旅レポ

ANAで飛んだイスタンブール! 活気あふれる庶民の日常を体感できるアジア側や屋台グルメ、お土産探し

世界中からの観光客でにぎわう旧市街とはまた違うイスタンブールを感じられる街クズグンジュック

 ANAの羽田発直行便で飛んだイスタンブール。このトルコ最大の街はヨーロッパ大陸とアジア大陸にまたがる独特の立地ゆえに、東西の文化がミックスされた異国情緒あふれる魅惑の地です。最終回の本稿は、ボスポラス海峡を渡った対岸のアジア・サイドから紹介します。

イスタンブールの日常の暮らしが垣間見えるアジア側へ

博物館として公開されているベイレルベイ宮殿はオスマン帝国時代の迎賓館。豪華な造りの内部は写真撮影不可ですが一見の価値あり

 今回のツアーでお世話になった現地ガイドのヤクップさんはアジア側に住んでいるそうで、毎日フェリーでヨーロッパ側に“出勤”しているのだとか。日々アジアとヨーロッパを行き来しているなんておもしろいですよね。今回はアジア側の繁華街・カドィキョイやクズグンジュクという静かで小さな街、乙女の塔などを巡ってきました。

カドィキョイを走る路面電車
地元の若者がたくさん

 東京に5年ほど住んでいたことがあるというヤクップさんに「カドィキョイは東京でいえばどこの街?」と聞くと「渋谷」と返ってきました。

 確かにアパレル店やケータイショップが立ち並び、若者でにぎわっている光景は渋谷っぽいかも~などと思いながら歩いてると、いつのまにかオリーブや野菜、魚などが並ぶ市場エリアに。イスタンブールの日常が垣間見える庶民的な雰囲気が楽しい街でもありました。

野菜や魚、オリーブなど。茶色いのはトルコ伝統料理でごはんを詰めて巻くブドウの葉
ランチはカドィキョイにあるトルコ東部の郷土料理を食べられるお店「CIYA SOFRASI(チヤ ソフラス)」へ
どれもこれも美味しかったけれど、また食べたいのはピロシキみたいな形の「イチリ・キョフテ」

小さくてかわいい海沿いの街、クズグンジュック

地元の人が外の席でチャイを飲む光景があちこちに

 今回の旅で一番気に入った街が、なかなか覚えられない地名の「クズグンジュック」です。アットホームなカフェやベーカリー、ギャラリーなどが立ち並ぶこの小さな街には、実にゆっくりした時間が流れていました。

ここも坂道や階段が似合う街
今ではあまり見かけなくなったという伝統的なトルコ式家屋
街ネコたくさん

 沿岸から200mほど離れた海上に建つ「乙女の塔(クズ・クレスィ)」へは、埠頭から専用船で向かうことができます。その昔、ボスポラス海峡を行き来する船を管理する税関検問所として建てられたのが始まりというこの建造物は、その後時代とともに灯台や監視塔などの役割を担ってきました。2023年5月にトルコ共和国建国100周年記念碑&博物館としてリニューアルオープンしています。

ボスポラス海峡のシンボル「乙女の塔」。その向こうに見えるのは旧市街のあるヨーロッパ側
専用船で5分ほどで到着
展望エリアからの景色を楽しめて、1階にはお茶ができるカフェも
さようならアジア。カドキョイにあるフェリーターミナルから連絡フェリーで約20分。ヨーロッパ側の新市街カラキョイへ

東京でいえば新宿! 新市街のイスティクラル通りでキャンディ作り

赤くてかわいいトラムが走ります

 さてここからはイスタンブールの地元グルメや屋台グルメ、お土産ネタを紹介します!

 現地ガイドのヤクップさんいわく「東京でいえば新宿」という新市街のイスティクラル通りで訪れたのは、トルコ原産の伝統菓子「ロクム」の老舗メーカー「アリ・ムヒッディン・ハジュ・ベキル」。ロクムは砂糖やナッツ類、デンプンなどを混ぜて作られるトルコの伝統銘菓。日本のゆべしみたいなもっちり食感です。

1777年創業! トルコで超有名な老舗「アリ・ムヒディン・ハジュ・ベキル」

 今回はこちらのお店で、トルコのハードキャンディ「アキデ」作りのワークショップに参加しました。ゴマの風味と食感が飽きない美味しさのアキデをお土産に持ち帰りました。

一定の濃度になるまで高温で煮詰め、冷ましてから包丁を使ってリズムよくカット
お土産に最適。イスタンブール市内に何店舗かあるようです
ロクムやキャンディ、焼き菓子などが並ぶ目移り必至の店内

グランバザールは買いたいものをしっかり決めていくべし!

