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クイーンズランド州政府観光局、ジェットスターのブリスベン~エアーズロック線で「新ルートの商品に期待」

オーストラリア国内でも歓迎

2018年7月17日 開催

クイーンズランド州政府観光局がハミルトン島とエアーズロックのプロダクト各社とともにセミナーを開催した

 オーストラリア・クイーンズランド州政府観光局は7月17日、都内で報道向けにセミナーを開催。人気のハミルトン島ならびに、8月3日より初就航するジェットスターのブリスベン空港~エアーズロック空港線、そして周辺での観光やアクティビティの楽しみ方を紹介した。

 冒頭では、クイーンズランド州政府観光局 日本局長のポール・サマーズ氏があいさつ。クイーンズランド州の基本情報からセミナーはスタートした。

観光都市化が進むブリスベンとゴールドコースト。クイーンズランド州のリゾートブームは現在進行中

 オーストラリアの北東部の州であるクイーンズランド州。州都はブリスベンでオーストラリアの4分の1を占める大きさがあり、人口は全体の5分の1。世界遺産もありオーストラリアを代表するリゾートだ。日本人観光客は年間約20万5000人でオーストラリア全体の半分。ブリスベン空港は国内への乗り入れがもっとも多い52都市。そのなかに今回ジェットスターが初就航するエアーズロック(ウルル)も含まれているとのこと。

クイーンズランド州政府観光局 日本局長のポール・サマーズ氏
冒頭ではクイーンズランドの基本情報を紹介
ハブ空港としても国内最大級であるブリスベン空港に関する情報も

 8月3日より週3便で初就航するジェットスター航空の定期便についても紹介。州都ブリスベンからエアーズロックへの初の定期便であり、使用機材はエアバス A320型機。すべてエコノミークラスで約180席を予定。運航スケジュールは以下のとおり。

ブリスベン~エアーズロック線の運航スケジュール

JQ667便:ブリスベン(06時00分)発~エアーズロック(09時10分)着、月・水・金曜運航
JQ668便:エアーズロック発(10時25分)発~ブリスベン(13時50分)着、月・水・金曜運航
※ブリスベンとエアーズロックで30分の時差あり

 なお、ポール・サマーズ氏は、同日乗り継ぎができないため最低2日間ブリスベンまたはゴールドコーストでの宿泊が必要であることも挙げた。しかし、現状でケアンズ~エアーズロック線、シドニー~エアーズロック線がほぼ満席のため、ブリスベン~エアーズロック線が増えたことは喜ばしいことであり、「ハミルトン島とのコンビネーションが一つ増えたとご理解いただければ」と話した。

ブリスベンからエアーズロックへの定期便は初
使用機材はエアバス A320型機を予定。180席すべてがエコノミークラスとなる
週3便で運航。ブリスベン空港から6時出発とかなり早い時間のフライトだ

 ブリスベンとゴールドコーストの観光都市化に関しても解説。近年ブリスベンは観光都市としてのインフラ開発が急ピッチで進んでおり、観光客も増加傾向。ホテル開発プロジェクトとして先日「Wブリスベン」が開業し、11月には「ウェスティン・ブリスベン」もオープン予定。さらに2022年には複合施設「クィーンズワーフ・ブリスベン」の開業がアナウンスされている。

 ゴールドコーストに関してはリゾートの開発費が1兆円を超え、開発プロジェクトの第1期が完了し「ザ・ダーリン」が完成。さらに2棟の追加予定となっていると話し、今後のクイーンズランド州のリゾート開発に期待してほしいと語った。

人口増加とともに観光客が年々増えているブリスベン
先日開業の「Wブリスベン」をはじめホテルの新規オープンが続々
2022年に向けて「クィーンズワーフ・ブリスベン」の開発プロジェクトも進んでいる
ブリスベンから南に約80kmのゴールドコーストも観光都市化が進んでいる
「ザ・ダーリン」が完成し、今後も棟が追加される予定だ

オーストラリアで大人気のリゾートアイランド「ハミルトン島」で最上級の旅を体験しよう

 続いてはハミルトンアイランドエンタプライズ イースタンマーケット・セールスディレクターの林田第三郎氏がハミルトン島について紹介。オーストラリア屈指のリゾートアイランドであり、ロバート・オートリー氏が購入しライフワークとしてナンバー1リゾートを目指し開発を手がけていると説明。世界遺産であるグレートバリアリーフのど真ん中に位置する南緯20度(ハワイが北緯20度なので同じ快適ゾーン)にあり、有名な「ハートリーフ」や世界一美しいと言われる「ホワイトヘブンビーチ」へも片道30分のクルーズで到着。

