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JAL、27年度から導入の国内線新シート公開。短距離路線で初のファーストクラス、新機材ボーイング 737-8型機に搭載

2026年3月23日 発表
JALが国内線に導入する新機材・ボーイング 737-8型機のシートを初公開

 JALは、今春4月から国内線サービスを順次リニューアルする。アプリや機内食、機内Wi-Fi、ラウンジなどを刷新するほか、新機材・ボーイング 737-8型機を2027年度に導入し、ファーストクラス設定路線を全国へ拡大する。

 3月23日、都内で記者発表会を開き、日本航空 カスタマー・エクスペリエンス本部 副本部長 崎原淳子氏らが施策の説明を行なった。また会場では、国内線2クラスの新シートをモックアップで初公開した。

JAL国内線サービスが大幅リニューアル! 2027年度導入「ボーイング 737-8型機」の新シートで移動時間はさらに快適に

 新機材ボーイング 737-8型機は2026年度中に受領し、2027年度より全国の路線で順次運航を開始する予定。国内線のなかでも特に飛行距離の短い路線に使われている単通路機(現行機材はボーイング 737-800型機)だが、ファーストクラスを導入するのは今回が初。

 これまでファーストクラスは一部路線(双通路機のボーイング 787型機とエアバス A350型機を使用する羽田~伊丹/那覇/新千歳など10路線)に限られていたが、これが単通路機にも備わることで、今後は大きい機材を飛ばしていない地方路線などにも、ファーストクラスのゆとりある座席と上質な機内体験が行き届くようになるという。

 ファーストクラスと普通席(エコノミークラス)の2クラス制となるが、席数や配置といった具体的なレイアウトとシート仕様は確定次第、後日発表するとのこと。

 新機材の大きな特徴は、全席に完備した端末ホルダーと充電設備、そして高速かつ低遅延の新しい機内Wi-Fiシステム。これにより、個人モニターの設置がない単通路機でも自身のスマホやタブレットを使って機内での時間を自由に過ごせる。

 全席に搭載したPE(パーソナル エレクトリカル デバイス)ホルダーは、スマホやタブレットを立てかけても滑りにくい仕様で、充電設備もUSB Type-AとType-Cの2ポートを前席に完備しているため、充電しながら好きなコンテンツが楽しめ、ホルダーとは別途完備している大きなテーブルでPC作業なども行なえる。

 ファーストクラスシートはこれに加え、背もたれとレッグレストの電動リクライニング、数段階に高さ調節できるヘッドレストなどを搭載しているのが魅力。また、ゆったり幅のシートのサイドには、スマホを置くだけでワイヤレス充電できるポケットや個人専用の読書灯も備わる。

新機材ボーイング 737-8型機のファーストクラスシート。配列は2-2になる予定
スマホを置くだけで充電できるポケット
USB Type-AとType-Cの2ポートをすべての席に完備
背もたれとレッグレストの自動リクライニングボタン
メインテーブルは肘掛けから引き出す仕様
レザー調で高級感があるシート
各席に読書灯
スマホスタンドも備わる
高さ調節可能なヘッドレスト
足全体をサポートするレッグレスト
前席に収納ポケットを備える
ファーストクラスでは毛布とスリッパを用意

 一方、普通席(エコノミークラス)のシート幅やリクライニング量は現行機材と大きく変わらないというが、シートの背もたれを薄く設計したことで、前席との間隔が広く感じられるようになった。また、前席の下部をえぐるような形状にしたことで、膝まわりに大きな余裕も生まれている。

新機材ボーイング 737-8型機の普通席(エコノミークラス)
シートの背もたれを薄く設計したことで、前席との間隔が広く感じられるように
最大のポイントは、すべての席に搭載した端末ホルダーと充電設備。スマホサイズから13インチPCまで置くことができ、全席に完備したUSB Type-AとType-Cで充電しながらでもエンタメ視聴できる
新機材ではWi-Fiシステムも高速かつ低遅延になり、個人モニターのない機内でも自分の好きな端末で好きなエンタメが楽しめる。メインテーブルでPC作業も行なえる
前席の下部をえぐるような形状にしたことで、膝まわりに大きな余裕も生まれている。座席下にフットレストがない分、足をのばしたり、荷物を置いたりできる

