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バニラエア、就航5周年を記念して550円からのセール。新社長の井上氏「ピーチとバニラがゲームチェンジできると確信」

成田空港の那覇行き便ゲート前で記念イベント実施

2018年12月20日 実施

2018年12月21日 販売開始

バニラエアは就航5周年を記念して成田空港でイベントを実施。550円からの記念セールも発表した

 バニラエアは12月20日、2013年12月20日の成田~那覇便就航から5周年を迎え、成田空港の那覇行きJW807便(成田12時05分発~那覇15時45分着)の搭乗口前で記念イベントを実施した。そのなかで、12月21日から5周年を記念した片道550円からのセールを行なうことを発表した。

 バニラエアは、前進となる旧エアアジア・ジャパンからブランドを変更し、ANAHD(ANAホールディングス)の100%子会社のLCCとして2013年12月20日に成田~那覇便で運航を開始。ちょうど5年目を迎えることになった。

 2018年3月には、同じくANAHD傘下のLCCであるピーチ(Peach Aviation)ブランドを存続する形での企業統合を発表。11月には新社長として、ピーチ 代表取締役CEOの井上慎一氏が、バニラエアの代表取締役社長に就任した。12月17日には2019年夏期スケジュールとともに、バニラエア便のピーチへの移管を発表し、10月26日をもってバニラエアとしての運航を終えることになっている(関連記事「ピーチ、バニラエア統合で路線の移管を発表。成田~函館線廃止など」)。

バニラ・エア株式会社 代表取締役社長 井上慎一氏

 成田空港で行なわれた記念イベントでは、新社長の井上慎一氏が「バニラエアの井上です!」と登場。これまでピーチCEOとして、フーシャピンク色を基調としたジャケットやネクタイ、ポケットチーフでコーディネートしてきた同氏だが、この日は黄色いポケットチーフに、「アジアに花を咲かせる」と黄色いバラのピンブローチを着用。

 まずは2019年夏期スケジュールと10月での運航終了を発表したことに言及し、「マーケットの皆さまの声をTwitterなどで拝見すると、バニラエアを惜しむ声が多数寄せられた。私もそのメッセージを1つ1つ拝見し、5年間のバニラエア社員の努力が皆さまから評価いただいたことを知り、大変うれしく思っている」とコメント。バニラエア社員に対しては「お客さまに対して一生懸命。そして新しい価値を市場に提供しようとチャレンジをしている」との印象を語り、「その結果がツイートに書いてある。拝見しているだけで涙が出そうになった。これだけ頑張ったんだと、お客さまの声が象徴している」と話した。

 ピーチとの統合による新体制については、「社名は変わる。変わろうとも、確かな実績を残してきたバニラエア社員はピーチと一緒に新しい活動を始める。日本の航空会社に新しいカテゴリの航空サービスを提供する、ゲームチェンジャーになる。首都圏を拠点とするバニラエアと、関西を拠点とするピーチ。この2つが、これから起こすケミストリー、化学反応が既存の航空業界に新風を吹き込むことを確信している」との期待を示し、さらに「2社がそれぞれの地域で起こしてきた航空の新しいムーブメント、新しい飛行機の使い方を、首都圏と関西で同時に推進することで、ゲームチェンジできると確信している。それこそが統合したあとの会社が目指す『アジアのリーディングLCC』になる道だと思っている」と述べた。

 一方、「新しいスタートを切るが、来年の10月までは運航する。これを忘れずに皆さまにはどんどん乗っていただいて、熱い応援で、アジアナンバーワンへの門出を盛り上げていただければうれしい」と呼びかけた。

 さらに、「内緒の話」「聞いた話」として、「ピーチも成田発着便を数年後に大幅に拡大するそう」とコメント。この事業規模拡大の計画や、ピーチへの移管後の使用ターミナル(成田空港ではピーチが第1ターミナル、バニラエアが第3ターミナルを利用している)については、「現在調整中」とのことで、「いろいろな準備を急いで進めている」と決定次第、順次アナウンスする方針を示した。

 なお、バニラエアの機材については、2019年3月ごろより順次改修を開始する。この改修は、塗装や客室の内装のブランド統一のほか、「コックピットの仕様が違う。それが混在すると安全に支障が出る。安全第一で、誤操作をなくすためにピーチに仕様統一するので主な目的」とし、1機あたり約4か月をかけて改修作業を進めるという。

