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エクスペディア、2026年の旅行トレンドを解説。注目の旅先1位は米モンタナ州ビッグスカイ、2位に沖縄
東京の予約実績はラスベガスを超えて世界1位に
2025年10月17日 13:11
- 2025年10月16日 実施
エクスペディア・グループは、同社の見据える2026年の旅行トレンド「Unpack '26」を発表した。
エクスペディア・グループは、アメリカ発のオンライン旅行通販会社(OTA)で、「エクスペディア(Expedia)」「ホテルズ・ドットコム(Hotels.com)」「バーボ(Vrbo)」の3ブランドを展開している。
発表会では、エクスペディアホールディングス 代表取締役兼 エクスペディア・グループ リテール日本統括ディレクターの木村奈津子氏が詳細を解説した。
日本支社としてのインバウンドとアウトバウンドのトレンドについては、インバウンドでは、アジアからの需要が7割強となっているが、エクスペディアがアメリカ発祥ということもあり、2024年の集計でアメリカからの旅行者の約半数がエクスペディアを通しての予約になっているという。
加えて、欧州、カナダ、韓国、中国などの多くの国の利用者がいるとのこと。また、これまでは目的地としてラスベガスなどアメリカの都市が不動の1位だったのが、2025年上半期の宿泊予約数で東京が1位に、大阪も10位に入ったそうだ。
こうした状況ではオーバーツーリズムの懸念が高まるが、魅力的な地方にも分散させるべく、地方自治体とデータを共有して協力し、プロモーション活動を行なっていくとのこと。
日本からの旅行先としては、やはりアジアが多めで、1位は韓国のソウル、2位は台湾の台北、ハワイのオアフ島も3位につけている。ここは日本人の人気としてほぼ不動とのこと。とても伸びたのは中国の上海で、昨年ビザが緩和された影響もあり、上昇率は91%でトップだった。
これから年末にかけてのトレンドは、9月末までに年末年始の宿泊で検索された数字をもとにしていて、これによるとソウル、台北、オアフ、タイのバンコクとプーケットなど温暖な地域が好まれているようだ。人気上昇で注目されるのは、フィリピンのマニラ、ベトナムのハノイなど。ソウル郊外にある京畿道(キョンギド)は、K-POPアイドルに出身者が多く、スタジオなども多くあるため、訪れる人が急激に増えている。香港もLCCが多く発着するので、継続的に人気があるそうだ。
このあと11月18日~12月2日にブラックフライデーセールを開催予定で、「もともとアメリカ発で、とにかく年間で1番安くなきゃいけないというセールなので、ディスカウント率はさまざまなキャンペーンのなかでも一番大きいです。最大50%引きと書いてありますが、正直50%以上とかも出てくるかと思うので、ぜひとも覗いてみてください」と木村氏。
また、AIチャットの「ChatGPT」と連携して、チャットに「Expedia find me hotels~」などと投げかけると、文頭の「Expedia」という文字に反応してチャット内でエクスペディアでの検索結果を表示するという機能を実装した。これはすでに10月から英語でのサービスが始まっていて、日本語でのサービスは順次拡大するとのことだったが、実際にChatGPTで試してみると、日本語でもエクスペディアで検索した結果を候補とリンクで表示してくれた。
ただし実際に日付を指定した結果を表示させるには、リンクから飛んだエクスペディアのアプリ側で指定する必要があるようだった。このあたりは進化が速いので、連携はより深くなるかもしれない。AIチャットボットは、旅程を細かいリストにして提案してくれる機能がとても優秀だ。うまく組み合わせることで、旅程を決めるのが格段にラクになるだろう。
これから注目される旅行先「Unpack '26」
続いて話題は、2026年の旅行トレンド「Unpack '26」へ。これはエクスペディアが18地域2万4000人の旅行者を対象に調査した結果から、来年流行する旅を予測したもの。これまでは検索数に基づいていたが、WTTC(世界旅行ツーリズム協議会)の考え方を参考に「スマート・トラベル・ヘルスチェック」と呼ぶエクスペディアが導入した新しい基準を作り、これを加味している。旅行者にとって魅力的な体験を提供しつつ、オーバーツーリズムを考慮して、「観光が地域社会や環境に過度な負担をかけないよう配慮している旅行先」を評価する仕組みになっているとのこと。
そんな2026年注目の旅行先、1位はアメリカのビッグスカイ(モンタナ州南西部の自然豊かな地域)。2位に沖縄が入っている。「日本人からしてみれば、沖縄はメジャー過ぎますが、欧米では沖縄を知らない人がたくさんいます。実際ほとんど知られていないんです。このランクはワールドワイドで発表するので、受け入れ側の日本としても喜ばしい結果かと思います。持続可能な観光地かどうかという審査にも沖縄は通っています」という。
3位はイタリアのサルデーニャ島(地中海に浮かぶシチリア島に次ぐ大きさの島)、4位はベトナムのフーコック島(タイランド湾に浮かぶ白砂のビーチとリゾート)、5位はフランスのサヴォア(フランス東部で3000m級の山に囲まれる地域)と、魅力的な地域が続く。5位まででビッグ スカイ、沖縄、サヴォワに関しては「スマート・トラベル・ヘルスチェック」に認定されている。
また、来年流行りそうな旅として「ローカルスポーツ観戦の旅」が挙がった。これはその国や地域ならではの独特なスポーツを見るための旅で、この1位に相撲が入っている。日本に来たからには相撲を見たいと思われてることがよく分かる。2位はタイのキックボクシング、ムエタイ。タイにはムエタイスタジアムがたくさんあり、毎晩熱い試合が繰り広げられている。3位は香港のドラゴンボートレース。20名の漕ぎ手と1名の舵取りが乗り、息を合わせた手こぎで競争するレースだ。ローカルスポーツへの感心は、若い層、Z世代やミレニアム世代に興味ある人が突出して多く、一方で日本人は海外スポーツへの感心が薄い傾向にあるという。
ほかにも、歴史ある建造物をリノベーションして宿泊施設に泊まることを目的にした「リノベ宿ステイ」や、好きな映画やドラマのロケ地を巡る「ロケ地巡り旅」の流行も紹介。リノベ宿として人気の宿としては、元校舎を改装した「ザ・ホテル青龍 京都清水」もランクインしていた。
数あるオンライン予約サイトからエクスペディアを選ぶ理由として、木村氏は「航空券と宿泊を別々に最安サイトで購入するよりも、エクスペディアでセット購入した方が安くなるというのが、大きなメリットです。複数泊予約などで『1泊無料』や『航空券無料』といったサービスも受けられます。パッケージにすることで双方からのディスカウントが得られるように、こちらから働きかけることで実現しています。
また、ホテルの泊数だけでなく、航空券、レンタカー、アクティビティなどの予約でランクアップする会員ステータスも、より簡単にランクアップするようになっていて、特典を受けやすくなりました。ぜひ、エクスペディアを使って旅行を楽しんでください」と述べた。






































