旅レポ
話題のワイナリーで試飲&アートなブリスベンのホテルにステイ
2019年2月22日 00:00
オーストラリアのクイーンズランド州の州都であるブリスベン。東京からの直行便が運航しており、約8時間半ほどで到着する。早朝到着便ならば、到着日からアクティブに動けるのがポイントだ。
今回の旅はブリスベンに一泊し、翌日に2018年8月3日より就航のブリスベン~ウルル(エアーズロック)線を利用しユネスコ世界遺産であるウルルへ。そしてゴールドコーストを巡ることにした。東京からウルルまで同日乗り換えができず、ブリスベン、またはゴールドコーストに最低2泊する必要があるからこそのクイーンズランド州の楽しみ方をご紹介する。
ブリスベン空港から約40分ほどのマウント・コットンの「シロメ・ワイナリー」へ
ブリスベンに到着/滞在するならば、ジェームズ・ハリデー5つ星認定のワイナリー「シロメ・ワイナリー」は絶対に外せない。2000年にテリー・エドワード・モーリス氏が創業し今年で18年目。国内外で数々の賞を受賞しており、日本の老舗旅館やレストランとも開発を行なっている知る人ぞ知るワイナリーなのだ。
同ワイナリーはクイーンズランドから4時間ほど内陸のグラニットベルトに畑を保有しており、現在10品目のブドウを育て30銘柄のワインを生産している。年間生産数は約70万本でオーストラリア内で中間の生産数だ。
最大の特徴はグラニットベルトの痩せた花崗岩土壌だからこそ収穫できる上質なブドウ。南オーストラリアの場合、通常1本の木から7kgほどの収穫があるが、同地域は1本から2kg。そのため1粒1粒の果実感と凝縮感が素晴らしくプレミアムワインを生み出すことができる。冷涼な気候も美味しさに拍車をかけてくれる。
味わいの特徴は、産地が冷涼気候のため酸味が強く女性的でエレガント。オーストラリアワインはリーズナブルでフルボディ、ガツンとくる男性的な味わいの赤ワインのイメージがあるが、それを覆すのが同ワイナリーのワイン。フードフレンドリーなワインを提供することを意識しており料理に合わせやすいのもポイントだ。
「Winery Tour & Tasting」(20ドル、約1810円、1オーストラリアドル=約90円換算)を予約すれば、約90分かけてワイナリーの歴史からこだわりに工場見学などのアカデミックな講習、「Cellar Door Tasting Bar」で6銘柄のテイスティングが可能。日本人観光客には「WINE & SPIRIT EDUCATION TRUST(WEST)」の有資格スタッフが日本語で解説してくれるのもありがたい。
なお、「シロメ・ワイナリー」ではオーガニックワインは製造していない。二次発酵させる要素がボトル内に入っていると寝かしたあとの仕上がりが不明瞭になるからだ。プラスして、購入後の運搬時の温度にも影響されてしまう可能性も。ゆえに二次発酵の要素となるものは濾過ですべて抜き取るそうだ。
今流行りのオーガニックワインは同ワイナリーにとってはネガティブな要素を含むという。このこだわりでクリアな味わいが保てると教えてくれた。なお、“シロメの味わいを確実に届けるために”植樹から手入れ、摘み取りに醸造、ボトル詰めまで同社で一貫している。
ガイドツアー後は「Cellar Door Cafe」内にある「Cellar Door Tasting Bar」で「シグネチャーコレクション シャルドネ」と「ヴィンヤードセレクション ヴェルデーリョ」から試飲をスタート。価格を当てるのではなく、自分が美味しいと感じる味わいをじっくり探すことが大切とのこと。木の香りや、すっきりした印象の冷酒に似た味わいなど、飲み比べだからこその違いも分かる。
続いては赤ワインの「ヴィンヤードセレクション シラーズ」と「シグネーチャーコレクション シラーズ ヴィオニエ」。同じ品種に年代ながら機械摘みと手摘みで味の違いにこんなにも出るのかと驚き。今飲んで一番美味しいワインと長期熟成に耐えうるワインの違いを感じることができた。
ラストは「シグネーチャーコレクション スパークリングレッド」とデザートワインの「レイトハーベスト ピノグリ」の2本。全6銘柄の試飲が終了し、お気に入りの1本を見つけたところでツアーが終了となった。
小腹も空いたところで先ほどの「Restaurant Lurleen’s」へ。モダンオーストラリア料理が味わえる人気店で窓からの眺望も素晴らしく、ワンランク上の時間を過ごすことができる。
