旅レポ
ANAで3年ぶりのハワイに。コロナ禍のホノルル現地・国際線フライトは何が変わって変わらない?
2022年5月9日 07:00
国内ではまん延防止等重点措置が解除され、海外に対しても水際措置の緩和と感染症危険情報レベルの引き下げで、2019年以来、日本ではおよそ3年ぶりの移動制限のないゴールデンウイークを経験した。そのさなか、4月30日のANA羽田発ホノルル行きNH186便に乗る機会を得て、記者は3年ぶりにハワイ・ホノルルを訪れてきた。
現地に到着してすぐ感じた印象を隠さずに言うと、「全然日本人がいない」が率直なところ。以前はカラカウア通りの交差点でまわりから日本語しか聞こえないということもあったが、今は日本人を見つける方が困難だ。本誌でも報じたとおり、JTBやHIS、ANA X、ジャルパックなどがGW出発分からツアーを再開しているものの、4月半ばの発表だったこともあり、あまり送客できていないのが現状という。
2019年2月の実績を振り返ると、米本土からのハワイへの渡航者は約99万1000人、日本からは約24万1000人で、これが2022年2月実績では、米本土から約107万4000人、日本から約5000人と明暗がくっきりしている。GWである程度日本人が渡航してきているとはいえ、見かけなくてもムリはない、というところ。
それでも、記者が泊まったホテルのフロントでは日本人スタッフが対応してくれたし、飲食店でも日本語混じりの英語で話しかけられることがしばしばあって、話に聞いていたほど「日本人に対応できる観光業の人材が減っている」という印象は受けなかった。
加えて、この夏こそハワイに、と考えている日本のハワイファンにとって喜ぶべきは、本土からの渡航者が堅調なこともあって、観光客向けの施設・店舗がほぼ変わらず営業しているということだ。
関係者によれば、日本人向けの店舗(特に土産物店など)は厳しいところもあると言うし、取材日数が短かったので網羅的に調べたわけではないが、実際にカラカウア通りやロイヤルハワイアンセンター、アラモアナセンターなどを歩いてみると、撤退したのか改装中なのか営業していない店舗も見受けられたが、一時期の東京都心で話題になったようなコロナ禍理由のテナントの撤退ラッシュ、という状況にはまったくなっていない。
4月29日にANA 代表取締役社長の井上慎一氏が説明したように、連休初日のホノルル行きはほぼ満席の予約が入っており、記者が搭乗した翌30日の同便も70%を越す搭乗率と盛況だった。
それでも日本に1日あたりの入国者数上限と各社への割り当てがある限りは、航空会社が簡単に復便・増便することはできず、岸田総理が6月からさらなる緩和を表明した水際対策(インバウンドだけでなく海外から帰国する日本人にも当然適用される)や、ANAが7月1日から再投入するエアバス A380型機の運航といった背景を受けて、徐々に元どおりに戻っていくのを期待するほかない。
ちなみに、本誌の別の記事でもお伝えしたが、現在日本からハワイ(アメリカ)へ行くには、ワクチン接種証明や出発前検査の陰性証明、宣誓書、コンタクトトレーシングの提出が必要だ。この複雑さが出国に際して一つのハードルになっているが、一方で、ハワイ現地で入国するときはパスポートを見せるだけ。以前、入国審査レーンに設置してあった縦長画面のタッチパネル式端末もすべて撤去されていた。機内で記入する書類もない。この2国間のギャップはなかなか衝撃的だ。こういった日本側の制限が夏休みまでには緩和されていることを期待したい。
ハワイでは3月26日(現地時間)から、屋外だけでなく屋内でもマスクの着用義務が解除されているが、機内では(密集していることもあって)着用必須になっている。取材中のつかの間、マスクなしで生活した開放感はホノルルの気候も相まって最高の気分で、夏になったらまたホノルルへ戻ってきたいと思わせてくれた。