旅レポ

中国の絶景世界遺産・九寨溝へ。成都で四川料理や街歩き、人気No.1ホテルを巡るTrip.Bestお勧めの旅

高速鉄道が開通してアクセスがよくなった世界遺産・九寨溝(きゅうさいこう)へ!

 オンライン旅行予約サイト「Trip.com」が上海で開催したグローバルカンファレンス「Envision 2025」の取材を終えたあとは、国内線で成都に移動してプレスツアーに参加してきました。

 Trip.comのアプリには「Trip.Best」というランキングコンテンツがあります。ホテル、観光スポット、レストランなどカテゴリー別に用意され、例えばホテルなら、さらに「豪華」「ファミリー」「インスタ映え」などと細分化されているのが特徴。自分の旅スタイルに合わせた情報をゲットしやすくなっています。

2025年4月に発表された「2025 Trip.Best Global 100」。成都は人気行き先の24位にランクイン

 今回のツアーでは、その「Trip.Best」にも掲載されている成都のホテルや観光スポットをいろいろ巡ってきました。

成都の前編です

四川省の省都、成都ってどんな都市?

上海浦東空港~成都天府空港は約3時間のフライト。中国国際航空の軽食はパンダのパッケージでした

 中国西南エリアの経済と商業の中心地・成都は四川省の省都です。肥沃な四川盆地に位置し、昔から農産物が豊富にとれたことから、天の恵みの都=天府之国という別名も。成都に2つある国際空港のうち、新しい方は「成都天府国際空港」と名付けられています。

成都に到着するやいなや、あちこちでパンダグッズが目に飛び込んできます

 三国時代に劉備や諸葛孔明が活躍したゆかりの地、そしてジャイアントパンダの故郷としても知られている成都。「Trip.Best」の2025年GLOBAL100でも、すべての地域において2年連続選出され、24位にランクインしている注目のデスティネーションなのです。

成都市の中心に位置する「春熙路(チュンシールー)」はトレンド発信地

若者や観光客でにぎわう成都の繁華街を散策

成都太古里はルイヴィトンやオメガなど世界的ブランドが入る複合商業施設

 成都の一大ショッピング&グルメエリアといわれる春熙路を散策しました。外国人はもちろん中国の国内からの旅行者も多く、観光客相手にパンダグッズ売りもたくさん! ちょっと興味を示すとグイグイ攻めてきますが、それほど高くないので、ぜひ1つくらいはお土産に。私も旅のお供のぬいぐるみを買いました♪

春熙路には巨大パンダがよじ登っている名所ビルも
7階まで上がると巨大パンダの顔とご対面できます。ここは人気のフォトスポット
街なかには移動パンダグッズ屋があちこちに

 春熙路から少し歩いたところにある成都太古里は、古い歴史建築をモダンな商業施設に生まれ変わらせたおしゃれな高級ショッピングモール。映えスポットがあちこちにあるので、スマホ片手に自撮りしている人がたくさんいます。

なんとこれはルイヴィトン
中庭にはヴィトンのトランクが積まれていてびっくり

 Trip.Bestの「観光スポット」ランキングにも入っている「寛窄巷子(かんさくこうし)」は、清の時代の伝統的な民家の雰囲気を感じられる成都の歴史文化街区です。平行する3つの巷子(横町)沿いにはカフェやレストラン、茶館などがひしめいていて大にぎわい。食べ歩きやおみやげ探しが楽しいスポットでした。

3つの小さな通りからなる寛窄巷子(かんさくこうし)
週末だったのでとにかくすごい人出
成都はジャスミン茶でも有名。歩き疲れたら茶館で試飲しながらお買い物もいいものです
雰囲気のあるスターバックスも

成都川菜博物館(四川料理博物館)

成都市郊外にあるので個人旅行というよりは団体ツアーで連れて行ってもらう場所かも

 成都市郊外、北西25kmほどの所にある川菜博物館は四川料理をテーマにした博物館です。ちなみに「川菜」は中国語で四川料理のこと。庭に豆板醤の壺がずら~っと並んでいたり、料理人が目の前で作ってくれた料理を味わえたり、伝統菓子作り体験もできるユニークな施設でした。