ランチメニューから「Moreton Bay bug linguine, sugo, grana padano, parsley」(43ドル、3891円)をオーダー。メニューには「2010 Le Sauvage Chardonnay」が合うとの記載が。先ほど試飲した「シグネーチャーコレクション シラーズ ヴィオニエ」の2015年ものには「AACO Darling Downs Wagyu7 + scotch fillet 300g, potato and eggplant gratin, French mustard butter」(60ドル、5429円)がベストとのことだった。ワイナリー併設のレストランだからこその豊富なラインアップで前菜に食事とデザートそれぞれに合ったワインが楽しめる。
なお、美味しい食事とワイン、そして静かな環境でゆったりするならば2018年6月にオープンしたばかりの「SANCTUARY」の利用をお勧めしたい。現在18棟のパビリオンが池のほとりの樹々が茂る中に建っていて、とっておきの滞在を約束してくれる。いわゆる「グランピング」というスタイルで自然の中での極上体験ができるのだ。
「SANCTUARY」は、カップルやファミリー向け、車椅子でアクセスできるバリアフリーのパビリオンまで幅広いニーズに応えており、3年後には54棟となる予定。見学したハネムーナー向けの「Honeymoon Pavilion」は、チャペルの近くにあり、挙式を挙げそのまま宿泊も可能。ウッディさと白を基調とした清潔感あふれる室内は、パステルカラーをアクセントに使った落ち着いた内装がポイント。シャワーやトイレも完備、2つの洗面台など使い勝手も考慮された作りだ。
また、冷蔵庫、ミニバーにはワイナリーで生み出されたワインの数々も楽しめる。訪れたときは冷蔵庫に3本。カウンターに3本がスタンバイしていた。
2018年6月オープンの「W Brisbane」へ
思わず写真を撮りたくなる仕掛けが盛りだくさん
ブリスベン市内に戻り、宿泊先の「W Brisbane」へチェックイン。「W Brisbane」は6月にオープンしたばかりのブリスベン川沿いのラグジュアリーホテル。クイーンズランドならではの動物や植物の要素を取り入れたデザインやブリスベンの美術館にリンクする”A River Dreaming”をテーマにしておりドラマティック。オーストラリア出身のアーティストたちによるアートワークも目を見張る。
アイコニックなWの文字がエントランスには掲げられ、アライバルエリアは「メルボルンカップ」当日のため、ヘッドドレスやファシネーターをアクセントにドレスアップをした女性や男性で華やかな雰囲気だった。
ゲストルームも「Wonderful」や「Spectacular」など遊び心たっぷりの名前。1泊した「Wonderful King Room」は40m 2 でキングベッドが中央に。ウォールはクイーンズランドの伝統的な家屋で見られるVJウォールパネルからインスパイアされたデザインが施され、バスルームは10ガロンのドラム缶を使った「アウト パック・パス・エクスペリエンス」スタイル。
バーカウンターもビビットな配色&窓沿いのソファーにもキュートなクッションがオン。どこを見てもアート。なお、紅茶とカプセル式のコーヒーも用意。室内プラグはOタイプ。もちろん部屋からの景色も抜群。ブリスベン川とともに「ホイール・オブ・ブリスベン大観覧車」「ブリスベン・サイン」が見渡せ、夜はライトアップも加わり美しさにうっとり。
初出店のレストランでホテルご飯も大充実
「スリーブルーダックス」へ
ホテルでの食事を充実させるなら、クイーンズランド初出店のシグネチャーレストラン「スリーブルーダックス」をチョイス。「Paddock to Plate(農場からお皿まで)」を意識し、旬な食材を贅沢に使ったメニューが自慢だ。
店内も広く昼間は川沿いの開放的で明るい空間の中で食事ができる。「Corn,lime miso butter」(9ドル、約814円)、「Chargrilled king prawns, chilli avocado, lime,shallots & seasonal greens」(33ドル、約2986円)。デザートにこの時期ならではの「Christmas cake, vanilla sherry custard,charred peaches, rum&raisin ice cream」(15ドル、約1353円)をオーダー。ぷりっぷりのエビに日本が少し恋しくなるコーン。そしてクリスマス気分がアップするデザートでお腹も大満足に。
夕焼けに染まる「ストーリー・ブリッジ」を見学
ブリスベン川沿いの屋外レストランでディナーを
チェックイン後、ディナーまで時間があったためブリスベン川沿いの「シティ・リーチ・ボードウォーク」を散策。涼しげな風が吹く中まったりと過ごしているとサンセットの時間に。自転車や歩行者の通行を妨げないようにしながらブリスベンのシンボル「ストーリー・ブリッジ」をパチリ。「ブリスベン・ストーリー・ブリッジ・トワイライト・クライム」も実施中で橋のトップに人影も!
