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JAL、5月の「新・JAPAN PROJECT」で奄美群島を特集。世界自然遺産登録を応援
7月1日には奄美~徳之島~沖永良部~那覇を結ぶ「奄美群島アイランドホッピングルート」開設
2018年4月21日 06:00
- 2018年4月19日 実施
JAL(日本航空)は4月19日、奄美大島(鹿児島県奄美市)で会見を開き、5月の「新・JAPAN PROJECT」の概要を説明した。地域活性化プロモーション「新・JAPAN PROJECT」は、機内誌や機内食、機内ビデオ、ツアーなど、JALグループのサービスが一丸となって地域の魅力を発信するもので、4月~6月は「沖縄・奄美・南九州」を特集すると発表済み。特に5月は奄美群島に力を入れるという。
すでに知られているとおり、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」を世界自然遺産として登録すべく、今夏に向けて官民一体で活動が行なわれているが、JALは新・JAPAN PROJECTを通じてその気運を盛り上げていく。
まず機内誌「SKYWARD」5月号では、8ページを割いて奄美群島を紹介。「唄う島、踊る島」のタイトルで、奄美大島、徳之島、与論島の島唄と人々の暮らし、文化、自然などを掘り下げる。同じ号の英文記事でも、やはり8ページを使って奄美大島を取り上げ、ルリカケスやアマミノクロウサギといった固有種などを紹介している。
国内線の機内ビデオ(所要時間80分以上の上り便)ではお笑いコンビパックンマックンが地域の観光スポットやグルメを巡るオリジナル番組「パックンマックンのなるほど日本! 旅サーチ」を放映。伝統工芸や島唄に触れたり、マングローブの森をカヌーで探索したりする。国際線では、6月~7月の機内ビデオチャンネルに追加する。
国内線ファーストクラスでは、ホテル「プチリゾート ネイティブシー奄美」(鹿児島県大島郡龍郷町)の料理長 藤山聡氏が監修した機内食を提供する。「沖縄と鹿児島の食文化が融合した奄美の郷土料理を感じてほしい」というメニューは、奄美特産の黒糖や奄美島豚、郷土料理の鶏飯や油そうめんなどを巧みにアレンジして盛り込んでおり、羽田発/羽田着の5月上旬・中旬・下旬で変わる3種を用意、17時以降の夕食で提供する。
夕食時間帯の茶菓には、海沿いのカフェ「奄美きょら海工房」(鹿児島県奄美市笠利町)のオリジナルスイーツ「あまみ黒糖ショコラ」のほか、機内用に開発した「あまみ黒糖饅頭」「あまみ黒糖たんかんパウンド」を用意する。
さらに、豆腐料理専門店「島とうふ屋」(鹿児島県大島郡龍郷町)が作る発酵飲料「奄美みき」を、時間帯を問わず提供。奄美みきは米、砂糖、芋から作った飲料で、できたてはざらっとした舌触りで甘みが強いが、日が経つと発酵が進んで酸味が強くなり、さらっとした舌触りになるというもの。
羽田発便 5月1日~10日、羽田着便 5月21日~31日
アペタイザー:
鶏黒糖焼煮 青パパイヤ挟み フリルリーフレタス
奄美島豚入り南瓜饅頭銀餡掛け 生姜
きびなご きび酢南蛮漬け 玉葱 人参 レモン
メイン:
鰆のピカタ
シブリ(冬瓜) ターマン(田芋) ダーナ(筍)のカポナータ添え カッペリーニ油ぞうめん風
ヤングコーン ブロッコリー
ご飯:
俵御飯 宮崎県えびの産ヒノヒカリ
茶菓:
あまみ黒糖ショコラ
羽田発便 5月11日~20日、羽田着便 5月1日~10日
小鉢:
茶碗蒸し 鶏飯風 梅肉のせ
(蒸し鶏 椎茸 生姜 青葱 みかん皮)