四川料理が食べられる屋外フードコート
四川省は豆板醤の名産地なのだそう
目の前で鶏肉のピーナッツ炒めを披露
「火鍋の素」。本格的な鍋が欲しくなります

宿泊はTrip.Bestで第1位の「シャングリ・ラ ホテル成都」

ロビーラウンジ。エレガントなアジアンテイストの雰囲気はさすが5つ星

 成都で宿泊したのは5つ星ホテル「シャングリ・ラ ホテル成都」です。Trip.Bestでは、成都のホテル「絶景」部門で堂々の1位となっている最高級ホテル。シャワーブースとは別にバスタブがあり、落ち着いた雰囲気のお部屋は快適そのもの。種類豊富な朝食も美味しかったです。夜はにぎわう錦江のほとりのバー街を散策してみては? ディープな成都ナイトを堪能できますよ。

「ファミリー」や「ラグジュアリー」部門でも上位にあるシャングリ・ラ ホテル成都
市内中心部のベストロケーションにあるシャングリ・ラ ホテル成都のゲストルーム
市内を流れる錦江の夜景。左に立つのがシャングリ・ラ ホテル成都
民謡酒館と看板がある生バンド演奏の飲み屋が軒を連ねます
成都独特の文化(?)「耳かき屋」。カメラ付きの耳かきで、自分の耳の穴の中を見ながらお掃除してもらえます。両耳で960円ほど

AIトラベルアシスタント「TripGenie(トリップジーニー)」が便利!

成都では有名なもつ煮込み料理の老舗「甘食記(ガンシージー)」

 翻訳アプリが必須ともいえる海外旅行ですが、今回はTrip.comアプリ内にある、音声入力や画像認識、テキスト入力に対応した「TripGenie」というAIトラベルアシスタントに何度もお世話になりました。

 なかでも感動したのは「メニューアシスタント」という機能。店の看板などのメニューを撮影して送信すると、現地の言語で書かれたメニュー名とその料理の特徴をAIが教えてくれるのです。Trip.Bestの成都のレストランの「ご当地の軽食」部門で1位の「甘食記(ガンシージー)」で役立ちました。

「これってどういう料理?」と思ったらTripGenieのメニューアシスタントで写真を撮ると……
写真にある中国語のメニュー名を解読したAIがほんの数秒でどんな料理なのか教えてくれます。ぜひお試しあれ!
Genieちゃん(と呼んでいた)が教えてくれたとおり、ビリビリした辛さと酸味が特徴。ピーナッツの食感がやみつきになる麺でした

成都「現地の味」部門の1位レストラン「Ma's Kitchen」がオススメ

Trip.Bestでは2年連続選出されている人気店

 いろいろ食べ歩いた成都で一番美味しかったのは、Trip.Bestの「現地の味」部門で堂々1位のレストラン「Ma's Kitchen」です。辛いけれど辛過ぎず、日本人の舌に合うものばかりで、お店の雰囲気もよし。ユーザーのリアルな口コミや評価、予約数などをAIが分析して決まるというTrip.Bestですが、初めて訪れる都市や海外旅行初心者にはとっても頼りになるツールだなと感じました。

鶏肉の唐揚げをびっくりする量の唐辛子と花椒などと炒めた代表的な四川料理「辣子鶏(ラーズーチー)」が衝撃でした(右下)

成都から高速鉄道で、2024年にできたばかりの黄龍九寨駅へ

まるで空港! 巨大な成都東駅

 成都の北約300kmの四川省最北端に位置する世界遺産・九寨溝(きゅうさいこう)へは、開通したばかりの高速鉄道「四川青海鉄道(川青鉄道)」で向かいました。成都東駅からの所要時間は(列車によって異なりますが)2時間10分ほど。下車したのは2024年に完成したばかりの黄竜九寨駅です。

 実はこの黄竜九寨駅、標高は約3000mと富士山でいえば八合目あたり。高山病になっちゃったらどうしよう!?と心配しながら降り立ちましたが大丈夫でした。

二等席(普通席)は日本の新幹線と変わらない印象。最高時速は約200km
中国の鉄道に乗ったのは今回の旅のハイライトの1つでしたわ~
車内販売あり。食堂車ではないですがドリンクやスナック・お弁当などを売る車両も
なんとスタバのドリンクも注文可能!(フラペチーノ系はありません)
1時間40分くらいで到着した標高約3000mの黄竜九寨駅。アバ・チベット族チャン族自治州ということで、駅舎はチベット感たっぷり

