ボーカリスト琴音の音楽旅
アルゼンチンの国民的お菓子「ドゥルセデレチェ」「アルファホーレス」を、おうちで手作り!
2020年7月25日 00:00
アルゼンチン・ブエノスアイレス留学から日本に帰国して、約2か月が経ちました。最初の2週間は自宅待機で、その後もあまり家から出ない生活を続けています。そうなると、いよいよアルゼンチンの景色や食べ物が恋しくなってきました。YouTubeやインターネットで、ブエノスアイレスの動画を観て懐かしむ日々。
語学学校レングアスビバスのスペイン語講座と、別でスペイン語の個人レッスンは続けています。レングアスビバスは、つい先日進級テストがあり無事に次のクラスに進むことができました。
そして、ブエノスアイレス滞在中に友達のギタリストが日本から曲を提供してくれ、私がスペイン語で歌詞を書き「Dulce De Leche(ドゥルセデレチェ)」という曲を作りました。この曲と、ブエノスアイレスのコロナ禍について語った動画が東京都の「アートにエールを!」という企画に採用され、東京都のWebサイトに掲載されています。
Dulce De Lecheとは、アルゼンチンの国民的なキャラメルジャムのようなお菓子です。日本の“あんこ”のように、クッキーやケーキ、アイスクリームにも使われています。
今回は、そのドゥルセデレチェから手作りして、それをクッキーで挟む「アルファホーレス」というアルゼンチンの国民的お菓子を作ってみました。スペイン語でレシピ検索をしたので、本場アルゼンチンの味を再現できると思います。スペイン語でアルファホーレスは、アルファホール(単数形)の複数形になります。
ドゥルセデレチェの材料
ドゥルセデレチェの材料は、牛乳500mL、砂糖125g(パルスイート約30g)、重曹ティースプーン半分、バニラエッセンス少々、あとは60分以上の時間が必要です
アルファホーレスの材料
バター125g、砂糖75g(パルスイート約20g)、卵1個半、コーンスターチ150g、小麦粉100g、べイキングパウダー小さじ1、ココナッツフレーク適量、ドゥルセデレチェ200g
材料は、どれも日本の一般的なスーパーで手に入るものです。ココナッツフレークは、製菓材料のコーナーにあると思いますが、なくてもOKです。砂糖はカロリーオフのパルスイートを使ったので、通常の砂糖の量も書いておきます。
まずはドゥルセデレチェ作り。こちらが大体60〜90分かかるとのことで、アルファホーレスのクッキー作りをを同時進行しながら作ります。
先にドゥルセデレチェと、アルファホレースそれぞれの作り方をご紹介します。まずはドゥルセデレチェ。「1. 牛乳に砂糖、バニラエッセンスを入れて火にかけ、沸騰したら重曹を入れて弱火〜中火で煮る」「2. 60~90分鍋をかき混ぜて、好みのテクスチャー、キャラメル色になったらできあがり」。
続いてアルファホーレス。「1. バターは室温に戻し、オーブンを200℃に余熱」「2. バターに砂糖を入れ、泡立て器でホイップ状に混ぜる」「3. 2に卵を入れてさらに泡立て器で混ぜる」「4. すべての粉類を2にふるって入れる」「5. 4を手で混ぜて、生地をまとめてまな板に打ち粉をし、綿棒などで生地を0.5mmほどの厚さに伸ばす」「6. それを直径5~7cmの丸型で型抜きをし、200℃のオーブンで5〜7分焼く(焼き目が付かないように注意)」「7. 焼き上がったクッキーを1度冷まし、ドゥルセデレチェを塗り、もう1枚のクッキーで挟む」「8. 挟んだドゥルセデレチェの間に、ココナッツフレークを付ける。この作業を繰り返す」。これでアルファホーレスの完成です。
ここからは、写真とともに私が作った様子を紹介します。
室温に戻したバターに砂糖を入れて、泡立て器でホイップ状にします。そこに本来は卵を入れるはずが、うっかり忘れて先に粉をふるって入れてしまいました。あと入れで溶き卵を焦りながら入れる私……。ありますよね、うっかりミス。