5周年を迎えて新たなスタートを切ることを伝えるフラッグを持って記念撮影

 イベントではその後、司会を務めた竹内CA(客室乗務員)が、「お客さまからもうすぐ5周年だね、とか、セールを期待しているという声を機内でも聞くんですが……。今日せっかくなので、この場で決めてしまいませんか? ずっとボードだけできていて、(金額が)保留になってましたよね?」と提案。井上社長も「やりましょうか」と答え、その場でボードに金額を記入。

 書き終えて、「2550円でございます!」とボードを示すと、竹内CAが「正直、いままでセールをやっていて、2550円はそんなにインパクトがある金額ではないと思うんですが……。皆さんどうですか? あんまり反応ない、ダメですね」とダメ出し。井上社長は「私もまだ修行不足で……失礼しました」と再びペンを手に書き直し。

「2550」の「2」を「¥」に置き換え、「550円」のボードを示すと、搭乗を待つ乗客からも拍手が湧き、竹内CAも「お客さまにもすごく喜んでいただけると思う」と納得の金額に。

保留になっていたという5周年記念セールの運賃を書き込む井上社長
2550円を提示も、「インパクトない。ダメですね」と一蹴されこの表情
「修行不足で……」と話しつつ書き直し
最終的に550円からのセールに。「5周年記念わくわくバニラSALE!」は12月21日15時にスタートする

「5周年記念わくわくバニラSALE!」と名付けられたこのセールは、12月21日15時に販売開始。関空~奄美線と那覇~石垣線が550円からとなるほか、バニラエアが運航する国内7路線、海外6路線すべてでセールを実施する。概要は下記のとおり。

5周年記念わくわくバニラSALE!の概要

Webサイト:5周年記念わくわくバニラSALE!
予約期間:2018年12月21日15時00分~12月24日23時30分
搭乗期間:2019年1月7日~5月31日

路線別運賃:
成田~新千歳:1980円~
成田~函館:1550円~
成田~那覇:1980円~
成田~奄美:1550円~
成田~石垣:2980円~
関空~奄美:550円~
那覇~石垣:550円~

成田~台北・桃園:4280円~
成田~高雄:4280円~
関空~台北・桃園:4980円~
福岡~台北・桃園:3380円~
那覇~台北・桃園:1550円~
成田~香港:2550円~

社員約80名が5周年記念の出発便を見送り

成田空港の搭乗口でハイタッチでの見送りや記念品配布を実施

 就航からちょうど5周年となる成田~那覇便、JW807便の搭乗口では、「バニラエアの5歳の誕生日でございます。これまでたくさんのお客さまに応援していただき、また1つ年を重ねることができました。お客さまのご愛顧に感謝申し上げます。ご搭乗の際に社員が1枚1枚手書きで書いた皆さまへの感謝のメッセージと、5周年記念トートバッグを手渡しさせていただきます。ぜひお受け取りください。バニラエアはこの5周年を機に新しいスタートラインに立ち、さらに進化を続けてまいります。今後もバニラエアにぜひご期待ください」との特別アナウンスが流れ、搭乗客に記念品などを配布することを紹介。

 搭乗口では井上社長やCA、パイロットらが、バニラエアおなじみの黄色いビッグハンドでのハイタッチや記念品の配布を行なったほか、社員有志が集まって搭乗客を歓迎。

5周年を迎えた那覇行き便
搭乗券にも「本日は就航5周年記念日です!」のメッセージ
記念品はトートバッグと、就航地の産品や過去にバニラエアとコラボレーションした企業の品々
搭乗口で記念品配布のほか、ハイタッチや旗振りで乗客を歓迎

 さらに、出発時にも地上から5周年を記念した小旗を持った約80名の社員が当該機の近くに集合。ちなみに、この日の那覇便は5周年を記念して、バニラエアの5号機となる「JA05VA(登録記号)」を使うというこだわりぶり。

 148名を乗せたJA05VAは、ほぼ定刻どおりの12時03分にプッシュバックを開始。滑走路へ向かい始めるまで盛大な見送りに包まれながら、那覇へ向けて出発した。

旗を振って出発便をお見送り
5周年を記念し、運航機材は「JA05VA」をアサイン
プッシュバックを開始
トーイングカーが外れて出発。約80名のバニラエア写真が見送るなか那覇へ旅立った