ハミルトンアイランドエンタプライズ社 イースタンマーケット・セールスディレクター林田第三郎氏
ハミルトン島はケアンズから約512kmで東京~大阪間程度の距離
グレートバリアリーフ中央部だからこその美しさと有名な「ハートリーフ」も
映画の撮影などでも使われた「ホワイトヘブンビーチ」

 ハミルトン島自体は人口1400人、未開発エリアも多く緑豊かで野生のカンガルーが多く住み動物園にいるような感覚も楽しめることや、島内は一般車両の走行が制限されているためバギーに乗って安全に移動できるなども紹介。スーパーやレストランなども充実し、アクティビティとしてはオーストラリア唯一の1島1コースのゴルフ場にセレブリティ御用達のラグジュアリーホテル「クオリア」で最高の滞在を過ごせるメリットなども話した。

 さらにハミルトン島にはしっかりとした日本語デスクがあるため初めての滞在でも安心であることも。7割がハネムーナーで中高年の一人旅、ハワイの次のディスティネーションとして訪れるファミリー層が多いとのことだ。

 今回のブリスベン~エアーズロック線の就航により、ブリスベンを軸にハミルトン島の滞在も含めた新たな旅行の日程作りが可能になったと強調。さらなる日本人観光客の島での滞在を期待していると述べた。

スライドでは島全体の魅力などを紹介
日本語デスクが充実しているので初めての滞在でも安心
島へは国内線を利用
島内はバギーでの移動が主流
ブリスベン~エアーズロック線の就航でブリスベンを軸としたハミルトン島も含めた旅行パッケージの増加などに期待大
日本からはハネムーナーが多く、最近は中高年層が伸びている

エアーズロックは登るから見るへ。カタ・ジュタやキングスキャニオンがお勧め

 ノーザンテリトリー政府観光局 ディレクター トラベルトレードマーケティングの中村滋氏も登壇。オーストラリア大陸の中央部に位置する準州であり州都はダーウィン。日本からの訪問者数は約2万人で、その9割がエアーズロック観光が目的であると話した。

 2019年10月26日よりエアーズロックへの登山が全面禁止になるが、現時点でも年間の登山催行率が3割程度のため「登るウルルより見るウルル」に観光自体もかなり移行していることを紹介。エアーズロックは目に焼き付け、トレッキングなどの体験は日帰りも可能なキングスキャニオンが最適と語った。

ノーザンテリトリー政府観光局 ディレクター トラベルトレードマーケティングの中村滋氏
ノーザンテリトリーの位置関係を図解
展望デッキが設置されているので快適に観光ができる

 観光の拠点となる「エアーズロック・リゾート」はマップを利用して紹介。空港から約10km、エアーズロックまでは約20km、エアーズロックからカタ・ジュタまでは約45kmと観光エリアへのアクセスも良好。世界最大の一枚岩は西オーストラリア州にあるが、ローカルな空港から約4時間陸路で移動を考えるとエアーズロックまで約30分の「エアーズロック・リゾート」の立地のよさが分かるはずだ。

人気の観光エリアへのアクセスが時間のロスなくできる「エアーズロック・リゾート」
1泊ではなく2~3泊するとカタ・ジュタヘ足を伸ばしやすくなるとのこと
36の巨石群からなるカタ・ジュタも訪れてほしい場所のひとつ

 なお、エアーズロック観光のハイライトはサンライズ&サンセットツアー。もちろん周囲のトレッキングも。さらに隣町まで約450kmとなっており高い建物がないこと、砂漠系気候の乾燥や空気が綺麗などの整った条件下での星空はまさに絶景。

 2020年12月までは「Field of Light」という光を使ったショーも実施しているので、訪れた際には必ず体験していただきたいとのことだ。

エアーズロックでの代表的なアクティビティはサンライズ&サンセットツアーとウォーキングなど
10秒ごとに表情が変化して常にシャッターチャンスのサンライズ&サンセットツアー
2016年にスタートした1年限定のプログラム「Field of Light」が2020年まで延長決定

 セミナーでは、ボヤージズ・エアーズロック・リゾート マーケット・ディベロップメント・マネージャーのジェーン・クリスティンセン氏もあいさつ。

「エアーズロックは路線が常に足りないと言われていたので、今回のジェットスター航空の就航を大変うれしく思います。ぜひリゾートともに『セイルズインザデザートホテル』での滞在をお楽しみいただければ。砂漠内で星空ディナーが味わえる「Sounds of Silence」が一押しです。『Field of Light』では展示の中を散策できますので、見るだけでなく体験も楽しめます。リゾートとしてエアーズロックで、さまざまな体験ができることを今後さらに伝えていきたいと思います」と語った。

