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ANA、羽田空港第2ターミナルでの国際線発着をスタート。初日は8便が出発

2020年3月29日 供用開始

ANAは3月29日に、羽田空港第2ターミナルでの国際線発着をスタート。第1便となったヒューストン行きを地上旅客スタッフが見送る

 ANA(全日本空輸)は3月29日、この日から供用を開始した羽田空港第2ターミナル国際線エリアを運用した国際線の発着を開始した。

 羽田空港は3月29日からの国際線発着枠拡大に合わせ、これまで国内線専用として運用されていた第2ターミナルを拡張し、南側に国際線エリアを整備。新型コロナウイルスの影響による国や自治体からの自粛要請もあり、セレモニーなどは行なわれなかったが、供用は予定どおり3月29日にスタートした(関連記事「羽田空港、国際線増便に対応した第2・第3ターミナルの概要発表。3月29日供用開始」)。

 新たな国際線エリアは、国際線の到着ロビーと国内線の出発ロビーを同一フロアとすることで、国際線から国内線へ乗り継ぎしやすくしているのも特徴。これに合わせ、国内線出発ロビーに国際線到着客の利用を想定した到着ラウンジ「ANA ARRIVAL LOUNGE」も新たに整備している(ただし、こちらも新型コロナウイルスの影響による需要減衰のためオープンを延期している)。

 羽田空港を発着する国際線は、行き先によって使用する第2ターミナルと第3ターミナルを使い分けることになる。到着便は現地出発時刻24時間前に到着するターミナルを確認できるようになる。行き先別の出発ターミナルは下記のとおり。

ANA国際線の羽田空港出発便の使用ターミナル

※T2:第2ターミナル、T3:第3ターミナル

北米路線

T2出発: シアトル、ニューヨーク、バンクーバー、ヒューストン、ロサンゼルス、ワシントンD.C.
T3出発: サンノゼ、サンフランシスコ、シカゴ、ホノルル

欧州路線

T2出発: イスタンブール、ウィーン、ストックホルム、パリ、フランクフルト、ミュンヘン、モスクワ、ロンドン
T3出発: ミラノ

アジア・オセアニア路線

T2出発: シドニー、ジャカルタ、シンガポール、台北、青島、北京、ホーチミンシティ
T3出発: クアラルンプール、広州、上海、深圳、ソウル、デリー、バンコク、香港、マニラ

 現在、新型コロナウイルスの影響により国際線の大幅な運休、減便が行なわれていることもあり、供用開始日となった3月29日に第2ターミナルから出発する便は下記の8便となった。

供用開始日(3月29日)の出発便

NH855便: 10時15分発、ジャカルタ行き
NH114便: 10時20分発、ヒューストン行き
NH102便: 10時55分発、ワシントンD.C.行き
NH841便: 11時05分発、シンガポール行き
NH211便: 11時35分発、ロンドン行き
NH118便: 21時05分発、シアトル行き
NH879便: 22時30分発、シドニー行き
NH106便: 22時55分発、ロサンゼルス行き

吹き抜けで広々とした出発ロビー。国際線専用の出発エリアにはフードコートも

羽田空港第2ターミナル国際線エリアの出発ロビー(3階)

 3階に位置する出発ロビーは、吹き抜け構造で、滑走路側が全面窓になった開放的な空間が広がっている。ここに出発カウンターの窓口が38か所あり、26か所は自動手荷物預け機によるチェックインコーナーとなっている。残る12の窓口が有人カウンターとなる(関連記事「ANA、羽田空港第2ターミナル国際線サービス発表。自動手荷物預け機や隈研吾監修ラウンジなど提供。到着ラウンジには足湯も」参照)。

 また、ファーストクラス利用者やAMC(ANAマイレージクラブ)ダイヤモンドメンバーなどが利用できる専用チェックインコーナーも用意。壁に仕切られた個室感のあるブースでチェックインできる。

