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Trip.com主催「Envision 2025」メインフォーラム取材レポ、英ヘンリー王子がサプライズゲストで登場!

2025年5月26日 実施
上海で開催された「Envision 2025」にサプライズゲストとして登場した英国ヘンリー王子

 旅行サイト「Trip.com(トリップドットコム)」グループは5月26日、グローバルカンファレンス「Envision 2025」を中国の上海で開催した。

 世界各国から旅行業界のリーダーやパートナーなど3000人以上が集まった「Envision 2025」のメインフォーラムでは、Trip.comグループの共同創業者であるジェームズ・リャン会長が登壇。基調講演のなかで“イノベーション”という言葉を何度も使い、旅行業界の未来のためにはイノベーションが重要な推進力だと強調した。

会場となった上海国際会議コンベンションセンター
入り口に設置されていたフォトコーナー
会場は上海のシンボルタワー「東方明珠電視塔」のすぐ近く

 そしてユニークな体験のためのイノベーションとして、テクノロジーや文化、アート、コンテンツなど各分野で起きている各国のさまざまな例を紹介し、「皆さんと一緒に取り組むことで、大胆に革新を起こし、人類のよりよい未来のために前進できることを願っています」とあいさつを結んだ。

Trip.comグループの共同創業者、ジェームズ・リャン会長

 Trip.comグループCEOのジェーン・スン氏からは、2024年第1四半期に海外旅行予約がパンデミック前の水準を120%上回ったことが発表された。

 スン氏は「当社の戦略と取り組みは一貫しており、イノベーションとテクノロジーを活用し、常に“人”を第一に考えている」とし、「今後も“人”を中心に据えたイノベーションを推進し、すべての人にとってよりよい旅を目指します」と語った。

Trip.comグループのCEOジェーン・スン氏。中国には「一万冊の本を読んでも、一万の景色を見る方がいい」という意味のことわざがあると紹介

 今回の「Envision 2025」には、ビッグなスペシャルゲストが登場した。スンCEOから紹介されたのは、サステナブルな旅行の推進を目的とする非営利団体「Travalyst(トラバリスト)」の創設者である英国サセックス公爵ヘンリー王子だ。

 2019年に設立されたTravalystは、Trip.comをはじめとする世界最大級のOTAや、Google、Mastercard、Visaといった大手企業の支援を受けている。

スペシャルゲストは「A. 英国ヘンリー王子」「B. ステラ・マッカートニー」「C. ベネディクト・カンバーバッチ」のうち誰でしょう!?の3択クイズ。まさかのヘンリー王子で会場は一瞬どよめきも
ヘンリー王子とジェーン・スン(Jane Sun)CEO

 ヘンリー王子は「アジア太平洋地域には、ほかに類を見ない多様で素晴らしい文化がある。気候変動が観光にどのように影響するのか目を向けながら、旅行や観光の持続性を支援する取り組み、また地域社会を保護する活動が重要である」とスピーチした。

「昨今の気候変動はビジネスにとって緊急事態である」と語り、サステナブルツーリズムの重要性を訴えたヘンリー王子
グルーバル戦略パートナーシップ発足式などさまざまなセレモニーが行なわれ、新たなグローバルパートナーの代表が登壇した

 最後にTrip.comグループは、1億米ドル(約144億円)の観光イノベーション基金の設立を発表。この基金は旅行業界における将来有望なプロジェクトや個人を支援することを目的とし、変革的なアイディアを持つデスティネーションや組織、個人の支援に使われる。

1億米ドルの観光イノベーション基金が設立された

 この日は、日本法人のTrip.com International Travel Japan代表取締役社長の高田智之氏にお話を伺うことができた。

 高田氏によると、現在Trip.comでは、福岡空港や関西空港のボーディングブリッジで広告展開を行ない、国内での認知拡大を図っている。ほかにも日本マーケット限定でメガセールの実施や、韓国や台湾・タイなどの人気渡航地の特別価格キャンペーンも実施している。

 昨今は好きなアーティストのライブなど、推し活イベントをきっかけに旅行する人が増えてきており、まずはTrip.comでコンサートチケットを購入し、それがきっかけでアプリをダウンロードして航空券やホテル予約につながるケースが増えているそうだ。

 また、「ほかのOTAとの差別化や違いは?」という質問には、旅行商品のクオリティと答えた。ホテルや航空券、アトラクションのチケット、空港送迎、eSIMなど、旅にまつわるものをどんどん充実させているとのことだった。

「例えば、◯◯◯はこのアプリで予約して、◯◯◯はこっちのアプリで予約する、ではなく、分かりやすく1つのプラットフォームでまとめられるのがTrip.comの強み。24時間対応で自社運営のカスタマーサポートやロイヤリティプログラムなども大きなアドバンテージ」と答えた。

 高田氏は最後に、「予約するという機能に特化していたオンライン旅行会社だが、今後はさらに踏み込んだ形に変化していって“旅の相棒”のような存在になっていきたい」と語った。

Trip.com International Travel Japan代表取締役社長の高田智之氏
Trip.comの行なっているサービスを可視化したさまざまなブース展示
Trip.comが提供する旅行ランキング集「Trip.Best」の展示コーナーも。箱根は2025年のアジア50温泉目的地にランクインしている
中国各地の観光地の紹介も

 今回Trip.comは、このカンファレンス取材とあわせてプレスツアーを実施し、3日目からはジャイアントパンダの聖地・成都や、世界遺産の九寨溝を巡る視察ツアーを楽しむことができた。その様子は次回以降でレポートする。