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セントレアと新千歳空港を結ぶLCC、エアアジア・ジャパンがついに初便就航
「安い運賃で行けると、年老いた母に会う回数をちょっと増やすことができるかな」と中部国際空港長
2017年10月29日 13:24
- 2017年10月29日 実施
セントレア(中部国際空港)に本社を置く初めての航空会社、エアアジア・ジャパンの初便が10月29日、ついに初便を就航した。就航した路線は、セントレア~新千歳を1日2往復、午前と午後に便を用意しており、中部と北海道をダイレクトに結んでいく。片道運賃は最低公示運賃で4190円。
エアアジア・ジャパンのセントレア~新千歳線スケジュール
DJ0001便:セントレア(07時35分)発~新千歳(09時25分)着、毎日運航
DJ0002便:新千歳(10時00分)発~セントレア(12時05分)着、毎日運航
DJ0009便:セントレア(17時10分)発~新千歳(19時00分)着、毎日運航
DJ0010便:新千歳(19時35分)発~セントレア(21時40分)着、毎日運航
エアアジア・ジャパン 代表取締役社長 秦氏らが挨拶
DJ1便出発前にセントレア2番搭乗口前でリボンカットセレモニーを実施。エアアジア・ジャパン 代表取締役社長 秦修氏、中部国際空港長 船山利英氏、中部国際空港 代表取締役社長 友添雅直氏が挨拶を行なった。
エアアジア・ジャパン 秦社長は、同社がセントレアに本社を置くことを最初に紹介。「中部および名古屋を盛り上げていくことに全力を尽くしていきたい」と語り、「国内、海外の多くのお客さまに中部の魅力にもっと気がついていただけるようなそんな取り組みをたくさんやっていきたい」と思っているという。
続いて挨拶に立った船山 中部国際空港長は4月に着任。北海道札幌市に実家があり、これまで数々の空港で管制業務などのキャリアを積んできた。セントレアと新千歳を結ぶエアアジア・ジャパンについては、「これからは安い運賃で(新千歳へ)行けるということで、年老いた母に会う回数をちょっと増やすことができるかな、なんて、そういう風に思っていたりします」と紹介。そのうえで、初便に搭乗する飛行機好きな方にエアアジア・ジャパンの旅を詳細に説明した。
「安全運航のほうは、パイロットとCAさんたち、そして我々航空管制官にお任せいただきたいと思います。今日は初便ですので、おそらくマニアの方がたくさんいらっしゃると思いますが、IATAの2レターはDJですね。DJ1というのがフライトナンバーになっておりますけれども、ICAOの3レターではWAJとなります。コールサインがウィングエイジア、つまりこのフライトはウィングエイジア・ワンというコールサインでやり取りされます」。
「このセントレア・タワーのほうからテイクオフクリアランスを受けたウィングエイジア・ワンは、このあとセントレア・デパーチャーのほうからコントロールを受けて、その後、東京コントロール、札幌コントロールを経て、航空自衛隊が管制をしております千歳・アプローチに渡されます。最終的に千歳・タワーのほうからランディングクリアランスをもらって着陸をするという、こういう流れになっております。2時間弱の旅になりますが、機内では「きしボナーラ」(名古屋風きしめんカルボナーラ)、飛騨牛コロッケのベーグルバーガー、REDパンケーキなど、予約はいると聞いておりますけど、そういったものをどうぞお楽しみいただきたいと思います」。
管制業務のベテランらしい挨拶を行なったあと、中部から北海道へ行く人が増えるとともに、北海道から中部を訪れる人が増えることも祈念したいと結んだ。
中部国際空港 友添社長は、船山空港長の挨拶を受けて、自分の実家がある福岡への早期就航を望むとともに、この就航の日が待ちに待ったものであると挨拶。やっと就航できたという思いを強くにじませた。
「一つだけ言わしてもらえれば、中部圏というのはまだまだ関東圏や関西圏に比べてアウトバウンドのLCCという観点で見ればご利用か少なくて、定着はしておりません。そういう意味で、大変クリエイティブで、新しい発想で赤いウィングで空を染めようとするエアアジアさんが中部国際空港から飛んでくださるということは、新しい旅の利便性を中部の方々に提供してLCCというものを利用していただく。そして個人個人の皆さまに楽しい旅の思い出を刻んでいただくということで、大変期待しております。私どもも空港として、このエアアジアが成功して中部の皆さまに貢献できるようにしっかりとバックアップしていきたいと思っています」と、力強い支援を約束するとともに、路線数増への期待を語った。
初便搭乗客は満席180名に対し、166名。搭乗率は92.2%。予約は180名全席が売れていたとのことだが、台風が近づいていたせいかキャンセルがあったようだ。いずれにしろ、セントレアにも世界有数のLCCグループの支社便が就航したことになる。セントレア~新千歳の盛り上がりと、別路線への展開を期待したい。