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森ビル、「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」完成。空港リムジンバスやBRTが発着する地上36階建て複合タワー

2020年1月15日 竣工

2020年1月21日 内覧会

各階のひさしが突き出たデザインが特徴的な「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」。左は「虎ノ門ヒルズ 森タワー」

 森ビルが参加組合員として参画する虎ノ門一丁目地区市街地再開発組合が推進する「虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー」が1月15日に竣工し、その一部が報道公開された。開業は4月を予定している。

 現在、虎ノ門ヒルズエリアでは大規模な開発が進んでいて、6月6日には東京メトロ日比谷線「虎ノ門ヒルズ駅」が新駅として開業予定となっているほか、2021年1月には主に住宅の「虎ノ門ヒルズ レジデンシャルタワー(地上54階建て)」が竣工を予定している。また、虎ノ門ヒルズ駅と一体となり開発される「(仮称)虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(地上49階建て)」が2023年7月に竣工を予定している。

 虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーは、虎ノ門ヒルズ 森タワー(地上52階建て)に隣接する地上36階建て、地下3階の複合タワー。5階より上はすべてオフィス階で、下層階には東京の名店が一堂に集まる「虎ノ門横丁」など飲食を中心とした商業施設が入る。2階のデッキで虎ノ門ヒルズ 森タワーと直結しているほか、銀座線虎ノ門駅と日比谷線新駅の虎ノ門ヒルズ駅とも地下通路で連結されている。

 設計は森ビル建築士事務所。外装の建築デザインはクリストフ・インゲンフォーフェン氏。

虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー西面外観。手前は虎ノ門ヒルズ 森タワー。オーバル広場から見ている
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー南面外観。ひさしが下層階にいくに従い末広がりのデザインになっている
周辺の案内板。新橋、六本木、霞ヶ関に近い
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーと虎ノ門ヒルズ 森タワーの位置関係
立面図。2階のデッキで虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーと虎ノ門ヒルズ 森タワーが繋がっている
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーの模型
進行中の虎ノ門ヒルズの開発 。手前を左右に横切るのが桜田通りで下に虎ノ門ヒルズ駅が作られている
一番大きな工事の区画が虎ノ門ヒルズ ステーションタワーの予定地
下にいくほど広がったひさしのデザインのファサード
南面の見上げ。左側が虎ノ門ヒルズ 森タワー
1階の通りに面したキャノピー部
オフィスエントランスと2階への外階段
商業エリアのエントランス上のデザイン。ツァン・キンワー氏の作品「Blow If you Will Float In the Wind」
北側には港区公園のエリアがある。2階のデッキへの外階段が広くとられている
港区公園のエリア
一角は日本基督教団芝教会となっている
壁面緑化を含めて緑が豊富な植栽となっている
バスターミナルと駐車場の出口
公園横に2階のデッキへのエスカレーターがある
2階デッキ。水が壁面を落ちる滝のモニュメント
2階デッキ
虎ノ門ヒルズ 森タワーと繋がる連絡デッキ
虎ノ門ヒルズ 森タワー側から見たところ
連絡デッキから虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーを見る
2階デッキからバスターミナルに降りるエスカレーター
エスカレーター付近にはアーバンリサーチとファミマ!!がコラボした新業態「アーバン・ファミマ!!」

 1階には空港リムジンバスや都心部と臨海部を結ぶBRT(Bus Rapid Transit/バス高速輸送システム)も発着可能なバスターミナルも設置されている。この虎ノ門を発着するBRTは、東京都都市整備局が推進中の、2020年にプレ運行し、2022年度以降に本格運行を予定している、環状第2号線を活用した虎ノ門~新橋と臨海地域を結ぶバス路線。連結バスとICカード(本格運用時には車内での現金収受は行わない)、道路改良により輸送力をあげているのが特徴。虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーのバス発着に関してはまだ正式決定はされておらず、4月から運行が開始されるわけではない。

1階のバスターミナル。連結バスのBRTも発着できる
プラットフォーム。乗り場は3番まで用意されている
プラットフォーム上から見たところ
2階デッキへと上がるエスカレーター
プラットフォーム上にエレベーターも用意されている
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーと直結する地下通路。新駅の日比谷線虎ノ門ヒルズ駅方面を見る
虎ノ門ヒルズ ビジネスタワーを出ると日比谷線虎ノ門ヒルズ駅方面と銀座線虎ノ門駅方面に分かれる
銀座線虎ノ門駅方面を見たところ
出口番号は「B4」
地下通路直結の通路にある銘板
オフィスロビー。リアルな木を使ったモダンな作り
天井から水が落ちる滝のモニュメント
エレベーターホール前
森万里子氏の作品「Cycloid V」
オフィス基準階フロア。すでに全室満室
約3000m2の面積。全方向に20mの奥行きがある
32階オフィスからの眺め。東京湾方面を見ている
隣の虎ノ門ヒルズ 森タワーが大きく見える
明るい作りのエレベーターホール
セキュリティーゲートは圧迫感のないデザイン

 地下3階には、虎ノ門ヒルズエリア内に電気と熱を供給する独自のエネルギープラントが設置されている。ガスタービンを使った自家発電に、大規模水蓄熱槽・廃熱利用設備を活用した高効率熱製造システムを使ったガスコージェネレーションシステムで、エネルギーの効率化を最大限に高めている。またビルのビッグデータからAIも活用し、運転の最適化をはかり精度を高めていくシステムになっている。

 大規模災害発生時には、1週間程度の電力と熱を供給可能となるが、夏場のピーク時にも活用される。虎ノ門ヒルズ ステーションタワーが完成すると、この虎ノ門ヒルズ ビジネスタワー間を地下トンネルで接続して、電力と熱を連携させる予定にもなっている。

16気筒1000kWのガスタービン発電機を2基備える。温水は廃熱回収型吸収冷温水機へ回収する
廃熱回収型吸収冷温水機とインバーターターボ冷凍機。奥の壁裏に蓄熱槽がある
温水を作る真空温水ヒーター
中央監視室
運転計画の画面。この運転計画の最適化にAIが活用される