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JAL、東京2020オリンピック・パラリンピックに向け「JALネクストアスリートプロジェクト」始動

自分に適したスポーツがわかるスポーツ能力測定会を47都道府県で実施

2017年4月11日 発表

東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた取り組みとして「JALネクストアスリートプロジェクト」を発表

 JAL(日本航空)は4月11日、東京都港区の日本財団ビルで、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた活動指針の1つである「スポーツを通した次世代育成」の取り組みとして、「JALネクストアスリートプロジェクト」を開始すると発表した。

この取り組みをとおして地域を元気にしたい

 発表会では、初めにJAL代表取締役執行役員の大川順子氏が登壇し、JALネクストアスリートプロジェクトでは、「スポーツ能力測定会」と「パラリンピックを目指すアスリートの発掘」の2つの取り組みを行なうと発表した。

日本航空 代表取締役執行役員の大川順子氏

 1つ目のスポーツ能力測定会は、「子供たちが自分の可能性に気づき、挑戦する夢を描くこと、抱くこと」を目標に全国各地で実施。この能力測定は従来のものと異なり、専用の測定機器を使用し、より詳細なデータを得ることで子供たち一人一人の特性にあったスポーツに出会えるようアドバイスを行なうという。大川氏は「この取り組みを全国を縦断して行なうことで、地域に元気を受け渡したいと思っている。第1回は、地震による被害からの復興を目指す熊本県で5月に行なう予定」と説明した。

 2つ目のパラリンピックを目指すアスリートの発掘についても、「2020年の東京大会に向けて、パラスポーツが日本に根付き盛り上がっていくために競技人口の増加と選手層の厚みを増していくことが必要。大会出場を目指す選手を探し、サポートしたいと考えている」と述べた。またJALでは、国内で競技人口の少ない競技・種目の洗い出しを行ない、そこに挑戦できる障害の種類について紹介するリストを作成、Webページで公開していることも伝え、「今後も大会のオフィシャルパートナーとして大会の成功へ向けた活動と、そのレガシーづくりにさまざまな形で取り組んでいく」と挨拶をした。

 次に、実際にスポーツ能力測定会でどのような専用機器を使うのか、その一部をデモンストレーションで紹介。2004年のアテネオリンピックから3連覇を達成し、リオデジャネイロオリンピックでも銀メダルを獲得した女子レスリングの吉田沙保里選手と、日本人初の銅メダルを獲得した車いすテニスの上地結衣選手が参加した。

テストに必要なマーカーを足首につける
バランスの測定(リカバリーバランス)。足についたマーカーがどのくらい動いたかを測定する
反応の測定。画面にボールが出てきた瞬間にステップを開始、10秒間で100mを走っている感じ
テストを体験した女子レスリングの吉田沙保里選手。吉田選手に合う種目は、上からバスケットボール、フェンシング、ラグビー、レスリングだった

 通常は6種目で測定を行ない、測定結果から69種類のスポーツからそれぞれ向いているスポーツを10種目出してくれるという。測定を体験した吉田選手は、「こんなに簡単にどのスポーツに向いているかがすぐに出るというのは、すごく進化しているなと感じる。今、夢や目標がない子供たちや、どんなスポーツをやればいいか悩んでいる子供たちもいるので、向いてるスポーツを目指して頑張ってくれたらうれしい」と感想を述べた。

感想を述べる車いすテニス 上地結衣選手

 また上地選手は、「この事業によっていろんなことが試せる、自分に合ったスポーツが試せるようになるというのはいいと思う。若い世代に向けたプロジェクトだと思うが、パラリンピックのほうは大人にも試してもらって、今後人口の少ないスポーツにも、もっといろいろな人が携われるようになっていくとうれしいと感じた」と話した。

車いすバスケット用の車いすを使用
スイングスピードの測定

「JALネクストアスリートプロジェクト」に期待すること

対談する様子

 スポーツ能力測定後の対談では、「現在のスポーツ能力・体力の低下について」という大川氏の質問に対して、吉田選手は「小さいときからレスリングをやる環境にはあったが、レスリング以外にも水泳も習っていた。いろんな競技をすることでレスリングにつながる体力がついたと思っている。スポーツをすることで日常生活に必要な基本的な体力もつくと思うので、この機会をとおして自分に合ったスポーツを決め、あきらめずに楽しく頑張ってほしい」とスポーツに対する思いを語った。

 競技を変えることに対して上地選手は「バスケットからテニス転向したきっかけは姉の影響だが、以前やっていたバスケットで鍛えたチェアワーク力、俊敏性はテニスにも生かされている。競技を変えることはためらうことではなく、いろんなスポーツをして、自分の好きなスポーツが決まったときに生かせるように、なににでも頑張るという気持ちを持ってほしい」と応えた。

 また、2人のようになるにはどうしたらいいかという質問に対しては、「小さいうちから夢を持つこと、そして楽しい、やりたいという気持ちが重要」とアドバイスをした。

 スポーツ能力測定会は、2020年までに47都道府県を回ることを目標としており、年間で15回くらい開催する予定。次世代のアスリートの発掘という観点から、対象は小学生から大学生くらいまでとしている。またJALでは、アスリート発掘に関する情報なども受け付けており、連絡をすると詳細などを教えてくれるとのこと。詳細は「JALネクストアスリートプロジェクト」Webサイトを参照。