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全面リニューアルのビジネスクラスと新プレエコでフィンランドがもっと近くなる!? フィンエアーの新機内を見てきた!
2022年11月1日 17:00
- 2022年10月31日 就航
フィンエアーは10月31日、羽田~ヘルシンキ線を就航した。デイリー運航の週7便、機材はエアバス A350型機。新規就航に先駆けて機内が公開されたので、全面リニューアルしたビジネスクラスと新・プレミアムエコノミークラスのシートを中心にチェックしてきた。
なお、フィンエアーは2023年中に26機(エアバス A350型機18機、エアバス A330型機 8機)の改修を予定。羽田線は常に改修後のビジネスクラスならびにプレミアムエコノミーでヘルシンキへと飛ぶことができる。
全面リニューアルで段違いの快適さを実現! ビジネスクラスは“乗ってみたい”が目白押し
2022年から2023年にかけて長期路線に段階的に導入するのが、全面リニューアルしたビジネスクラス。羽田からヘルシンキまで、ロシア上空を回避した飛行ルートゆえに約13時間のロングフライトとなるが、その分新たな座席で快適なフライトをサポートするという。ビジネスクラスは43席。1-2-1の配列だ。
最大のポイントは新座席。コリンズ製のAirLoungeシートを初めて採用し、まるで自宅のリビングにいるかのようなくつろぎの時間を提供してくれる。特徴的なシェルデザインは、パーソナルスペースをしっかりと確保。目線の先も広々で、窮屈さを感じさせない。もちろんクッションとピローにはマリメッコのテキスタイルを使用している。
シートを倒さずにレイフラットベッドとして使用できるのが最大の特徴。デュべや掛け布団もマリメッコの新テキスタイルを採用する。広々とした空間は大人も寝返りがうてるサイズ感。シェル形は顔部分が隠れ、就寝時の目線対策も万全。包み込まれるような安心感もある。もちろん各シートから通路側へのダイレクトアクセスもできる。
シェル形の背もたれ部分には、カスタムデザインの個人用読書灯を配置。光量もあり仕事をするのに便利。読書灯サイドにはポップアップタイプのボタン類をまとめたストレージを用意。ディスプレイ用のリモコンとUSB Type-A/Cポートを備えている。1か所にまとめて隠すことで、よりシートデザインが洗練された印象に。なお機内エンタテイメント向け大画面ディスプレイは18インチでタッチパネル式。
座席サイドには大型のサイドテーブルを配置。SNSでの発信用の映える1枚も窓側ならばより撮りやすいはず。テーブル上にはワイヤレス充電器、テーブル下には、点灯などの各種ボタンを備えている。なお、食事やPC作業で使えるデスクも収納しており、仕事や食事のときはこちらをメインで使う。
フィンエアーといえばアメニティも話題となる要素の1つ。マリメッココラボは継続中で、全8種のデザインの「トラベルキット」をラインアップ。パープルやダークグリーンを基調とし、マイヤ・イソラの「Joonas」「Rautasänky」などが目を引く。ジャガード織りで耐久性もあり、フライト後も愛用できるのも魅力。アイマスクや耳栓、歯ブラシも付属する。
ミニポーチ内には「ラ・ブルケット」のパーソナルケアアイテム(リップバーム・フェイシャルクリーム)がイン。未使用アイテムは客室乗務員への申告で回収され女性向けシェルターに寄付されるそうだ。
ビジネスクラスの食事も合わせて紹介しよう。フライト中は、ディナーに最大6コースのメインから選択、そして軽食または朝食を提供する。キャビン同様に食事のメニューも一新。地元食材をふんだんに使い爽やかに仕上げたフレッシュな品々が堪能できる。もちろん食事にぴったりのワインも用意する。フィンエアーのために生み出されたスペシャルデザインのハッリ・コスキネン×イッタラ製の新陶磁器に盛り付けられるメニューは美しいのひとこと。
座席ピッチは96.5cm。新たなプレミアムエコノミークラスは広々快適・くつろげる
長距離便に2022年から2023年にかけて新たに導入される新プレミアムエコノミークラスのシートは、見るからに「広い」という印象。96.5cm(38インチ)の座席ピッチで、通常のエコノミークラスの座席より17.5cm(7インチ)長い座席を採用している。座席数は24席。2-4-2の配列だ。
新たなワイドシートでは、座席のリクライニングを改善。8インチの角度のリクライニング操作とフルレングスタイプのレッグレスト操作をシームレスに行なえる。よりユニバーサルなデザインとなったボタンにも注目したい。
座席の目の前には13インチの機内エンタテイメント用ディスプレイを配置。設計を見直し、より使いやすくなったディスプレイでは200以上のコンテンツが楽しめる。タッチパネル式で反応も早く、スムーズな視聴を後押し。もちろん飛行マップや機内販売も利用ができる。
座ってみると分かるが、全体的にすっきりとミニマムなデザイン、ゆえにさらに広く感じる。間の前には可動式のスマートストレージを2か所配置。
座席のカクテルテーブルサイドにはUSB Type-Aポート、PC用電源を確保。ヘッドレスト横の個人用読書灯でフライト時間のPC作業も安心だ。また、ちょっとした荷物を入れるためのストレージも。肘掛け下のスペースや前方斜めまえに小物ホルダー、ディスプレイ横には小物掛けもある。
なお、アメニティはビジネスクラス同様の多目的ポーチ。ネックピローとブランケットも貸し出し品としてシートに配置。マイヤ・イソラの「スタッカート」柄を採用している。
新装エコノミークラスは、より落ち着いた雰囲気でゆったり感が魅力
新たなエコノミークラスの座席は約46cmのワイドタイプ。シートピッチは78.7cm(31インチ)。マリメッコのテキスタイルを採用したクッションを各座席に配置する。
人間工学に基づいたデザインのシートでより心地よいフライトをサポート。正面には12インチのディスプレイを用意。テーブルは2段階仕様だ。211席を用意し、3-3-3の配列。
就航記念セレモニー開催。「羽田便は本当に価値のあること。我々も長年熱望していた」とフィンエアー 日本支社長の永原氏
羽田空港では、羽田~ヘルシンキ線の就航を祝って出発前にセレモニーを実施。羽田空港第3ターミナル149番ゲート内は華やかな雰囲気に。国土交通省 東京航空局 東京空港事務所 空港長の村田有氏、東京国際空港ターミナル 常務取締役の鈴木敏道氏、JAL 執行役員 路線事業本部副本部長 国際提携担当のロス・レゲット氏、ブリティッシュ・エアウェイズ/イベリア航空 日本支社長の井上さつき氏が来賓として参加。
フィンエアー 日本支社長の永原範昭氏は、「羽田空港に便を持つことは本当に価値のあること。我々も長年熱望しており、やっと今日の日を迎えることができました」と本来2年前の3月に就航する予定であったことにも触れた。また、「数少ない北極を通るルートで快適な空の旅を約束」とし、到着まで13時間かかるが北極へ到達する北ルートについても言及。
日本就航40周年を迎えるフィンエアーは「日本マーケットへの想いはどこの航空会社よりも強くもっております」と強調。今後も快適さと利便性の高いサービスを提供すると述べた。
就航便は166名が搭乗。出発ゲートでは搭乗者に向けてノベルティとして北欧ブランド・アーリッカのタオルハンカチをプレゼント。手洗いなどで現地でも重宝するアイテムを乗客は笑顔で受け取っていた。