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JAL、「JALスポーツアンバサダー」の発足と日本ウィルチェアーラグビー連盟とのオフィシャルパートナー契約締結を発表

2016年4月12日 発表

「JALスポーツアンバサダー」の発足と日本ウィルチェアーラグビー連盟とのオフィシャルパートナー契約締結を4月12日発表した

 JAL(日本航空)は4月12日、東京都港区の日本財団パラリンピックサポートセンターにおいて、「JALスポーツアンバサダー」を発足したこと、JWRF(日本ウィルチェアーラグビー連盟)とオフィシャルパートナー契約を締結したことを発表した。

「JALスポーツアンバサダー」が中心となって障がい者スポーツを支援、蓄積したノウハウをサービスにも還元

JAL代表取締役専務執行役員 大川順子氏

 発表会ではまずJALの代表取締役専務執行役員の大川順子氏が登壇し、「2020年の東京オリンピック・パラリンピック競技大会を間近に控えるなか、JALグループから選出した11名の社員による『JALスポーツアンバサダー』を立ち上げ、スポーツ全体を応援し、盛り上げるとともに、誰もが利用しやすい社会、配慮の行き届いた社会を推進していく。JALは1964年の東京オリンピック以降、航空輸送事業を通じてオリンピック・パラリンピックを応援してきた。2005年にはJPC(日本パラリンピック委員会)の唯一のオフィシャルエアラインになり、同じく2005年からJPSA(日本障がい者スポーツ協会)の最初のオフィシャルパートナーとして、障がいのある方々へのサービス向上や、さまざまな取り組みを継続してきた。今後、これまで蓄積してきた知見をもとに取り組みをさらに強化して、JALグループ全社をあげて2020年大会への機運を高めつつ、ダイバーシティ(多様性)への理解を促すための活動を行なっていく」と、発足の趣旨について説明。

 さらに「具体的な活動は大きく2点。1つめは障がい者スポーツ競技会場をたくさんの観客で満員にすること。まず、障がい者スポーツを積極的に支援し、競技の認知度を高めるため、機内誌などJALグループの媒体を使って競技を紹介。さらにアンバサダーを中心に、JALグループ社員が競技会場に足を運び、競技を積極的に応援していく。2つめにアクセシビリティ・障がい者へのサービスの向上を図ること。競技体験イベントなどへ積極的に参加して、障がい者アスリートとの交流を深める。アンバサダーが障がい者アスリートとの窓口機能を担うことで、選手のニーズを聞き、ノウハウを蓄積、社内で共有することで、障がい者へのサポートを強化。さらに、高齢者や妊婦を含めたすべてのお客さまが飛行機を気軽に利用できるように、アクセシビリティの向上に積極的に取り組んでいく」とアンバサダーの活動について述べた。

 そしてJWRFとオフィシャルパートナー契約を4月1日に締結したことに触れ「1977年にカナダで考案され、欧米で広く普及している車いすを使ったラグビーであり、今後JALは国際大会で活躍するウィルチェアーラグビー日本代表チームの活動、競技の国内普及とさらなる発展をサポートしていく」と説明した。

 このあと、JALスポーツアンバサダーのロゴマークとアンバサダーが紹介された。ロゴはJALのコーポレートカラーの赤を基調に、JALグループ全社員の先頭に立って、スポーツ全体を盛り上げるアンバサダーの決意を表しているという。

発表されたJALスポーツアンバサダーのロゴは、同社のコーポレートカラーの赤を基調にしたものに。ロゴを持つのはアンバサダーでもあるCA(客室乗務員)の芳賀明子さん
アンバサダーを代表して挨拶する、CAの大堀絵美子さん

 アンバサダーはJALグループ全社員、さまざまな職種から11名が選出された。会場には運航乗務員の北川淳一さん、内山陽平さん、CA(客室乗務員)の芳賀明子さん、大堀絵美子さん、空港旅客担当の池田紫乃さん、空港グランドハンドリング担当の河内里奈さん、プライオリティゲスト担当の木村夢香さん、羽田総務担当の木下絵里さんの8名が登場。大堀さんがアンバサダーを代表して「自分はバスケットボール、ソフトボールを実際に6年間経験して、高校と大学ではチアリーディングをして競技者を応援することも経験してきた。スポーツには人を成長させる力、人を笑顔にする力がある。競技場が観客であふれるような活動をして、そこで得たものをJALのサービスや社会に活かして、障がい者と健常者の笑顔を作り出していきたい」と挨拶した。

写真左から運航乗務員の北川淳一さん、内山陽平さん、CA(客室乗務員)の芳賀明子さん、大堀絵美子さん、空港旅客担当の池田紫乃さん、空港グランドハンドリング担当の河内里奈さん、プライオリティゲスト担当の木村夢香さん、羽田総務担当の木下絵里さんの8名のアンバサダーが登場

ウィルチェアーラグビー日本代表チームをJALがサポート

日本ウィルチェアーラグビー連盟 理事長の塩沢康雄氏

 次にJWRFの理事長である塩沢康雄氏と、日本代表候補選手である池崎大輔氏が登壇。塩沢氏は「JALとのオフィシャルパートナー締結をうれしく思っている。JALにはこれまでも海外遠征では助けられ、競技用車いすの運搬、搭乗手続きや機内でのサポートなどお世話になってきた。今回の契約でさらなるサポートをいただけることを心強く感じている」と感謝を述べた。

 さらに「2015年11月に開催されたアジア・オセアニアチャンピオンシップスという大会ではオーストラリアを撃破して優勝、現在世界ランキング3位に位置している。2016年最大の目標となるリオのパラリンピック大会では、オフィシャルパートナーであるJALの大きな翼を借りてよりよい結果を残し、よい報告をしたいと願っている」と抱負を語った。

ウィルチェアーラグビー日本代表候補選手の池崎大輔氏

 続いて挨拶した池崎氏は、「JALとのオフィシャルパートナー締結に、選手を代表して感謝を申し上げたい。私たちの活動は海外遠征が多いため、障がい者スポーツへの理解があるJALのさらなるサポートをとても心強く思い、世界の頂点になれるよう精進していく」と語った。

 さらに池崎氏によるウィルチェアーラグビーの説明があり、車いすを使った4人制のラグビーであることといったルールについて、オフェンス用・ディフェンス用の車いすがあり、激しい衝突もあるため、車いすのメンテナンスなど支えてくれる人たちが重要であることなどが語られた。そしてウィルチェアーラグビーの醍醐味というタックルの実演があり、競技用車いすに座ったJALラグビー部「JALWINGS」の高島尚大さんを相手にしたタックルが3回行なわれた。衝突時には非常に大きな音が響き、相手を務めた高島さんもあまりの迫力にしばし言葉を失うほどだった。

会場ではウィルチェアラグビーの競技の様子が映像で紹介された
ウィルチェアーラグビーのルールを説明する池崎氏
ウィルチェアーラグビーの醍醐味というタックルの実演が行なわれ、競技用車いすが激突する音が会場に響いた
タックルの相手を務めたJALラグビー部「JALWINGS」の高島尚大さん
ウィルチェアーラグビーで使用される競技用車いす

【訂正】記事初出時、JALがJPSA(日本障がい者スポーツ協会)の最初のオフィシャルパートナーとなった年を2015年としていましたが、正しくは2005年となります。

(編集部:稲葉隆司)