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ハイアット坂村代表「東京・京都のラグジュアリーホテルは1泊10万円超が当たり前に」。温泉旅館「ATONA」開発に着手

「ホテル虎ノ門ヒルズ」は12月6日開業

2023年12月4日 実施

ハイアットは事業戦略発表会をアンダーズ 東京で開催

 ハイアット ホテルズ コーポレーションは12月4日、2日後に開業を控えた「ホテル虎ノ門ヒルズ」の内覧会と事業戦略発表会を開催した。

 事業戦略については、ハイアット アジアパシフィックのグループプレジデントのデービッド・ユデル氏、コマーシャル担当シニアバイスプレジデントのカリーナ・コーレンゲル氏、日本ハイアット 代表取締役の坂村政彦氏が登壇して説明した。

人への投資がハイアットのポリシー

 デービッド・ユデル氏は冒頭でパークハイアット東京の初代総支配人だったことに触れ、「東京、日本に戻って来ることは大きな意味があり、そして偉大な日本において私たちが成長することは非常に意味があることです」と述べた。ハイアットが成長の道しるべとしているのは“人”であり、その人が指すものは、利用客、スタッフ、オーナー、コミュニティであり、それぞれがベストを尽くせるように取り組んでいると話した。

 ホテルについては、旅行者、ビジネス、イベント、ゲストなど、ユニークな体験を求めているすべてのハイエンド利用者の要求に応えられる質の高い開発を行ないたいとし、開業間近のホテル虎ノ門ヒルズについては、非常に有名なヨーロッパのシェフであるセルジオ・ハーマン氏と共同で手掛けたレストラン「ル・プリスティン東京」が大きな魅力であることも紹介した。

ハイアット ホテルズ コーポレーション アジアパシフィック グループプレジデント デービッド・ユデル氏

プレミアムゾーンに注力したブランド展開を進める

 現在のハイアットの戦略についてはカリーナ・コーレンゲル氏が説明した。全世界におけるホテル数は1310軒と世界的なホテルチェーンのなかでは小さい方であるが、差別化のポイントとしては、ユデル氏が冒頭にも述べたように人を大切にすることを目的とし、プレミアムの提供、フードとドリンクの提供に力を入れていることを紹介した。

 それらを踏まえ、2017年以降はラグジュアリー客室数は2倍、リゾート客室数は3倍、ライフスタイル客室数は4倍に増やしたことを説明した。コロナ禍で大打撃を受けた業界だが、回復基調に移行してからはラグジュアリーを求める旅行者が増え、その層が売上の回復や成長に寄与したとのことだ。それらの旅行者が今求めているのはウェルビーイングであり、コロナ前ではあるがスパで有名な「Miraval」を買収してニーズを取り込んでいる。

 そのほか、「Two Roads Hospitality」「Apple Leisure Group」「Dream Hotels Group」など、ライフスタイルやリゾートを重視したホテルブランドも買収して積極的に展開している。直近にオープンしたホテルとしては、タイのパタヤにある「Andaz Pattaya Jomtien Beach」、南京にある「Andaz Nanjing Hexi」、マカオの「Andaz Macau」を紹介した。アジア太平洋地域においては今後も続々と開業を予定しているホテルがあるとし、日本では新しいブランド「ATONA(吾汝)」を立ち上げて展開するとしている。

ハイアット ホテルズ コーポレーション アジアパシフィック コマーシャル担当シニアバイスプレジデント カリーナ・コーレンゲル氏
ハイアットの現状
プレミアムブランドを多く抱えている
重視しているターゲット層
買収によるホテルブランドの強化
2023年に開業したホテル
アジア太平洋地域で今後オープンするホテル

伸長が期待できる日本では新ブランドも投入する

 国内展開については坂村政彦氏が説明した。日本に初めてハイアットが誕生したのは1980年で、それ以降は緩やかに増えていったが、2000年に入ってから増加ペースは一段と加速し、現在は国内に19軒のホテルを構える。展開しているブランド数は8種類で、来年には大阪に日本初上陸となる「キャプション by Hyatt」をオープンすることも紹介した。

 落ち着きを取り戻し始めた現在においては、業況は回復傾向どころか2019年比でも3割強上回る好調な推移となっている。この結果については、「東京・京都のラグジュアリークラスのホテルでは、1泊10万円を大幅に超えるホテルが当たり前になっている」と話し、開業を間近に控えたホテル虎ノ門ヒルズも予約は好調であることを伝えた。インバウンドの需要が旺盛なことについては、円安が背景にあることはもちろんであるが、それ以上に日本の観光地としての魅力が海外では高く評価されており、今後もビジネスとレジャーを兼ねたブレジャー市場とラグジュアリートラベルが伸長していくと予想している。

 新しい試みとしては、Kirakuと共同で開発する新ブランドである「ATONA」を2026年より展開すると説明した。詳細については今後予定しているブランド発表会において公表するとしたが、ハイアットらしさを取り入れた温泉旅館であると話した。

日本ハイアット株式会社 代表取締役 坂村政彦氏
日本で営業しているハイアットブランドのホテル
国内で展開しているブランド
日本に対する海外の評価
市況と現在の状況
ハイアットが手掛ける新しい温泉旅館「ATONA(吾汝)」。吾汝は「わたしとあなた」を表現する日本の古語
2024年以降にオープン予定のホテル
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