 新機材の機内Wi-Fiは、従来の静止軌道衛星(GEO)から「低軌道衛星群(LEO)」を利用したWi-Fiシステムに変更。

 これにより、通信速度が高速かつ低遅延となり、Web閲覧やSNSの利用はもちろん、これまで利用できなかった動画のストリーミング再生やオンラインゲームなども可能に。まさに「地上と同じような感覚の通信環境」が機内で実現されるという。

 また2026年度中には、国内線の現行機材エアバス A350-900型機とボーイング 787-8型機において、JALのWi-Fiを選択すると自動でポータルサイトが立ち上がるよう、接続手順をよりシンプルに改善する予定。

新しい機内Wi-Fiシステムは、2027年度に導入開始の新機材ボーイング 737-8型機から切り替え。これまで利用できなかった動画のストリーミング再生やオンラインゲームなども可能に

 また現在、国内線ファーストクラスで提供している機内食と飲み物も4月からリニューアル。「行ったことがないけれど、行ってみたい都道府県」をテーマに、日本各地の食材や旬の味覚を盛り込んだメニューを2か月ごとの月替わりで用意する(4~5月は青森県・高知県がテーマ)。

 また、短距離路線(羽田~伊丹/広島)では従来の提供方法を見直し、短いフライトでもゆとりを持って味わえる“お弁当”スタイルで提供。一方、長距離路線(羽田~新千歳/福岡/鹿児島/那覇/宮古/石垣、伊丹~新千歳/那覇)では引き続き、トレーセットで提供する。

長距離路線では引き続きトレースタイル、短距離路線は新たにお弁当スタイルで提供スタート
短いフライトでもゆとりを持って味わえる“お弁当”の機内食。4~5月のメニューは青森県産チキンロール、ワカメとシラスのキッシュ、キャロットラペ、MILK STAR サンド りんごなど

 国内線リニューアルのコンセプトは「New Angles, New Stories〜日本ともういちど出会う」。コロナ禍を経て、働き方や旅への価値観が変化するなかで、ビジネス需要のみならずインバウンドや観光利用のニーズも多様化している航空業界。

 今回のリニューアルでは日常で見過ごしていた“日本の魅力”に焦点を当て、心がそっと上向く旅のシーンを演出したいという。

日本航空株式会社 カスタマー・エクスペリエンス本部 副本部長 崎原淳子氏が代表挨拶

 新機材の導入に先駆け、4月15日からは「JALアプリ」を刷新。直感的な操作性を追求し、フライト情報やステータスなどの必要情報が1画面にまとめられ、一人ひとりの状況に合わせて必要な手続きがスムーズに行えるようになる。

より感覚的に使えるようになった「JALアプリ」。搭乗の際に必要な情報を1画面に集約している

 機内誌・機内販売スタイルも新しくなり、3月には対面での機内販売からデジタルによる「おうちで機内販売」へ一本化。

 5月からは、おうちで機内販売のアイテムを紹介している「JAL SHOP」と機内誌「SKYWARD」を統合し、環境負荷低減とともにより分かりやすい機内誌スタイルに刷新する。また、2か月ごとに設定されるサービステーマに沿った特集をし、各地域の知られざる魅力を伝えていく。

 また、2026年秋には羽田空港 国内線の「ダイヤモンド・プレミアラウンジ」が「JALファーストクラスラウンジ」としてリニューアルオープン。あわせてファーストクラス・ステイタス会員(JGC)専用カウンターと保安検査場も一新し、PCやペットボトル飲料などの液体物を取り出すことなく手荷物検査が可能となる。

 ラウンジの名称変更は新千歳・伊丹・福岡・那覇空港でも順次実施予定という。

発表会では、国際線ビジネスクラスの機内食を監修した完全紹介制のレストラン「été(エテ)」のオーナーシェフ庄司夏子氏(左から4番目)をゲストに迎え、トークセッションや試食会も行なった