小鉢:
はんだま お浸し 人参
主菜:
奄美島豚八幡巻(ゴーヤ 牛蒡)奄美みき豆腐 黒胡麻味噌、赤うるめ 島ウコン豆乳煮
青パパイヤ漬け 海老塩茹 はじかみ黄パプリカ
ご飯:
俵御飯 宮崎県えびの産ヒノヒカリ
味噌汁:
焼きばら海苔の味噌汁
茶菓:
あまみ黒糖饅頭
羽田発便 5月21日~31日、羽田着便 5月11日~20日
小鉢:
赤うるめ薯蕷蒸し ターマン(田芋) ダーナ(筍)
小鉢:
ダーナ(筍)島豆腐の白和え 三つ葉 ベルローズ
主菜:
黒豚黒糖煮 花びら人参 椎茸 ニラ 大根
海老あおさ揚げ 奄美のマシュ(塩)
イュウミス(魚味噌)
さつま芋蜜煮 紫芋羊羹
ご飯:
俵御飯 宮崎県えびの産ヒノヒカリ
味噌汁:
焼きばら海苔の味噌汁
茶菓:
あまみ黒糖たんかんパウンド
このほか、奄美大島発着路線に対象運賃で搭乗すると、抽選で100名に1000ポイントのe JALポイントが当たるキャンペーンや、JMB(JALマイレージバンク)のマイル交換特典に「黒糖焼酎 グラスセット」(1万マイル)を用意したり、ジャルパックのツアーに奄美群島の世界自然遺産候補地を巡る「JAL・JACで行く! 奄美大島・徳之島+那覇5日間」を設定したりしている。JALのダイナミックパッケージでは、前述したファーストクラス機内食をプロデュースした「プチリゾート ネイティブシー奄美」で夕食を取るプランも用意する。
新・JAPAN PROJECTで奄美をアピールするための「狼煙が上がった」とJAL 本田氏
会見ではJAL 執行役員 路線統括本部 国内路線事業本部長の本田俊介氏が登壇、5月のプロモーションについて説明を行なった。30年前の1988年に当時のJAS(日本エアシステム)に入社、最初の赴任地が奄美群島だったため思い入れが強いという本田氏は、「手つかずの自然がこれだけ残っている奄美をもっと日本に、世界に広げていきたい」と、これまでいろいろな仕掛けを考えてきたという。また、2017年3月に奄美群島が国立公園に指定され、2018年夏には世界自然遺産の登録を目指すという「このタイミングで新・JAPAN PROJECTとして奄美を紹介できることが本当にうれしい」と思い入れの強さを表現した。
また、同日ニュースリリースした「どこかにマイル 南の島~那覇・鹿児島発~」についても言及(関連記事「JAL、6000マイルで離島に行ける『どこかにマイル 南の島~那覇・鹿児島発~』」)。「鹿児島にお住まいの方、鹿児島に来た方に、ぜひ離島へ足を運んでいただきたい」と述べ、「今日の新・JAPAN PROJECTの発表は、これから奄美をアピールしていくための“狼煙が上がった”と考えている。これからも企業間のコンソーシアムなどを形成して奄美を世界に発信していきたい」と締めくくった。
本田氏の説明に続いて、奄美群島を結ぶJALグループの路線の紹介があり、RAC(琉球エアーコミューター)のCA(客室乗務員)砂川さん、J-AIR(ジェイエア)の山本さん、JAC(日本エアコミューター)の中島さんが地域や機材によって役割分担、協調していることを図解。
RACは奄美大島、与論島、那覇を50人乗りのボンバルディア DHC-8-Q400CC型機で運航。JACは7月1日に徳之島~沖永良部線、沖永良部~那覇線の新規就航によって「奄美群島アイランドホッピングルート」が開設、48人乗りのATR 42-600型機で離島間を結ぶ。J-AIRも、JACとともに運航する奄美大島~鹿児島線の1日8往復のうち、8月1日からは6往復を76人乗りのエンブラエル 170型機で運航、「ジェット増便」と説明した。