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エクスペディア、CEO来日でリブランド発表。24時間年中無休の電話サポートや宿比較ツールなど日本人向け新機能を展開

2024年2月20日 発表

エクスペディアがCEO・ブランド統括の来日に伴う記者発表会で日本市場における新サービスなどを発表

 エクスペディアは2月20日、八重洲・ブルガリホテル東京で記者発表会を行なった。世界70か国以上で展開する総合旅行ブランド「エクスペディア」が日本でのサービス開始から18年目を迎えるのに際し、エクスペディア・グループ 副会長 兼 CEOのピーター・カーン氏とブランド統括 ジョン・ギーゼルマン氏が来日。日本における旅行業界動向や今後の市場展望について語った。

 また、エクスペディアホールディングス 代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクターの木村奈津子氏とともに、年明けから開始しているブランド刷新と新たなマーケティングキャンペーンについて説明した。

エクスペディア・グループ 副会長 兼 CEO ピーター・カーン氏
エクスペディア・グループ ブランド統括 ジョン・ギーゼルマン氏
エクスペディアホールディングス 代表取締役 兼 エクスペディアグループ リテール日本統括ディレクター 木村奈津子氏

 まず日本の旅行業界については、2022年に水際対策が緩和されてから迅速に回復し、予想よりも早く復活したと見ており、インバウンド訪日客のデータによると東アジアからの観光客が62%を占めた。

 アジア以外で最も多かったのはアメリカからの観光客で、2023年にはアメリカからの観光客の約半数(48%)がエクスペディア・グループ経由で日本を訪れた。また、今の旅行者は日本での「観光地巡り」ではなく「日本に対する深い理解」を求める傾向にあるという。

 とくにこれから春シーズンに旅行するアメリカ人旅行者にとって、桜は大きな魅力であり、エクスペディアでの「東京」の検索数は2年連続で前年比55%近く増加している。今後は京都や浅草などの観光地、そのほかまだ知られていない日本各地にも誘致することに注力し、オンライン旅行会社として価値ある日本体験を提供していきたいと話した。

 一方、2024年の旅行トレンド「Unpack'24」から見た日本人の旅行者は“メディア”の影響力が大きい。旅行先のリサーチに使われるメディアについてグローバル平均の結果を見るとテレビ、ストリーミングサービス、SNSが挙がったのに対し、日本人の49%が「テレビ」、38%が「本」と回答している。また現在日本において、94%が旅行計画の際に「AIを利用したことがない」と回答しているが、37%が「興味がある」と回答。これから日本でもAIを活用した旅やプランニングのスタイルが伸びると予想している。

日本市場についてトークセッションする木村氏、ピーター・カーン氏、ジョン・ギーゼルマン氏

 これを踏まえ、エクスペディアでは1月15日にブランドを大きくリフレッシュし、新キャンペーンを開始している。エクスペディアが日本に合ったブランドになるために、グローバルで掲げているブランドメッセージ「Made to Travel(旅をするために生まれてきた)」を「Step out Everyday(いつものそとへ)」に刷新。これは日本の市場向けに特別に考案したもので、コロナ後の旅行者とつながり、旅行に対する人々の根源的な欲求を表現しているという。

 現在すでに、テレビ、ラジオ、デジタル、ソーシャル、OOH(屋外広告)といったあらゆるメディアで、なぜ人々は旅をするのか、いかに旅が人生を豊かにしてくれるのか、そういった「目的を持った旅行」を再認識するような広告展開を行なっている。さらに「Netflix」とのグローバル広告パートナーシップを結び、2024年の1年間を通じて初のマルチマーケットキャンペーンを展開していくことを明かした。

 2006年のサービス開始以来、エクスペディアは日本の旅行者にユニークな体験を提供し、日本になじむブランドアイデンティティを確立してきたが、本キャンペーンで目指すのは、旅行を計画する際に直面する障壁を洗い出し、現代の旅行者の考え方を理解し、目的を持った旅行に適したプラットフォームを構築すること。

 そのために主に4つの新機能をスタート。1つ目は、旅行者に都市ごとの最適な時期、近隣の目的地、アクティビティの情報を提案し、アイデア収集から旅行の実現までをサポートする「ダイナミック旅行ガイド」。2つ目は、旅程の作成、旅行計画の立案、それらアイデアを友人や家族と共有できる機能「トリッププランナー」。3つ目は、航空券の価格変動を常に把握できるようプッシュ通知で知らせ、旅行者が適切だと思うタイミングで予約できる「プライストラッカー」。4つ目は、オプションを一覧で比較することで旅行者のホテル選択プロセスを簡素化する「スマートショッピング(宿泊施設比較ツール)」。

 いずれの機能もエクスペディアおよびHotels.comのモバイルアプリで利用できる。

 これに加えエクスペディア・グループは、日本市場向けのカスタマーサポート機能を強化し、24時間年中無休の電話による日本語音声サポートと24時間年中無休の公式Xでのチャットサポートを今四半期から導入する。

 ジョン・ギーゼルマン氏は、日本市場でのリブランドについて「目的を持った旅行を支援するためのプラットフォームを構築すること、現代の旅行者の考え方を理解し共感することが目標」とアピールした。