旅レポ

ジャイアントパンダの聖地・成都へ! 和歌山の4頭が今後暮らす中国のパンダ基地に行ってきた

中国「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」でパンダを見てきました

 オンライン旅行予約サイト「Trip.com」による四川省・成都のプレスツアーに参加してきました。

 本稿ではパンダの保護と繁殖を目的とした施設「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」と、成都郊外にある「都江堰大熊猫繁育研究基地」を紹介します。

木登りベロ出しパンダ
そのままタップすればチケット予約まで簡単に

 成都といえばジャイアントパンダ、ジャイアントパンダといえば成都、ということで、今回訪れた「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」は、Trip.Bestの成都「おすすめ観光スポット」で堂々の第1位です。


中国パンダ界のアイドル「和花」など、約200頭が暮らす巨大パンダ基地

今回は団体客が利用する北東のゲートを利用しましたが、通常は南ゲートか西ゲートから入場となります

 成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地は成都市中心部から約10kmのところにあります。地下鉄やバスで比較的簡単にアクセスでき、市内からはタクシーでも1000円以内(約30分~1時間)と旅行者にも行きやすい場所です。

 開園時間や入園料、アクセス方法などは、公式サイト(日本語あり)でご確認を。注意すべきは、午前券と午後券の2タイプあること、外国人観光客は「Trip.com」からの購入もしくは現地購入の2択になること、身分証明のためにパスポートを持参すること、です。あと、パンダは午後はお昼寝していることが多いので午前中の方がオススメのようです。

 この成都パンダ基地に「和花(ホーファ)」という人気パンダがいると知ったのは渡航直前でした。ほかのパンダと比べて手足が短くおっとりした性格で、丸っこいおにぎりのような体つき。花花(ファーファー)の愛称で知られているメスのパンダです。

和花(ホーファ)のぬいぐるみ。“パンダはみんな同じでしょ”と思ったアナタ、ぜひ一度「成都 パンダ 花花」でググってみて

 今回、その花花ちゃんに会えるかも!?と期待していたのですが、成都パンダ基地は想像以上に巨大な施設で、全部まわろうとすると丸一日かかる広さ。ガイドさんに「花花はどこですの?」と聞くと、今回私たちが観覧した「熊猫密林区」からは約2km離れたエリアとのこと。そのうえ観覧には2~3時間並びますと言われやむなく断念……。

 とはいえ「熊猫密林区」を2時間半ほど滞在しただけでも、20頭近いパンダを見ることができて大満足だった成都パンダ基地。「かわいい、かわいい♪」を連呼しながらカメラのシャッターを切っておりました。

どれもこれもパンダ
案内標識など日本の動物園と変わらない印象
大声を出さない、フラッシュ禁止、餌を与えないを守りましょう
顔は見えずでしたが今回のファーストパンダはこちらのユン・ウェンちゃん。生年月日や母親、性格を表記した看板があります

 ということで、ここからは今回成都で出会ったパンダ達の姿をたっぷりの写真で紹介! 念のためお伝えしておくと、私は24~105mmの中望遠レンズしか使っていないため、ほとんどの写真はトリミングしています。レンズ交換式の一眼で撮る人は200mm以上の望遠レンズがオススメです。

わぁ~かわいい!
食事のあとのまったり時間という感じ?
すやすや
ガチ機材で撮影していたのは近くにお住まいで毎日通っているという男性。日本語が話せたので少しお話しました
体が小さいのでまだ子供でしょうか?
かわいい2頭
てちてち。歩く姿もたまりません
あれ? 隣にいたカメラおじさんがいない!と思ったら、木登りを始めたパンダを見て瞬時に向かい側に移動したようです。さすが!
ここが定位置なのかな?
ときどき足をぶら~んぶら~ん
俯瞰でパンダを見ることができる観覧エリア
寝かた!
竹をバリバリ

 今回の滞在で一番長い時間足を止めてしまったのはやっぱり親子パンダの前でした。やんちゃ盛りの子パンダが、お昼寝中のお母さんパンダに「遊んでよ~」とばかりにちょっかいを出す姿は癒やししかありません。上野動物園のシャンシャンのライブ映像配信を毎日見ていたころ(2018年)を思い出してジーンとなってしまいました。

