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年頭所感:森ビル 辻慎吾社長

2024年1月5日

複数のヒルズをつなげれば、東京の新たな磁力となる
新たな地平の先には、様々なチャンスと無限の可能性が広がっている

森ビル株式会社
代表取締役社長
辻慎吾

 2024年は、「新たな地平から、森ビルを考える年」だ。

 昨年は「虎ノ門ヒルズステーションタワー」と「麻布台ヒルズ」をほぼ同時期に開業させるという、森ビルの長い歴史の中でも経験したことのないことをやり遂げた。今年は、順次オープンしていく施設や店舗を含めて、1つの街として最大限に機能するよう、しっかりと育んでいく。多様なジャンルのパートナーや街の人々と連携し、アイデアを出し合い、それぞれの街のコンセプトを体現できるような仕掛けや仕組みをつくり上げていく。

 森ビルは森稔会長の時代から、東京が国際都市間競争を勝ち抜くために、都心の既成市街地を再開発して、多様な都市機能が徒歩圏内に集約したコンパクトシティをいくつもつくり、国際新都心を創出するという壮大な構想を描いていた。当時は誰も信じていなかったが、開業後20年を経過した「六本木ヒルズ」が過去最高の来街者数や売り上げを記録したうえ、「虎ノ門ヒルズ」が完成し、「麻布台ヒルズ」が開業したことで、多くの人々が森ビルの構想を信じ、森ビルにはそれを成し遂げる実行力があることを認めてくれている。

 2つの新たなヒルズを軌道に乗せ、さらに複数のヒルズをつなげれば、東京の強力な磁力となるはずだ。加えて、会社の経営基盤もさらに強化され、ブランド力や信頼もより一層高まり、我々はもう一段二段、上のステージに昇ることになる。新たな地平の先には、様々なチャンスが広がっているし、やり方次第で無限の可能性を秘めている。

 ヒルズには1つとして同じものはない。これまでの成功体験やマニュアルにとらわれることなく、常にそれぞれのヒルズに合った新しい仕掛けや仕組みを考え出していかなくてはならない。「考えて考えて新しいやり方を模索する人」と「今までのやり方を当てはめる人」では大きな差が出てくる。皆さんにはぜひ前者であって欲しい。今年もますます森ビルらしく、共に挑戦し、共に成長していこう。