ボヤージズ・エアーズロック・リゾート マーケット・ディベロップメント・マネージャーのジェーン・クリスティンセン氏

 また、エアーズロック周辺での日本語ツアーを催行するAAT Kings シニアセールスマネジャー アジアの曽我部貴史氏も現地での人気のアクティビティについて言及。日本人観光客の約9割が利用するのが空港~ホテル間の送迎付きでカタ・ジュタ訪問、エアーズロックのサンライズ&サンセット、ウォーキングツアーの全部入りのパッケージとのこと。登山禁止については現地ではポジティブに捉えており、やはり「登るウルルから見るウルル」にトレンドがシフトしていることを実感しているという。

 記者からの「エアーズロック周辺でのベストな滞在日数は?」の質問には、「近年は1~2泊がメジャーだが、3日滞在することでカタ・ジュタへの訪問もラクになり、キングスキャニオンで1日ゆっくり過ごすプランなどさらに体験価値があがるので、ぜひお勧めしたい」と語った。

日本語ツアーを催行するAAT Kings シニアセールスマネジャー アジアの曽我部貴史氏

セミナー登壇者に個別インタビュー。新路線導入の影響や今後期待する展開とは!?

 セミナー終了後に個別にインタビューを実施。クイーンズランド州政府観光局 日本局長のポール・サマーズ氏にブリスベン~エアーズロック線就航と旅行会社各社への期待について伺った。

 ポール・サマーズ氏は「今までは直接クイーンズランド州からエアーズロックへ訪れることができなかったため、今回の就航は前代未聞、オーストラリア国内でも歓迎されています。とてもラッキーなことだと思っています。州政府やブリスベン空港の努力のひとつの成果でもありますし、今後第2滑走路が完成予定ですので、ますますハブ空港として機能強化が期待されます。日本の旅行会社各社からは今後ゴールドコースト、ケアンズ、エアーズロックという3カ所を巡るような三角ルートの旅行商品が市場に出ると期待しています」という。

クイーンズランド州政府観光局 日本局長のポール・サマーズ氏

 ノーザンテリトリー政府観光局 ディレクター トラベルトレードマーケティングの中村滋氏には、エアーズロックでの楽しみ方について詳しく聞いてみた。「観光パターンの王道はサンライズ&サンセットにウォーキング、さらにカタ・ジュタまでのルートです。そのなかでもラクダに乗ったり、セグウェイで周囲を一周したりと徒歩以外にもいろいろな楽しみ方があります。スカイダイビングや空からエアーズロックを眺めるのもお勧めです。

 1泊のお客さまも比較的多いのですが、やはり2泊、3泊滞在していただくとさらに旅が充実するかと思います。キングスキャニオンへはエアーズロックから約4時間陸路でかかりますが、ウォーキングで山肌や自然を感じるならばぜひ訪れていただきたい場所です。また、キングスキャニオン近くには原住民の居住区がありますので、現地の料理方法や薬剤やアートのための画材づくりなど文化を学ぶこともでき、エアーズロックをさまざまな角度から知るよい機会になるはずです。なお、州政府観光局としては今後はアリススプリングスを始め周辺エリアも積極的に紹介していきたいと考えています」とのこと。

ノーザンテリトリー政府観光局 ディレクター トラベルトレードマーケティングの中村滋氏

 さらにハミルトンアイランドエンタプライズ イースタンマーケット・セールスディレクター林田第三郎氏にも話を伺った。今回の就航はお客さまにとってブリスベンを軸に旅行日程が立てやすくなったのが一番のメリットだと思います。クイーンズランドはグレートバリアリーフ、ノーザンテリトリーは砂漠と対照的な2つのエリアがつながるのは素晴らしいことです。

 安心・安全・清潔なオーストラリアですが、ハミルトン島の治安のよさは群を抜いていますし、オーストラリアでは人生に4度は必ず訪れるリゾートと呼ばれています。1度目は両親と一緒に子供のころに、2度目は彼氏や彼女との旅行で。3度目は友人や自分の結婚式。そして4度目は自分の子供と一緒にと人生に寄り添ったリゾートなのです。ですので、国内旅行にも関わらずミスアウト(機会を逃す)を絶対にしないために4カ月前から予約をするのが一般的。日本からの予約も4カ月前予約を基準にしていただければ、さらに充実した滞在ができます。

 先ほどもご紹介しましたが、美しい周囲のサンゴ礁やビーチのほか、星空や部屋からのホエールウォッチングなども時季により楽しめます。島内はハエや蚊も努力もありますが見かけることもありませんし、島全体でルームチャージができるのもポイントですね。最上級の体験をご希望でしたら、一度ハミルトン島へ訪れていただければと思います」と語ってくれた。

ハミルトンアイランドエンタプライズ社 イースタンマーケット・セールスディレクター林田第三郎氏