 なお、こちらも新型コロナウイルスの影響で一部サービスを制限しており、現在チェックインは有人カウンターのみを使用する運用となっている。

出発ロビー。チェックインカウンターは2つのアイランドから成る
ANAファーストクラス搭乗客やダイヤモンドサービスメンバー専用の居室型カウンター
自動チェックイン機
自動手荷物預け入れ機
出発ロビーの向かい側、4階に開店した「羽田空港 蔦屋書店」。別記事「BOOK&CAFE『羽田空港 蔦屋書店』が第2ターミナル国際線エリアに3月29日開店。日本文化を“お土産”に」で紹介した内覧会時には用意されていなかった「ジャパン レコメンド」コーナーでは、老舗和菓子店「とらや」の羊羹の紹介がはじまった
国際線の到着ロビー(2階)。国内線出発ロビーに直結している
この途中にANAの到着ラウンジ「ANA ARRIVAL LOUNGE」を設置。社会情勢を見てオープン日を決定する

 保安検査場、出国審査を抜けた先にはラウンジや免税店が並ぶ。ラウンジはANAの「ANA SUITE LOUNGE」「ANA LOUNGE」のほか、TIAT(東京国際空港ターミナル)が運営する有料ラウンジ「POWER LOUNGE PREMIUM」が設置されている。これらラウンジの様子は別記事でお伝えする。

 出発階は1つ階を下りた2階となる。71~73番の3つの搭乗口が国際線専用の搭乗口となっているほか、バス搭乗口が2ゲート用意されている。このほか、66~70番は国際線と国内線を切り替えるスイング運用が可能となっている。

 72番と73番搭乗口の間にはフードコートが並んでいる。ANA FESTAが運営する「むぎとオリーブ」「スターバックス」については別記事「ANA FESTA、羽田空港第2ターミナルの国際線エリアにスタバや人気ラーメン店。3月29日オープン」でもお伝えしたとおりで、そのほかに「三本珈琲店」「PIER ISHIYA CAFE」「又こい家」「銀座木屋」「歓迎」「SCHMATZ」といった店舗が並び、和食、中華、ビアスタンド、カフェと多様なラインアップからグルメを楽しめる。

国際線出発口
出国審査場を抜けた先には免税店などが並ぶ
搭乗口は1つ下りた2階にある
2階の搭乗待合所
フードコーナー
ANAがファーストクラスとビジネスクラスに採用している西川のSleep Techを体験するコーナーも設けられていた
空港初出店となる「むぎとオリーブ」。「煮干SOBA」は羽田空港限定メニュー。エシャロットオイルで“味変”も

第2ターミナルからの国際線出発第1便はヒューストン行き

 ANAのこの日の出発便の予定では、ジャカルタ行きのNH855便が最初となる予定だったが、実際には10時17分にプッシュバックを開始したヒューストン行きNH114便が第1便となり、32名の乗客を乗せて出発。続いて、10時25分にジャカルタ行きNH855便が乗客36名を乗せて出発した。

 また、ヒューストン線とワシントンD.C.線は成田路線から移管し、羽田路線として新規就航となることから、記念品として銀座和光に特注した就航記念ブックマーク(しおり)や、搭乗証明書、ボーディングパス型ステッカーを搭乗客にプレゼント。そのほかの便についても同じくボーディングパス型ステッカーとフライトタグをプレゼントした。

新たな第2ターミナル国際線エリアからの出発第1便となったヒューストン行きNH114便の搭乗口
成田から移管された新規路線ということで搭乗証明書や、銀座和光に特注した就航記念ブックマークをプレゼント
出発前に防除雪氷作業も行なわれた
10時17分に出発。地上旅客スタッフが手を振って見送った
出発第2便目となったジャカルタ行き855便。こちらの乗客にも搭乗券型ステッカーやフライトタグをプレゼント。10時25分に出発した
こちらはヒューストン線と同じく成田から移管した新規就航路線となるワシントンD.C.線のNH102便。搭乗証明書と和光のブックマークをプレゼント
シンガポール行きのNH841便はバスゲートから搭乗。バス搭乗ラウンジは1階に設けられている