大人気だった親子パンダ
尊いのひと言!
ずっと見ていられる
2023年に和歌山のアドベンチャーワールドが贈呈したパンダモニュメントがある「星漢館」
ジャイアントパンダの生態を学べる展示も
ガラス越しでの撮影エリア
2001年にアドベンチャーワールドで生まれた雄浜。残念ながらお昼寝中のお尻だけで顔は見えず
ショップも充実。郵便局もあります
パンダグッズであふれるショップ
こちらは和花と並ぶ人気パンダの北辰(ベイチェン)のぬいぐるみ。約3160円
大人気のカチューシャは約980円
人気のパンダケーキ
青花椒味のアイスにトライ

都江堰大熊猫繁育研究基地にも行ってきた

パンダを見飽きたりず、帰国前日に“追いパンダ”をしてきました

 続いては都江堰(とこうえん)基地、通称・熊猫楽園です。成都市の北西約60kmの都江堰市にあって、高速道路を使って1時間半ほど。例えて言うなら東京駅から埼玉県こども動物自然公園に行くくらいの距離感です。ここもTrip.Bestの成都観光スポット8位にランクインしています。

熊猫楽園の園内マップ

 入場ゲートやチケット売り場などの雰囲気から一般的な日本の動物園と同じくらいの規模という印象。成都パンダ基地があまりに大きな施設だったので、正直それほど期待していなかったのですが、ところがどっこい、うれしい誤算でした。

 園内はほどよいローカル感があって、自然いっぱいでワイルドな雰囲気。訪れたのは土曜でしたが、それほど混み合っていなくてゆっくり見ることができました。なによりパンダの近さには感激。行ってよかった!

都江堰基地のファーストパンダは「美茜(Mei Xi)」。ここも名前や性別などが分かる看板が
かわいい3頭が揃って食事中
丸太にもたれかかる姿がたまりません
パンダにも右利き、左利きがあるのをご存じ?
何かのお祝いでしょうか? ここには大勢の人が集まってカメラを構えていました
なかの人がいそうな貫禄
咀嚼音が聞き取れる距離感。それにしても器用に美味しそうに食べます
竹林のなかに現われるショップ
ハイキングコースのような園内
レッサーパンダもいます
美味しいね
三角おにぎり
哀愁漂う後ろ姿
ガラス越しエリアも

パンダに会いにまた成都に行きたい

目が合った?

“パンダは大好き。上野動物園はもちろん、アドベンチャーワールドでも神戸市立王子動物園にも見に行ったことがあるけれど、推しパンダがいるわけでも、顔を見分けられるわけでもない”、いわゆる浅いパンダ好きだった私は、今回成都のパンダ施設に行けるとなったときに「シャンシャンに会えるんだ」と勝手に思っていました。実際は会えず、シャンシャンは成都の南西約150kmの雅安(があん)という場所にある繁殖基地にいることを現地で知ったレベルです。

中国の“国宝”とされるジャイアントパンダは木登りが得意

 この記事を執筆中にいろいろ調べていると、四川省でパンダを飼育研究している施設は「国」と「成都市」の、大きく2つの運営母体があることを知りました。ちなみに今回訪れた「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」は成都市、都江堰基地(熊猫楽園)は国の管轄です。

 そしてアドベンチャーワールドは「成都ジャイアントパンダ繁殖研究基地」から、上野動物園は「中国大熊猫保護研究中心」からパンダを導入しているので、返還される施設もそれぞれ違うのだそうです。

 そうやって知れば知るほど、大切に保護されている動物だということを実感すればするほど愛おしく、見たくなってしまうのがジャイアントパンダ。今回成都でたくさんのパンダに出会って感じたのは“パンダは見ればみるほど好きになる”ということでした。

のばした足がかわいい

 このたびアドベンチャーワールドの4頭が中国に旅立ち、上野動物園の双子パンダも来年返還期限を迎えるため、日本国内のパンダがゼロになる可能性がでてきました。

 中国が日本人向けの短期滞在ビザ免除を再開したこともあって、中国へ返還されたパンダたちに会いに成都を訪れる日本人はこれから増えるでしょう。私も次は、成都のパンダ基地をハシゴするパンダ三昧の旅もいいな~なんて思っています。

成田~成都(天府)は中国国際航空の直行便で5時間半。7月1日からは増便し、デイリー運航になります
ゆきぴゅー

長野生まれの長野育ち。2001年に上京し、デジカメライター兼カメラマンのお弟子さんとして怒涛の日々を送るかたわら、絵日記でポンチ絵を描き始める。独立後はイラストレーターとライターを足して2で割った“イラストライター”として、雑誌やWeb連載のほか、企業広告などのイメージキャラクター制作なども手がける。