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中部国際空港、中間期として過去最高を達成した2016年度中間決算を発表

2016年11月11日 発表

 中部国際空港(セントレア)は、東京都千代田区の東京事務所において同社代表取締役副社長 各務正人氏が登壇し、2016年度の中間決算を発表した。

空港利用実績は国際線、国内線ともに増加

決算発表を行なう中部国際空港株式会社 代表取締役副社長 各務正人氏

 国際線は、前期に相次いだ中国、台湾を中心とした新規就航の通年化などによる押し上げ効果が大きく、旅客数、発着数ともに前年同期を上回り、旅客数は前同期比12%増で264万人、発着回数は12.6%増で2万回となった。なお、今中間期の国際線旅客数に占める訪日外国人の割合は、前期をさらに上回る47%となり開港以来最も高い水準となった。

 国内線は、熊本地震の影響で一時的に九州方面への影響があったものの、沖縄方面へのLCCの就航、松山方面への増便があったため、旅客数、発着回数ともに前年同期を上回り、旅客数は前年同期比2.8%増で291万人、発着回数は5.9%増で約3.1万回となった。国際線、国内線合わせた旅客数は前期同期比7%増の555万人、発着回数は8.4%増の5.1万回。

 国際貨物取り扱い量は、地域と一体となって農水産品の輸出拡大に積極的に取り組んでいるものの、円高などさまざまな経済要因により前年同期並みにとどまった。

売上高は微増だが経常利益は中間期としては過去最高に

 空港事業の売上高は上記のとおり、中国、台湾を中心とした新規就航の通年化などによる押し上げ効果により旅客数、発着数とも増加したため、前年同期比5.9%増の136.5億円となった。

 商業事業の売上高は、前年度の記録的売り上げ高の要因となった中国を中心とした訪日外国人の購買行動に大きな変化が見られ、とくに免税店において出発旅客一人あたりの購入単価が前期を大きく下回ったことが影響して前年同期比5.6%減の124.5億円となった。

 交通アクセス事業の売上高は、日本人の海外旅行客が回復基調にあるということに加え、国内線を含めて深夜早朝便が増加したことにより駐車場のニーズが高まったため、前年同期比3.7%増の12.7億円となった。

 トータルの売上高は前年同期比0.3%増の273.8億円。

 営業費用は、人件費のほか、深夜早朝便への対応や設備の更新・修繕費、新規就航を絶好の機会ととらえた需要喚起などの営業費用が全体として増加したものの、商業事業の下振れに伴う仕入れ費用の減少、減価償却費の減少といったものが大きく、全体として前期を下回ったため前年同期比0.1%減の231.4億円となった。

 以上の結果、営業利益は前年同期比2.5%増の42.3億円。支払利息などを差し引いた経常利益は前年同期比3.8%増のの36.9億円。中間純利益は前年同期比3.3%増のの24.1億円となった。

2017年3月期の連結業績予想は下方修正

 2017年3月期の連結業績予想は、エアアジア・ジャパンの運航開始時期の遅れなどによる航空旅客数の減少や商業事業の売上高の減少が続くと見込まれることから下方修正された。

 なお、予想航空旅客数は、国際線が当初予想の560万人から6%減の525万人。国内線は当初予想の590万人から1%増の595万人。トータルは当初予想の1150万人から3%減の1120万人。

下期の主な取り組み

 決算報告に続き、下期の主な取り組みについての説明も行なわれた。

 空港事業については、地域や関係者と一体となって取り組んだエアポートセールスにより実現した12年ぶりのカナダへの直行便(2017年度夏就航)を例に、今後も航空ネットワークの拡大に努め、空白地域の解消や拡大するアジア路線の取り組みを推進していくという。

 商業面では、2016年10月に国内線の出発エリアゲートにおいて、上質なショッピングとカフェテリア環境を提供する伊勢丹セントレアストアとトラベラーズコーヒーをオープンしたばかりだが、現在、旅客ターミナルビル4階のフードコートを12月オープンを目指してリニューアル中。リニューアル後は店舗が増加、メニューのバリエーションが強化されるほか、座席数も従来の1.5倍に増加されるという。詳細については近々発表予定。

 なお、2017年の春には、LCCの就航などに伴って深夜早朝便が増加しているため、深夜早朝便利用時のアクセス問題への取り組みの一環としてターミナルビル内にカプセルホテルがオープンする。

 セントレアは、現在を第2の開港期としてとらえているという。「開港期の思いとエネルギーをもう一度」をスローガンに、今後、増大する施設の更新、修繕機会に着実に対応していきながらも、飛躍的な成長に向けて空港機能の強化や利用客の利便性の向上、航空ネットワークの需要の拡大策などを、グループ一丸となって積極的に行なっていきたい考えだ。