旅レポ
ウズベキスタンでシルクロードのオアシスとして栄えた都市「ブハラ」を訪れる
2025年8月12日 12:00
ウズベキスタン芸術文化開発財団主催で行なわれた「ウズベキスタン共和国」ツアーに参加した様子をお届けしている。
前回までで首都タシケントを紹介したが、今回は少し南側に離れた地方にありシルクロードのオアシスとして栄えた歴史を持つ都市「ブハラ」を訪れてみる。
今回の国内移動は、首都タシケントを起点に飛行機を使っているが、電車やバスを使いサマルカンドを経由し西方面をぐるりと巡るツアーも多く設定されているとのこと。この場合、雄大な砂漠地帯を進んでいく景色を楽しめるはずだ。実際のツアー日程はヒヴァ→ブハラの順に回ったのだが、タシケントに近いブハラから紹介していこう。
タシケントからブハラへの国内便は「シルク・アビア(Silk Avia)」という、タシケント国際空港を起点とするウズベキスタン航空パートナーのLCCに搭乗した。2023年に運航を開始した、まだ新しいLCCだ。ちょっとめずらしいと思われるので紹介しておこう。搭乗したのはATR 72-600というターボプロップ双発機。シルクが流れるようなハデなデザインが機体全体に描かれていて美しい。
ブハラで最も古い建造物として知られるのが、「カラーン・ミナレット(Kalyan Minaret)」。この巨大なミナレットは、1127年に建設されたままの状態を保っていて、48mの高さがある。
1220年にチンギス・ハン率いるモンゴル帝国がブハラを占領した際に周囲のモスクは破壊されたが、このミナレットだけは残された。その高さに驚いたチンギス・ハンが破壊しないように命令したと伝承されている。ミナレットは礼拝の呼びかけに使われるのだが、権力者の象徴でもあったため高さや装飾を誇る傾向があり、占領によって破壊の憂き目にもあいやすい。訪れたのは日中だったが、夜はライトアップされていてそちらの様子も美しい。
隣接する巨大な「カラーン・モスク」は1514年に建てられたもので、現在もモスクとして使われている。
カラーン・ミナレットの近くには、古代のブハラ発祥の地とされ、城壁で囲まれた「アルク城(The Ark Fortress)」がある。2000年前からあるといわれているが、正確なところは分からないようだ。
城壁は何度も作り替えられ、その度にかさ増しされているため、城壁内が周囲より高く台地のようになっている。1220年にはチンギス・ハーンのモンゴル軍により破壊されている。現存するのは18世紀に建造された城で、1920年にソ連に加盟するまで、ブハラ・ハン国支配者の居城だった。現在内部は博物館となっている。
また、近くには「タキ」という丸い大屋根に覆われたバザールがあり、ここでは2025年9月5日~11月20日にウズベキスタン芸術文化開発財団主導で第1回「ブハラ・ビエンナーレ」が開催される。これは中央アジアで初めての国際的な芸術祭となるそうだ。
バザールを中心とした広いエリアで、さまざまなアート作品の展示やインスタレーション、シンポジウム、パフォーマンスが行なわれるほか、料理も振る舞われるとのことだ。入場は無料で、誰でも参加可能。開催前の予定地を巡ることができた。
このほか、「ウストズ・ショガード 応用芸術センター(Ustoz Shogird Center for Applied Arts)」という、細密画家「ダヴラト・トシェフ(Davlat Toshev)」氏の工房を見学した。ペルシャ細密画の技法を使い、古い物語などをテーマにした細密画を描いている。先に紹介した「ブハラ・ビエンナーレ」にも参加する。建物は「ジュラベク」キャラバンサライを修復したもの。「ウストズ・ショガード」はウズベク語で「弟子」という意味で、子供たちが絵を習う学校にもなっている。
ブハラの街は、タシケントに比べてのどかな感じが残っている。少し散策する時間もあったので、歴史的建造物以外の異国情緒あふれる街並みをアトランダムにお見せしてみよう。
ブハラで昼食に訪れたのは、「オールド・ブハラ(Old Bukhara)」レストラン(QCF9+JV4, Samarkand Str., Buxoro, Buxoro Viloyati)。どの料理も家庭的で美味しい。ウズベキスタンでは、どこの店もかなり盛りが多めに感じたが、ここは普通の量なので食べきれるはず。地元民も多く見かけ、終始とても混雑していた。団体観光客も多めだ。
英語が通じるので、可能なら予約をしてから行くのがお勧め。素揚げしてクミンなどで味付けされたブハラ伝統の骨付きラム肉「バグリ」は、シンプルながらとても美味しかったので、羊肉が好きならぜひ試してみてほしい。地元の伝統料理の味が楽しめる。
















































































































