旅レポ

ANAで3年ぶりのハワイに。コロナ禍のホノルル現地・国際線フライトは何が変わって変わらない?

連休中にハワイに行ってきました

 国内ではまん延防止等重点措置が解除され、海外に対しても水際措置の緩和と感染症危険情報レベルの引き下げで、2019年以来、日本ではおよそ3年ぶりの移動制限のないゴールデンウイークを経験した。そのさなか、4月30日のANA羽田発ホノルル行きNH186便に乗る機会を得て、記者は3年ぶりにハワイ・ホノルルを訪れてきた。

 現地に到着してすぐ感じた印象を隠さずに言うと、「全然日本人がいない」が率直なところ。以前はカラカウア通りの交差点でまわりから日本語しか聞こえないということもあったが、今は日本人を見つける方が困難だ。本誌でも報じたとおり、JTBやHIS、ANA X、ジャルパックなどがGW出発分からツアーを再開しているものの、4月半ばの発表だったこともあり、あまり送客できていないのが現状という。

 2019年2月の実績を振り返ると、米本土からのハワイへの渡航者は約99万1000人、日本からは約24万1000人で、これが2022年2月実績では、米本土から約107万4000人、日本から約5000人と明暗がくっきりしている。GWである程度日本人が渡航してきているとはいえ、見かけなくてもムリはない、というところ。

 それでも、記者が泊まったホテルのフロントでは日本人スタッフが対応してくれたし、飲食店でも日本語混じりの英語で話しかけられることがしばしばあって、話に聞いていたほど「日本人に対応できる観光業の人材が減っている」という印象は受けなかった。

 加えて、この夏こそハワイに、と考えている日本のハワイファンにとって喜ぶべきは、本土からの渡航者が堅調なこともあって、観光客向けの施設・店舗がほぼ変わらず営業しているということだ。

 関係者によれば、日本人向けの店舗(特に土産物店など)は厳しいところもあると言うし、取材日数が短かったので網羅的に調べたわけではないが、実際にカラカウア通りやロイヤルハワイアンセンター、アラモアナセンターなどを歩いてみると、撤退したのか改装中なのか営業していない店舗も見受けられたが、一時期の東京都心で話題になったようなコロナ禍理由のテナントの撤退ラッシュ、という状況にはまったくなっていない。

カラカウア通りの様子。米本土からの観光客は好調なままだが、あまり混み合っていないのは、日本では連休だが米本土ではそうではないから
ワイキキトロリーは変わらず走っている
レンタル自転車のbikiのポート
ビーチ付近はほどよい混雑、という印象。日本人が以前の連休中のように訪れていたら、もっと混み合っていたはず
2日目に訪れたアラモアナセンター。こちらもほどよい混雑。さすがにここへ来ると日本人に少し遭遇する

 4月29日にANA 代表取締役社長の井上慎一氏が説明したように、連休初日のホノルル行きはほぼ満席の予約が入っており、記者が搭乗した翌30日の同便も70%を越す搭乗率と盛況だった。

 それでも日本に1日あたりの入国者数上限と各社への割り当てがある限りは、航空会社が簡単に復便・増便することはできず、岸田総理が6月からさらなる緩和を表明した水際対策(インバウンドだけでなく海外から帰国する日本人にも当然適用される)や、ANAが7月1日から再投入するエアバス A380型機の運航といった背景を受けて、徐々に元どおりに戻っていくのを期待するほかない。

 ちなみに、本誌の別の記事でもお伝えしたが、現在日本からハワイ(アメリカ)へ行くには、ワクチン接種証明や出発前検査の陰性証明、宣誓書、コンタクトトレーシングの提出が必要だ。この複雑さが出国に際して一つのハードルになっているが、一方で、ハワイ現地で入国するときはパスポートを見せるだけ。以前、入国審査レーンに設置してあった縦長画面のタッチパネル式端末もすべて撤去されていた。機内で記入する書類もない。この2国間のギャップはなかなか衝撃的だ。こういった日本側の制限が夏休みまでには緩和されていることを期待したい。

 ハワイでは3月26日(現地時間)から、屋外だけでなく屋内でもマスクの着用義務が解除されているが、機内では(密集していることもあって)着用必須になっている。取材中のつかの間、マスクなしで生活した開放感はホノルルの気候も相まって最高の気分で、夏になったらまたホノルルへ戻ってきたいと思わせてくれた。

記者が搭乗したのは、4月30日のNH186便
運航している国際線の機内に入ったのは2020年3月以来だ
枕、膝掛け、ヘッドフォン。ちなみにANAのホノルル線はエコノミークラスにもスリッパを設定している
7割を超す搭乗率だが、3席並びの中央は空席がちらほら
紙コップは「ANA HAWAii」仕様。A380型機の機内で手に取りたいデザインだ
2021年10月から新しくなっている機内安全ビデオ
機内はまだマスク着用必須。もちろん客室乗務員も着用してサービスに当たる
機内ではラバトリーなどを定期的に清掃・除菌している
以前からある機能だが、機内(ボーイング 787型機)のラバトリーは手をかざすだけで便器に水を流すことができる
こういったフライトマップを見るのも久しぶり
オアフ島が見えてきた
記者たちが乗ってきたNH186便
ホノルル空港を出たところ。こちらは団体出口。現在、FIT(個人旅行)向けの出口はクローズしている
今回宿泊した「Waikiki Malia by Outrigger」の部屋
クヒオ通り沿いのホテルの隣には空きテナントが。しかしこれは少ない例の一つだ
編集部:松本俊哉