 黄竜九寨駅から1時間半ほど山道をバスに揺られてたどり着いたのは「ヒルトン九寨溝リゾート」。ここもTrip.Bestで九寨溝エリアの上位にある高級リゾートホテルです。

ヒルトン九寨溝リゾート。標高は2200m
キングベッドルーム。窓から山々の景色が眺められるのがよかったです
チベットの民族模様が施されたクッションなどインテリアが素敵

吸い込まれそうなブルーの湖水に圧倒! 世界自然遺産・九寨溝(きゅうさいこう)

もちろんここも「九寨溝風景名勝区」としてTrip.Bestで九寨溝エリアの観光スポット1位

 九寨溝は標高2000m以上の自然保護区のなかにある大小100以上の湖や泉、滝などが点在する美しい峡谷です。“九つの村の谷”を意味するその名前は、峡谷沿いにチベット族の小さな集落が9つあったことに由来します。

4000m級の雪山に囲まれた九寨溝の谷はYの字に似た形

 この景勝地では澄んだ青色の湖と数々の滝を、バスを使いながら見て歩くのがメイン。環境保護のため一般車両の乗り入れや入場者数制限が実施されているので、各ホテルからツアーに参加するのが一般的です。景勝スポットに着くとバスから降りて散策、またバスに乗って次の景勝地へ、という感じでまわります。

「五花海」という人気景勝地。標高は2477m

「なぜこんなに青いの!?」と不思議に思う水の色ですが、その秘密は、砂量が少なく清浄度が高いうえに水質がキレイだということ。そして水中に沈殿した石灰分が光を反射することによって澄んだブルーに見えるのだそうです。

映え写真用のレンタル衣装も。ターゲットは主に中国人のようでした

「地上の楽園」や「おとぎ話の世界」とも称される美景ですが、1970年代までは地元民以外には知られていないひっそりした場所だったそう。ちなみに何度も訪れているという現地ガイドさんの一番のオススメシーズンは紅葉の美しい秋とのことでした。見てみたい!

青く透き通った湖の透明度は湖底に沈んだ倒木が見通せるほど

 歩くのは整備された遊歩道ですが、基本トレッキングと同じような服装がオススメ。トイレは途中にありますがトイレットペーパーがないところがほとんどなのでポケットティッシュをお忘れなく!

滝もいろいろ
鏡のような湖面

 九寨溝はジャイアントパンダの生息地でもあります。奥地の竹林に生息しているそうですが、かつては水を飲みにきた姿を見かけたことから「熊猫海」と名前が付いた湖も。ただし、これだけ人が来るようになった現代では山から下りて来ることはなさそうですね。

珍珠灘瀑布
長海と呼ばれる一番奥の景勝地で、ここは標高3100m地点
水と光の相互作用で生み出されるエメラルドブルーは宝石のよう
群生植物との共存な見事な樹正瀑布

 最後に紹介するのは、ホテルからクルマで5分ほどの場所にあるテーマパークのような施設で観たロマンスショー「九寨千古情」です。

びっくりドンキーみたいな外観。ここはTrip.Bestの九寨溝「観光スポット」2位です

 約1時間のステージは、昔の民話的な恋物語をモチーフにしたもの、中国雑技団のようなアクロバティックなもの、そして四川大地震の救出劇をテーマにしたものの3部構成で、何がすごいってストーリーに連動した驚きの設備演出です。

 天井から洪水のように水が流れ落ちるわ、人が吊られて舞うわ、座席は揺れるわで、まるで最新劇場上映システム4DXのようなのです!(いやそれ以上かも)

「一生必看的演出」とは“一生に一度見なければならない”的な意味だそう

“朝から九寨溝を歩いて疲れているし、もしかしたら寝ちゃうかも?”と思っていたら大間違い! 飽きさせないパフォーマンスで大満足の観劇体験でした。九寨溝エリアのホテルに宿泊する人にはこの「九寨千古情」オススメです。

標高2200mの中国奥地でこんなエンタテイメントを楽しめるとは!

 さて後編では、成都で訪れたジャイアントパンダ施設を紹介! かわいい姿にメロメロになってきました。

成都でたくさんのジャイアントパンダに会ってきました
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。