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ピーチ、バニラエアからの移管路線、成田~那覇線を初運航。国内線1500円、国際線2000円からの共同セールを6月4日スタート

井上CEO「具体的な大きな一歩」。成田空港にオペレーションセンター準備室も設置

2019年6月1日 運航開始

ピーチがバニラエアからの移管路線として初めての運航路線となる成田~那覇(沖縄)線の運航をスタート

 ピーチ(Peach Aviation)は6月1日、2019年度中の統合を予定するバニラエアからの移管路線となる成田国際空港~那覇空港(沖縄)線の運航を開始した。初便にはピーチCEOの井上慎一氏ほか、バニラエアCA(客室乗務員)も応援に駆けつけ、満席近い乗客を見送った。

 10月26日に運航を終了するバニラエアの路線は、すでに一部は運航を終了しており、5月31日には成田~那覇線、那覇~台北線の運航を終了。成田~那覇線については6月1日から早速ピーチ便へ移管し、運航をスタートすることになっていた。MM便名で運航される成田~那覇線のダイヤは下記のとおり。

ピーチの成田~那覇線(~2019年8月31日)

MM503便: 成田(09時00分)発~那覇(12時05分)着、6月1日~27日運航
MM503便: 成田(08時50分)発~那覇(11時55分)着、6月28日~8月31日運航
MM505便: 成田(14時40分)発~那覇(17時45分)着、6月1日~8月31日運航

MM504便: 那覇(13時45分)発~成田(16時30分)着、6月1日~27日運航
MM504便: 那覇(10時10分)発~成田(12時55分)着、6月29日~8月31日運航
MM508便: 那覇(18時35分)発~成田(21時20分)着、6月1日~8月31日運航

MM便名で運航される成田~那覇線
ピーチCA。中央の2名はバニラエアから移籍したCA
バニラエアCAも初便就航セレモニーの応援に駆けつけた

 バニラエアからの移管路線の運航初便となる6月1日の成田発MM503便の搭乗口ではセレモニーを実施。バニラエアからピーチへ転籍したCAや、現在もバニラエアで乗務するCAも参加し、両者一体となって乗客を迎えた。

 セレモニーであいさつしたピーチ代表取締役CEO 井上慎一氏は、「これまでピーチ、バニラ両社が統合の過程を進めてきているが、本日、具体的に大きな一歩を踏み出すことができた」と意義を述べたうえで、「路線は最初だが、人材の交流はすでに始めている」と紹介。「アジアのリーディングLCCになる目標に向けたドラマにご期待を」と呼びかけた。

 セレモニー後の囲み取材では、人材交流のシナジー効果について「(両社とも)LCCで出発点は同じだが、たどってきた経緯が異なることによるカルチャーの違いがある。路線移管に先立って人材の相互交流を行ない、一緒になることでお互いの強みをどう活かしたらよいかの気付きが出てきている。これこそ、私たちは目指しているチームビルディングで、その先にあるアジアのリーディングLCCになる基盤作りがまずまずうまくいっているように思う」とし、利用者への影響として「シナジー効果でコストが下がる。そしてお客さまの満足度。不満足にならないという言い方が正確かも知れないが、いかにご要求に応えていくかと、両社のナレッジを使いながら進めている」と話した。

 また、ピーチは関西市場、バニラは首都圏市場を理解しているとし、「首都圏市場は大きい。このチャンスを最大限に活かしたい」と、ピーチとして首都圏市場への訴求を強める姿勢を示した。

 ちなみに、成田空港においてバニラエアは第3ターミナル、ピーチは第1ターミナルを使用しており、今回の路線移管により第1ターミナル発着に変更となる。井上CEOは統合後の使用ターミナルについては「検討中」として明言を避けた。

Peach Aviation株式会社 代表取締役CEO 井上慎一氏

 その後、セレモニーではピーチとバニラエアの共同キャンペーン「Sweet Summer Sale」の実施を発表。6月24日~10月26日搭乗分を対象に、国内線1500円から、国際線2000円から販売するもの。6月4日22時~6月7日23時59分に実施する。

 初便搭乗客には、移管初便を記念したタグや、ピーチとバニラエア両社のコラボシールをプレゼント。ピーチ運航便ながら、バニラエアのセレモニーでおなじみの黄色いビッグハンドによるハイタッチを実施。井上CEOや両社のCAに見送られ、満席近い174名(幼児2名含む)の乗客が、MM便名となった成田~那覇線で沖縄へと旅立った。

ピーチ、バニラエアの共同キャンペーン「Sweet Summer Sale」を6月4日22時から実施
ピーチ、バニラエア両社のCAも一緒になってのフォトセッション
ピーチのセレモニーは素手でのハイタッチがおなじみだったが、路線の移管初便となる同便では黄色いビッグハンドを使ったバニラエア式のハイタッチでお見送り
路線移管初便を記念してタグやシールを搭乗客にプレゼント
井上CEOやCAらが出発機を見送り。偶然、その後方をバニラエア機が通過するシーンも

ピーチの成田拠点化に向けてオペレーションセンター準備室を開設

ピーチが成田オペレーションセンター準備室を開設。開所式を実施した

 バニラエアから継承した路線の初便を運航した6月1日、ピーチは成田空港第1ターミナルに隣接するANA成田スカイセンター内に「成田オペレーションセンター準備室」を開設した。2019年冬期スケジュールから成田空港拠点化をスタートする同社が、成田空港にもオペレーションセンターを設置するための部署として準備室を立ち上げた。元々、ピーチが成田空港の事務所と使っていたオフィスをベースに、レイアウト変更や部屋の追加を行ない、26m 2 から47m 2 へ拡張した。

 6月1日に行なわれた開所式では、ピーチ代表取締役CEOの井上慎一氏が、路線移管の初便を運航し、それに先だって行なってきた人材交流の成果が現われてきているとし、「統合はゴールではなく、アジアのリーディングLCCになるためのプロセスであり、通過点。ピーチの飛躍的発展と、事業規模のさらなる拡大のために、この準備室から新たな一歩を踏み出したい」と激励した。

 また、ピーチ取締役副社長の角城健次氏は、この先もパイロットやCAを積極採用していきたいとし、「ピーチの安全理念の一つに『お客さまの笑顔は確かな安全から生まれる』という言葉があり、安全を第一に、来たるウィンターダイヤに向けてオペレーションセンター化に向けて尽力いただきたい」とコメント。準備室長となった富永有一氏へ、プレートを手渡した。

 成田オペレーションセンター準備室 室長の富永有一氏は、「プレートを受け取り身が引き締まる思い」と応え、「仕事は楽しくやりましょう。それが一番。そこからチームワークも生まれると思う。微力ながら頑張りたい」との意気込みを示した。

 現状、パイロット、CA、空港所スタッフ、総合管理課スタッフら約90名が配属され、パイロットとCAはほとんどがバニラエアからピーチに転籍し、ピーチの本拠地である関西で訓練、審査を受けてきたメンバーで構成されている。成田拠点化は10月27日から始まる2019年冬期スケジュールからを計画しているが、オペレーションセンターの本格稼働は2019年度内に開始したいとしている。

Peach Aviation株式会社 代表取締役CEO 井上慎一氏
Peach Aviation株式会社 取締役副社長 角城健次氏
プレートを受け取り、準備室の入り口に設置したPeach Aviation株式会社 成田オペレーションセンター準備室 室長 富永有一氏
成田オペレーションセンター準備室の仕事風景。パイロット、CAのブリーフィングなどもこちらで行なわれるという