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虎ノ門ヒルズが六本木ヒルズ規模の完成形へ。ステーションタワー詳細を解説。幅20mの歩行者デッキや駅直結商業エリア、ホテルも
2023年1月25日 13:14
- 2023年1月24日 実施
森ビルは1月24日、都内で「虎ノ門ヒルズ ステーションタワー」(東京都港区虎ノ門2丁目)の開業を2023年秋と発表した。これにより、「虎ノ門ヒルズ」が六本木ヒルズに匹敵するスケールとインパクトを誇る街として完成することになる。
虎ノ門ヒルズは虎ノ門1丁目および2丁目を再開発し、「国際新都心・グローバルビジネスセンター」の形成を目指して開発が進められているエリア。
トップバッターとして2014年に「立体道路制度」の活用により環状二号線と一体的に整備した森タワーが竣工し、2020年には東京メトロ 日比谷線の新駅「虎ノ門ヒルズ」とともにビジネスタワーが完成。同時に空港リムジンバスなどが発着するバスターミナルも整備された。2022年にはレジデンシャルタワーが完成。
そして、2023年秋にトリを飾るステーションタワーが完成することにより区域面積約7.5ha、延床面積は約80万m2と六本木ヒルズ(延床面積約76万m2)に匹敵するスケールのエリアとなる。また、虎ノ門ヒルズ駅前には駅前広場が新たに設けられるとともに、森タワーのある1丁目地区を結ぶ歩行者デッキなども整備され、交通結節点機能が大幅に強化されることになる。
地上49階、地下4階にホテルや商業施設、オフィス
虎ノ門ヒルズ ステーションタワーは地上49階(約266m)、地下4階建ての多用途複合超高層タワー。32フロアを占めるオフィスエリアのほか、東京初進出となる「アンバウンドコレクション by Hyatt」ブランドとなる「ホテル虎ノ門ヒルズ」、複数のギャラリーやホールからなる「TOKYO NODE」などを用意。地下2階から地上5階は約80店舗が入居する商業エリアとなっており、地下鉄駅直結の地下2階には飲食や買い物が楽しめる「T-マーケット」、4階には全20店舗が並ぶ飲食店専門フロアが誕生する。
記者発表会では森ビル 代表取締役社長 辻慎吾氏が登壇。2014年の森タワー竣工からわずか9年あまりで完成した虎ノ門ヒルズについて「土地再開発としては異例のスピード」で拡大、進化したと述べ、その理由については多くの権利者(虎ノ門一・二丁目市街地再開発組合など)と共同で進めてきたことを挙げるとともに、都市インフラと一体での開発、そして同社ならではの実行力が不可欠だったとした。
マッカーサー道路(環状2号線)の課題を解決
虎ノ門ヒルズプロジェクトの最大の特徴といえるポイントとしては、「単なるビルの建て替えではなく、かつてない大規模な都市インフラと一体となって再開発を実現したこと」を挙げた。
なかでも戦後68年間にわたって計画が難航してきたマッカーサー道路(環状2号線)について、「ビルの地下に道路を通すという立体道路制度によって、環状2号線開通のもっとも困難な課題をクリア」したと説明。これは「東京都との官民連携による都市再生のモデル事業」であり、「虎ノ門ヒルズから羽田空港へのアクセスは18分になり、東京の都市力強化に大きく貢献」しており、さらに来訪者の増加が予測されることから、東京メトロ、国、東京都と協議し「日比谷線では開通以来56年ぶりとなる新駅(虎ノ門ヒルズ)」を実現したと述べた。
ステーションタワーについては「世界水準の多様な都市機能によって、グローバルプレイヤーを惹きつけ、東京の地力を高めるのです。新しい東京がここから始まります」とアピール。グローバル水準のオフィス、客室数205室のホテル、これまでの地下鉄駅にはなかった大規模な駅前広場、情報発信の新拠点などが誕生すると紹介。
「都市のあるべき姿を構想し実現する、思えばそれが森ビルの歴史でした。どの“ヒルズ”をとっても、その時代時代において次の東京のあり方を考え抜き最先端の知見を結集した提案でした」と振り返り、この虎ノ門ヒルズでは「グローバルビジネスセンター」という提案を実現すると述べた。
また、同じく今年完成するプロジェクトとして「麻布台ヒルズ」を挙げ、「どちらも東京という都市の未来に必要な価値を提示しています。世界に先駆けて、これらの新しい価値を備える東京は国際都市間競争を立ち抜くことができるはずです。そして、いつか東京は世界一の都市になれるはずだと私たちは考えます。東京の地力を高めることがこの国の未来を強くすると信じ、これからも森ビルは都市を作り、都市を育み、東京のポテンシャルを引き出していきます。
真のグローバルビジネスセンターをこの虎ノ門ヒルズで実現したように、都市の未来像をビジョンとして示しカタチにする。それこそが森ビルであり、挑戦する都市“ヒルズ”なのです。ここから始まる新しい東京にどうぞご期待ください」と締めくくった。