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日本と台湾の“中部”をつなぐ架け橋に。中部国際空港と台中国際空港が友好空港締結
4月6日~5月25日にマンダリン航空が定期チャーター運航
2017年4月6日 22:25
- 2017年4月6日 実施
中部国際空港と台中国際空港(台湾)は4月6日、セントレア(中部国際空港)の4階イベントスペースにおいて、「中部国際空港・台中国際空港 友好空港締結式」を実施した。
両空港の友好空港の覚書締結は、2016年3月に中部広域観光推進協議会と中台湾観光推動委員会の友好交流連携の覚書を締結するなどの日本の中部地方と台湾ならびに台中地域との民間交流活発化を受け、さらなる交流促進の取り組みを支えるべく結ばれたもの。
この友好空港の取り組みの一つとして、4月6日から5月25日までの期間、チャイナエアラインの子会社であるマンダリン航空による定期チャーターを両空港間で運航。スケジュールは下記のとおりで、週3便、計22便を運航する。
なお、今回の定期チャーターは基本的には日本へ向かう台湾人旅客向けに提供されるもので台湾側でのみ航空券を販売しているという。日本の桜や立山黒部アルペンルート開通の時期であることから、販売は非常に好調とのことだ。
CI7314便:台中(13時00分)発~セントレア(16時55分)着、火・木・土曜運航
CI7315便:セントレア(18時00分)発~台中(20時20分)着、火・木・土曜運航
セントレアで行なわれた締結式に先立ち、同日午前中に台中市においても同様の締結式を実施しており、関係者一行はこのチャーター便に乗ってセントレアに到着。セントレアの締結式には、中部国際空港と中部地域の自治体関係者、台中側の代表者ら約30名が出席する盛大なものとなった。
締結式ではまず、中部国際空港 代表取締役社長 友添雅直氏と、台中国際空港 交通部民用航空局 臺中航空站 主任 張瑞シュウ(ザン・ルイシュウ、シュウは樹の木偏がさんずい偏)氏が友好空港覚書へ署名。
その後、各位が署名に使ったペンを交換。このペンは、3月16日にセントレアにオープンした木製デザイン雑貨ショップ「Hacoa DIRECT STORE」によるオリジナル品で、越前漆器にルーツを持つ木製のボディに、両者の名前が入れられており、友添氏のもとには張氏の名前入りのペン、張氏のもとには友添氏の名前入りペンが贈られた。
締結後に挨拶に立った中部国際空港 代表取締役社長の友添氏は、「マンダリン航空のフライトは、これからも予約でいっぱいだそう。空港間で連携することで、台中や台湾の地方の方々が、名古屋、中部地方へどんどん来てもらうのはもちろん、将来の定期便ができたら日本からもっともっと台中を訪れてもらえるよう私どもも努力したい」とコメント。
今回、台中を初めて訪れた感想として、「名古屋、中部地域と非常に似ているところがあってびっくりした」とし、「中部地方も昇龍道のおかげでだいぶ知られるようになったが、まだまだ知名度が低い。台中も同じように知名度が低い、そこからまず似ている(笑)。本当によいところで、まずモノ作りがすごく盛ん。海に囲まれ、山に囲まれ、ここも(日本の)中部地域と似ている。町自体も大変清潔感があって、町の真ん中には道に沿った非常に広い公園(を挟んだ道)が走っている、ここも名古屋市にすごく似ている。そして、食の方も名古屋飯も有名になってきているが、台中の食事もとても美味しかった。わずか2日だったが少し太ったと思う(笑)」といった例を挙げた。
このほかにも、2017年に知多半島で行なわれるトライアスロンの世界大会「IRONMAN 70.3」が台中でも開かれることや、2018年に台中で「花博」が開かれることなども共通点という。
台中国際空港 交通部民用航空局 臺中航空站 主任の張瑞シュウ氏は、「少し前に、初めてセントレアに来て友添社長と姉妹空港締結について相談した。あれからまだ4カ月も経っていないが、本日の締結式を催すことができた。台日間のもっとも喜ぶべき出来事の一つであると同時に、双方の友好関係促進も表わしている」と喜びのコメント。
マンダリン航空の定期チャーター便についても「もう一つの素晴らしい出来事」として触れ、「台日間旅行業促進とともに、将来より大きな台日間観光発展を促してくれると思っている。今後より多くの航空会社がこの航路に参加し、より多くのお客さまに価値提供を行なえることを期待している」とした。
このほか、友好空港締結の効果として、「中部国際空港の優れた運営方式にも触れることができた。将来より多くの人員交流や見学を通じて、中部国際空港からいろいろなことを勉強し、5スターの国際空港を目指して精進していきたい」と、2月に英SKYTRAXの5スター・エアポートに認定されたセントレアからの技術習得にも意欲を見せた。
台中市 観光旅遊局長 陳盛山(ツェン・シャンサン)氏は、この友好空港締結において仲介人となったそうで、「単に2つの空港が締結するだけでなく、私たちの台中市民700万人、(日本の)中部地方の2300万の合わせて3000万人の心をつなげる意味がある。2つの国、2つの中部をつなげる架け橋という意味も込められている」と締結の意義を説明。
「台日間の交流の3本の矢。1本目は台中市と名古屋の航空便ができること。2本目は台中と(日本の)中部の空港間の緊密な連携。3本目が思い描いていた3本の矢は達成できたと思っている」として、「台中市は台湾の星、名古屋は日本の星として、より一層の交流を目指したい」と期待した。
マンダリン航空 副総経理の張酉光(ザン・ヨウグワン)氏は、「2つの空港ともに「中」の字があることが共通点。中という字は、私たちの国の中心にあることを表わしている」と締結に対してコメント。
マンダリン航空はチャイナエアラインの子会社であることに触れ、「日本へは14の都市に航空便を持っており、マンダリン航空およびチャイナエアラインを合わせて、毎日21便を運航している。ここ2週間は、日本では桜が咲いており、台湾間の多くの観光客が日本を訪れていると思っている」とし、一方で「より多くの日本のお客さまに台中市に来ていただけるよう努力する。台湾の経済状況は日本と異なる。台湾は旅行地としては非常にリーズナブルで、治安も非常に優れている」と、台湾、台中市への日本人渡航者増加、双方向交流の拡大に期待を寄せた。