「混ぜてしまえば全部一緒だーい!」と唱えながら手で混ぜます。生地をまとめて、牛乳の鍋もチェック。この段階では、作業をしながら1分ごとくらいに牛乳鍋をかき混ぜました。
続いてまな板に打ち粉をし、クッキー生地を伸ばします。女の一人暮らし、そんなに頻繁にお菓子作りをするわけではないので麺棒などございません。ラップの芯があれば、それにラップを巻いて代用できたか? しかしそれもない。
でも「私には、大きな手があるわ!」ということで、ワイルドに手で平たく伸ばします。レシピには「厚さ0.5mmくらい」とありましたが、もう少し厚くてもよさそうです。
生地を伸ばしたら今度は型抜きです。はい、またそんな女子力の高い型なんぞ持っておりません。今度は直径6cmほどのワイングラスで代用しました。何かしら皆さんの家にあるグラスで代用できると思います。
型を抜いたら天板に乗せて、予熱していたオーブンで200℃で7分焼きます。この間にも、牛乳鍋にも気を配り焦げないようにかき混ぜます。この時点で、写真も撮って1人でまさに言葉通りてんてこ舞いの私。ドゥルセデレチェとアルファホーレスのクッキーは別々に作るべし、と学びました。
クッキーの焼き上がりは、焦げ目を付けずに白っぽいままがベストです。何故かわかりませんが、アルゼンチンではこれがスタンダードなのです。
同じ要領で、型抜き、クッキー焼きを3回、まめに牛乳鍋を混ぜる……を行ないました。最後のクッキー焼きが佳境に入ったとき、牛乳鍋も大きな変化が! 少しずつ黄色くなっていた牛乳が、ついにもっちりとしたテクスチャーになってきました。
ここまではほかの作業をしながらでも大丈夫でしたが、ここからは焦がさないよう慎重に、鍋に付きっきりです。キャラメル色になるまで、しっかりとかき混ぜます。好みのテクスチャーになったら火から下ろし、クッキーとともに少し冷まします。
熱が取れたら、クッキーにドゥルセデレチェを塗っていきます。その挟んだ間のドゥルセデレチェに、ココナッツフレークをくっつけます。あら、なんだかアルファホーレスみたいじゃない。ブエノスアイレスのパン屋さんでいつも見てたやつだ、と感激。
作ったドゥルセデレチェが少し足りなかったので、ブエノスアイレスで買ったチョコ味のドゥルセデレチェを挟んだバージョンも作りました。
牛乳500mLで作ったドゥルセデレチェですが、かなり量が減ってしまうので最初の牛乳は多めがよいと思います。密閉便に入れて冷蔵保存すれば日持ちするそうです。今度は倍の量で作ろうと思います。
焦がすのが怖くて弱火にしていましたが。もう少し弱火〜中火にして、キャラメル色を濃くしてもよかったですね。あとは、冷えるとテクスチャーが固くなるので、かなりゆるめで火を止めるのがよいと思いました。
以上が実際に作ってみての感想です。しかし、生キャラメルが好きな方は少し固めでそのままスプーンで食べちゃうのもオススメです。アルゼンチンの人は、よくスプーンで直接ドゥルセデレチェを食べています。
ブエノスアイレスで買ったお皿に盛り付けて、気分はアルゼンチン! ブエノスアイレスのクッキーがいつもホロホロしているのは、材料にコーンスターチを使っているからだと気付きました。
見事、アルゼンチンの味を再現することに成功。ドゥルセデレチェは、ほかにコンデンスミルク缶を湯煎で加熱して作る方法もあるようです。
今回、このアルファホーレスを作ろうと思ったのは、自炊続きで自分のレパートリー以外の物を食べたくなったのもあります。そんなとき、何気なくスペイン語でレシピ検索をしたら作った事のない料理がたくさん見つかりました。
私も料理が大好きですが、メニューに行き詰まるときってありますよね。まだアルゼンチンは外出禁止令中で、国境も閉鎖中です。こういった外国の料理を作ることで、海外に行った気分になるのもいいのではないでしょうか。
そして東京都の「アートにエールを!」に採用された私たちの動画で、ぜひ「Dulce De Leche」も一緒に楽しんでもらえたらうれしいです。