、香りや食感にひと工夫を加えたソースや野菜が添えられ、開発担当シェフのこだわりを感じられる美味しさだった。
機内食のキッチン(ケータリング会社)が異なるため成田/羽田発は同じメニュー、関空/セントレア発は別メニューになるそうだが、ヘルシンキ発便ではすべて同じメニューを用意しているという。ぜひ、サーモンやジビエなどの北欧らしい素材を試してみてほしい。
また、フィンエアーが特に力を入れているのが、厳選ワインや名物ブルーベリージュースをはじめとする豊富なドリンクセレクション。搭乗直後まず提供されるウェルカムシャンパンは、創立200余年、英国王室御用達のメゾンが造る「ジョセフ・ペリエ キュヴェ・ロワイヤル ブリュット MV」。
フィンエアーシグネチャーカクテルの「ノーザン・ブラッシュ」は、フィンランド産リンゴンベリー(コケモモ)とジン、オレンジピールをベースにした甘酸っぱくキレのある1杯で、北欧の夕日(と恥ずかしがり屋なフィンランド人が顔を赤らめる姿)をイメージしたというサンセットカラーが特徴。
ビールは、フィンランドの国民的ビール「サンデルスラガー」がお勧め。また、ヘルシンキ空港のすぐ隣、トゥースラ地区で醸造される「マク・ブルワリー チヌークIPA」もシトラスの香りとほどよい苦みがあって美味しい。
さらに、お酒が苦手な人にも、お酒好きの人にもぜひ味わってほしいのが、名物「ブルーベリージュース」。フィンランドの森林で育つ野生のブルーベリーや欧州産を使ったフィンエアーオリジナルジュースで、抗酸化作用や栄養もあり、甘すぎず意外とさらりとしているのでごくごく飲める。
ビジネスクラスではスナックやチョコレート、チーズやフルーツ、サンドイッチなどの軽食も充実しているので、長距離フライトを飽きることなく楽しめる。
プレミアムエコノミーとエコノミークラスも快適に過ごせる工夫が満載
最新エアバス A350-900型機では、プレミアムエコノミークラスとエコノミークラスもリニューアルを行なっている。
プレエコの座席は24席と少ないが、シートピッチが通常のエコノミー席より17.5cm長い96.5cmで、とにかく足元が広い。配列は2-4-2で、ひじ掛けが各席に設置されているため、隣席と腕がぶつかる心配がない。
リクライニング量も8インチに拡大しており、脚全体をサポートしてくれるフルレングスタイプのレッグレストを合わせて使えば快適に眠れそうだ。
このほか、13インチ以上あるタッチパネル式の個人モニター、カクテルテーブルと大きな食事用テーブル、ユニバーサル電源とUSB Type-Aポート、ヘッドレスト横に読書灯、ちょっとした荷物を収納できるポケットなどを備えている。
また、プレエコではクラフト紙でできたマリメッコのアメニティポーチがもらえ、アイマスク、耳栓、歯ブラシセットが提供される。機内前方のリフレッシュメントコーナーに行けば、お菓子やアルコール含むドリンク、軽食なども自由にいただける。
エコノミークラスは211席あり、3-3-3の配列。座席は同社保有機材のエコノミークラスのなかで最も広い約46cmのワイドタイプで、シートピッチは78.7cm。人間工学に基づいたデザインのシートとリクライニング、マリメッコのクッションで長時間フライトをサポートする。
正面には12インチある個人モニターを用意し、テーブルは2段階で開いてカクテルテーブルにもなる仕様。全席にUSB Type-Aポートを備えるのもうれしいポイントだ。
エコノミークラスの長距離路線では他クラス同様、2回の食事とドリンクが提供されるが、小腹が空いたときには機内オーダーシステムでスマホから注文、クレジットカードで決済でき、お菓子や軽食、追加のアルコールなどを楽しめる。
ビジネスクラス搭乗者は空港ラウンジも無料で利用可能
ビジネスクラス搭乗者は、羽田空港では国際線 第3ターミナルのJALサクララウンジ、ヘルシンキ空港ではフィンエアーのビジネスラウンジを無料で利用できる。
ヘルシンキ空港のラウンジは、白と濃紺のフィンエアーカラーを基調にした北欧らしい洗練デザインやインテリアが魅力。シェンゲン協定加盟国側(フィンランド国内や欧州行き)と非シェンゲン側(日本行きなど)で空港内のエリアが分かれていて、ラウンジもそれぞれに設けられている。
どちらのラウンジも、ソファー席やカウンター席、集中して仕事や休憩ができるクワイエットスペース、シャワールームなどの機能が充実している。フィンランドの郷土料理やフレッシュな野菜を中心としたビュッフェとドリンク類も豊富なので、出発までの待ち時間をゆったり過ごすことができる。
多くの席にAC電源とUSB Type-AまたはType-Cポートを備えているものの、コンセントはCタイプなので、ホテルで帰国の荷造りをする際、変換プラグを預け入れ荷物に入れてしまわないように注意しよう。
フィンランドの冬は長く、4月ころまでは寒さが続くが、本場のサウナ体験や雪景色が大人気。一方で、5~8月にかけては白夜の季節となり、長い日照時間のなかで湖や森などの自然散策を楽しめる。
さらにフィンエアーの国内線を利用して、首都ヘルシンキから北部ラップランドまで足をのばしてみると、オーロラ観測や犬ぞりといった北極圏ならではのアクティビティにも挑戦できる。
























































































