すっかり日が暮れたところでディナーのために「シティ・リーチ・ボードウォーク」直結で旧税関「カスタムズハウス」内の「PATINA」へ。ライトアップされた「ストーリー・ブリッジ」を眺めながらのディナーとなった。
「PATINA」は「Farm to Table(農場からテーブルへ)」をベースに地元産の食材をふんだんに使った料理が特徴。「ストーリー・ブリッジ」を眺めながらの食事と絶好のロケーションがうれしい。オーダーしたのは「Chargrilled Octpus /Smoked Tomato/Olive/Basil/Mozzarella」(25ドル、約2262円)や「Grilled Oyster Mushrooms/Shitake Cream/Stracchiatella/Tarragon Oil」(18ドル、約1629円)。
メインは「Veal Tenderloin/Asparagus/Blue Swimmer crab/Hollandaise/Dill/Jus」(44ドル、約3982円)。赤身のテンダーロインはサイズは大きいが想像以上にさっぱり味でペロリと食べられた。前菜もクリーミーな味わいのキノコを堪能、もう1皿もトマトソースがタコの旨味を引き出しており、通いたくなる美味しさだった。
ジェットスターの直行便でウルルへ!
往路約3時間15分で午前中到着
ブルスベンをフルで満喫し、翌日はウルル(エアーズロック)へ移動。早朝3時起きでブリスベン空港へと向かった。利用したのはジェットスターJQ667便のブリスベン空港6時発、コネラン空港に8時45分着だ。2018年8月3日にスタートしたばかりで、週3便往復ともに月、水、金曜に運航を行なっている。
自動チェックインカウンターで手続きをし、自動手荷物預け機で手荷物の預け入れもサクッと完了。スムーズに搭乗口へ行くことができた。
朝食は搭乗口付近のカウンターサービスの「CAVU」で「Banana Bread」(6.65ドル、約602円)を購入。そのままではなく温めてバターを付けて食べるトースト的な提供の仕方だった。搭乗口に向かうとエアバス A320-200型機が駐機されており、タラップで機内へ。シートは3-3配列で約180名乗り。足元もゆとりがある。飛行機は定刻どおり出発し、機体が安定すると軽食の販売がスタートした。
朝の出発のため機内はかなり静か。多くの乗客が軽い睡眠をとっている状態だったが、ウルルへと近づくと起床し、皆が窓からの景色を写真に収めようとカメラを向けていた。赤土の大地がどこまでも広がり、そのダイナミックさに圧倒される。空からは巨大な塩湖が遠くに見え、想像以上に多い緑にも驚く。遠くにはウルルやカタ・ジュタの姿も。開放感たっぷりのコネラン空港に到着し、ウルル滞在がいよいよスタートした。
次回はウルルでのステイの拠点である「エアーズロックリゾート」やらくだ牧場をはじめ到着日のお勧めプランをお届けする。