約1時間の滞在だったグランバザール。とにかくすごい人、人、人

 ガイドブックなどで必ず紹介されているイスタンブールのグランドバザールは世界最大級の屋根付き市場。広いとは聞いていましたが、わずか1時間の滞在ではその規模を把握するまでには至らず……。混沌とした雰囲気だけは味わえました。

興味を示すと次から次へと出てくる絨毯。触り心地は値段に比例することだけは分かりました
トルコランプ
イズニック陶器
トルコの目玉のお守り、ナザール・ボンジュウ
トルコの紅茶「チャイ」用グラスセット
本気で買おうかどうしようか考えたのがこちらの毛織物「キリム」。1万円前後と手が届くお値段でした
再訪できるなら次は丸1日かけて見てみたいグランバザール

サバサンドにごまパン、焼きもろこしに焼き栗! イスタンブールのストリートフード

サバサンド屋がたくさん並ぶガラタ橋のたもと

 イスタンブールの名物グルメといえばサバサンド。ガラタ橋のたもとに屋台が何軒か並んでいて、日本人だと分かると寄ってきて「サバサンド、サバサンド!」と日本語で呼び込み合戦が始まります。

停泊している船の上でサバを焼くお兄さん
生の玉ねぎの食感が強過ぎるのでもう少し工夫したらいいのにという感想
ミディドルマ(ムール貝飯)もあちこちで食べられる名物グルメ

 イスタンブールを歩いていてあちこちで見かけるのがシミットと呼ばれる塩味のごまパンを売る屋台です。1個買って食べてみましたが、外はカリッと中はしっとりしていてベーグルのような感じ。そのまま食べても美味しかったですがクリームチーズをはさんで食べたら最高かも。

シミットの屋台。相場は15トルコリラ(約55円)。日本でも食べたいな
シミットと同じくよく見かけたのが焼き栗、焼きとうもろこしの屋台。食べたかったけれどタイミング合わず
お客さんを巻き込んだパフォーマンスがウリのトルコアイス
季節にもよるかもしれませんが絞りたてザクロジュースもよく見かけました
専用の道具で煮出して抽出するトルココーヒー
通常のコーヒーカップと比べて小さい形

トルコ人はチャイ(紅茶)が大好き

トルコのチャイ。カドィキョイのカフェにて

 紅茶のことを「チャイ」と呼ぶトルコでは、専用の茶器でいれたチャイを小ぶりのグラスで1日に何杯も飲むのだそう。今回の旅ではその文化と味が気に入って自分用にトルコチャイの専用グラス&ソーサーを買ってきてしまいました(茶葉はコンビニで購入)

腰のくびれたグラスと赤い模様の入ったソーサーが定番
偶然見つけたスパイスバザール横のお店で衝動買い。問屋なのでめちゃくちゃ安く買えました

トルコ料理は世界三大料理のうちの1つって知ってた?

トルコは食器も素敵

 最後に、今回の滞在中に訪れたレストランを5か所紹介します。メディアツアーで連れて行ってもらったお店なのでハズレはないはず! イスタンブール旅行を計画中の方は参考にしてみてください。

 ホテル「JWマリオットイスタンブール」の9階にあるミシュラン星付きレストラン「オクト(OCTO)」。ここはボスポラス海峡を行き交う船を眺めながら初日のディナーを食べたお店です。

ミシュラン星付きレストラン「オクト(OCTO)」
はじめて食べたトルコ風餃子マントゥ(マンティ)はちょっとオシャレ系

 地下宮殿やアヤソフィアに近い場所にあるレストラン「GALEYAN」は、旧市街の散策中にランチで訪れたお店。ケバブが絶品です。

旧市街にあるレストラン「GALEYAN」

 ボスポラス橋のロマンティックな夜景を楽しみながら美食を堪能したのが「RUBY」。こちらもミシュラン星付きレストランです。

ワインが進むお料理

 ガラタポートの近くにあるオシャレなミシュランレストラン「カラキョイ・ロカンタス(KARAKYOY LOKANTAS)」はランチで利用。

雰囲気のいい店内。ここで食べたマントゥが一番美味しかったかも

 アナトリア半島に伝わる郷土料理をモダンな形で楽しめる「kiva」はガラタポート沿いにあります。ここでは大型クルーズ船の出航を見送ったのがいい思い出です。

ガラタポートに面した1階の入り口。2階は景色抜群のテラス席

イスタンブールの幸せな街ネコたち

ブラタモリのイスタンブール編があったら絶対おもしろいはず!

 アジアとヨーロッパにまたがるイスタンブールは思っていた以上に刺激的で、街の人々は温かく親切で、散策が楽しい街でした。トルコへ行ってみたいなと思っていた方は、今年2月に就航したANAの直行便でイスタンブールへ飛んでみては? のんびり気ままに暮らす街ネコたちにも出会えます。

ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。