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中部国際空港利用促進協議会、首都圏で初の「フライ・セントレア」開催
旅行会社などを対象に、現状とポテンシャルを報告
2017年3月24日 23:20
- 2017年3月21日 開催
中部国際空港利用促進協議会は3月21日、「フライ・セントレア懇談会 in 東京」を都内ホテルで開催した。フライ・セントレア懇談会は、セントレア(中部国際空港)の現状や将来構想などを旅行会社、航空会社向けに説明し、懇談会などで懇親を図ることで、旅客需要や貨物需要の掘り起こしを狙うもの。中部地区では開催されてきたものの、首都圏では初の開催となった。中部国際空港二本目滑走路建設促進期成同盟会が後援している。
会の冒頭、主催者代表として中部国際空港利用促進協議会 理事であり、東海商工会議所連合会、名古屋商工会議所の専務理事である小川秀樹氏が挨拶。セントレアでは旅客需要の掘り起こしを狙った「フライ・セントレア」を行なっているほか、貨物需要の掘り起こしを狙った「フライ・セントレア・カーゴ」という取り組みも行なっているとのことだ。
小川理事は、セントレアのある中部地区のポテンシャルについて言及。中部地区はトヨタ自動車、三菱自動車工業、スズキなど日本の自動車生産において重要な地域となっており、また、三菱航空機、川崎重工業、富士重工業など航空機製造産業においては50%ほどのシェアを持つという。
日本のもの作りの中心地として発展し、工業生産力が注目されるが、観光面でも大きなポテンシャルを持っており、日本にあるユネスコの世界無形文化遺産33のうち11が東海三県にあるとのこと。映画「君の名は。」で飛騨地域が、伊勢志摩サミットで三重県が注目を集め、伊賀上野は忍者観光のメッカになっているという。
そして2027年には名古屋~東京でリニア中央新幹線が開通し、セントレアの「2本目滑走路についても必ず早期に実現する」と、インフラの改善による中部地区の明るい展望について語った。
セントレアの現状、そして今後についてはセントレア 代表取締役社長 友添雅直氏が講演。2016年に名古屋市が行なった調査で同市が「行ってみたい都市」の断トツ最下位になったことを紹介し、本当は魅力あふれる中部地区について多数のプレゼンテーションスライドを用いて解説。
セントレア周辺では、2017年4月にカプセルホテル「TUBE Sq」が開業、12月に2棟目の東横インが竣工し、2019年秋には大規模展示場もオープンする。そのほか、ボーイング 787初号機(ZA001)を核とした商業施設「FLIGHT OF DREAMS」は2018年夏にオープン予定となっており、セントレアそのものが観光スポットになるような取り組みを行なっていく。
来賓代表として、JTB 代表取締役社長 髙橋広行氏が「旅行需要の見通しとセントレアへの期待」と題した講演を実施。2016年~2017年の旅行動向から始まり、同社のビジネスモデルの変化、そしてセントレアへの要望を語った。とくにセントレアへの要望としては、中部地区のパスポート取得率が全国平均より低く、その結果、海外への出国率も平均以下であることを指摘。この点については成田国際空港とJATA(日本旅行業協会)の取り組みなどを紹介し、自治体などを巻き込んで、若年層に無料でパスポートを取得してもらうようなキャンペーンが必要でないかとの提案を行なった。
髙橋社長の講演後は、別会場に移動し交流会を実施。セントレアの事業などについて情報交換が行なわれていた。