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中部国際空港、訪日外国人による免税店売上増加で売上高・純益ともに過去最高の2017年度中間決算

12月にペットホテルを開業、「ペットを理由に旅行を諦めていた人に」と各務副社長

2017年11月13日 実施

中部国際空港が2017年度中間決算を発表

 中部国際空港(セントレア)は11月13日、東京事務所で会見を開き、2017年度の中間決算を発表した。会見は代表取締役副社長 各務正人氏の司会で進行した。

 今期は中期経営戦略(2015~2019年度)の折り返しにあたり、「これまで取り組んできたものが実を結んでいる」と各務氏。売上高と最終利益はともに中間期の過去最高を更新し、増収は6期連続、最終利益の増益は3期連続。

中間期としては経常利益・最終利益も過去最高

 区分ごとに見ていくと、売上高は293.9億円で、2016年度中間実績から20億円増(前年同期比107.3%、以下同)。このうち空港事業については、発着回数はエアアジア・ジャパンの就航がずれ込んだことなどもあり、国際/国内とも前期並みだったものの、旅客数は訪日外国人の増加と深夜早朝便増便による需要創出などによって、国際線は18万人増の282万人(107.0%)、国内線は17万人増の308万人(106.0%)となった。

 より細かく見れば、国際線の日本人旅客は、北朝鮮情勢の影響を受けつつも、エア・カナダ ルージュのバンクーバー就航などで利用者が増えており、アジアを中心とした外国人旅客が前年同期比112.0%と伸びたことも伸長の大きな要因になった。国内線旅客数も同等の伸びを見せているが、前述の深夜早朝便のほか、宮古への新規就航などが弾みを付けたという。その結果、空港事業の売り上げは前年同期比3.2億円増の139.8億円(102.4%)となっている。

中部国際空港株式会社 代表取締役副社長 各務正人氏

 商業事業については、15.9億円増で過去最高益の140.4億円(112.8%)となり、売り上げ全体を牽引したが、これは訪日外国人による免税店売り上げが14.1億円増とやはり過去最高を記録したことが主要因だった。これには旅客数の増加だけでなく、化粧品を中心とした新ブランドの導入や中国人向け決済手段の充実といった背景もあるとのこと。

 交通アクセス施設事業は、工事に伴う一部駐車場の閉鎖・規模縮小がありつつ、繁忙期以外で伸びて0.8億円増の13.6億円だった。

 営業費用は、商業事業の好調に伴い仕入れ費用などが大きくなり、12.1億円増の243.6億円(105.2%)となった。そのほか、販売体制強化などで人件費も増えているという。

 以上により、営業利益は7.9億円増の50.3億円(118.7%)、経常利益は8.8億円増の45.8億円(124.0%)、最終利益は7.6億円増の31.7億円(131.6%)となった。

通期の業績予想と主な取り組み

 2018年3月期の連結業績予想は、「エアアジア・ジャパンの就航がありつつも期初の想定より見直した」として、国際線旅客数は40万人の下方修正で560万人、国内線旅客数は逆に20万人増の620万人で、計1180万人(当初比98%)とした。それに伴い、売上高を12億円減の572億円に見直し。営業利益は5億円減の77億円、経常利益は4億円減の67億円、通期での最終利益は3億円減の46億円としたが、売上高・最終利益ともに通期での過去最高を見込んでいることに変わりはない。

 今期の主な取り組みとしては、深夜早朝便のアクセス性を改善すべくターミナルビル内にカプセルホテルを開業、リーズナブルに宿泊・休憩が行なえる環境を整えた。下期はペットホテルを誘致しており、12月に開業する。動物病院が運営するため、ペットを理由に旅行を諦めていた人たちに安心して預けられることをアピールしていくという。