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ハワイ島コナ空港が驚きのアップデート! 新施設と拡張エリア「ゲート11」などが誕生

ホノルルマラソンも50周年に向け本格始動

2022年6月6日~9日 開催

3年ぶりの「ジャパンサミット」ではハワイ島・コナ空港のアップデート詳細も発表した

 ハワイ州観光局日本支局は3年振りとなる旅行業界パートナーを対象とした「ジャパンサミット 2022」を6月6日より9日まで開催した。

 初日の6日には、ハワイ島観光局 局長ロス・バーチ氏が「コナ空港の最新アップデート」と題して講演。すでに8月からのJALの直行便運航再開がアナウンスされるなど、渡航へのステップが整うなか、空港拡張ならびに改修を中心に説明した。

コナ空港がアップデート!「空港に降り立つという感覚・体験はそのまま」とロス・バーチ氏

 ハワイ島への渡航は、JALが成田~コナ線の8月運航再開を発表したばかり。

 エリソン・オニヅカ・コナ国際空港は、開放的なデザインと直接タラップを降り地上へと向かう仕様で、まさに南国を訪れた特別な気分が味わえる素晴らしい環境がポイント。

 ハワイ島観光局 局長のロス・バーチ氏はコロナ禍で空港発着が難しかった2年間の間にコナ空港がアップデートしたことを紹介。「空港に降り立つという感覚・体験はそのまま」と、同空港ならではのよさはキープしたまま、より快適な空港利用が可能となったと太鼓判を押した。

ハワイ島観光局 局長 ロス・バーチ氏が「コナ空港の最新アップデート」を発表

 具体的なアップデートとしては、「空港のエントリーを集中化。TSAの通過もスムーズにやりやすくなりました。簡単なセクションではありますが、図のオレンジ色部分が新たな国際線ターミナルです。旅行者の方がどこに到着したのかが一目で分かるようにもなりました」と話し、大きなKOAのスリーレターのモニュメントを紹介。

 さらにガラス張りの新施設について「ハワイはとにかく見晴らしのよい場所がありますが、空港自体も非常に美しい写真が撮れる場所となりました」と夜の空港の写真を披露した。

ハワイ州のデービッド・イゲ知事と州議会に対し改修・拡大のための予算確保に感謝を述べた
開放感のある個性的な空港デザインが人気のコナ空港
空港エントランスが整備され、より使いやすくなった
新たな国際線ターミナルはオレンジ色の部分
KOAのモニュメントとガラス張りが美しい新施設
夕方以降もその美しさが引き立つデザインだ

 館内設備に関しては、2021年9月に税関へと渡す前に視察した際の様子を紹介。入国時には最新の顔認証システムを採用していること、バゲージクレームなどを見せてくれた。その進化がすさまじいことは一度訪れた人ならば分かるはずだ。さらに、Webチェックインもできるようになり、アライバルがよりスムーズになったという。

入国時には、顔認証システムを活用する
バゲージクレームエリア
バスの停留所もあり、移動がよりやりやすくなった

 拡張エリアについては「ゲート11」が誕生。同氏は「完全な空調設備のある初めてのゲート。航空機のすぐ近くにあります。現在工事の第1フェーズが完了。お手洗いをはじめ継続的にアップデート予定です。個人的には、リテールが増える部分がとても楽しみ」と話す。さらに、改修点として壁画についてを紹介。2つのターミナルを結ぶアクセスポイントに、文化的な背景のある壁画を配置し、2エリアをつなぐ役割をしているという。

新たに「ゲート11」が誕生。こちらもガラス張りで外の様子をしっかり楽しめる
別角度からの「11ゲート」
コナ空港初の完全な空調設備を持つ出発ゲート
レストルームの改修など今後も継続的に改修していく
ヒロ国際空港もアップデートも進めている
8つの壁画をアクセスポイントに配置し、ターミナルをつなぐ

 渡航者向けのPCR検査などの対応についても言及。「最終的にハワイ島を楽しんで帰国していただくまでがハワイの旅行。安全に素晴らしい体験をしていただきたいので、ハワイ島内のPCRテスト会場と協力しながら、費用を含め予約の取得方法など日本の旅行者が使いやすいように進めています」とのこと。

Support efforts underway testing requirements

 ハワイ島のマス・トランジット・システムのアップデートについては、住民の移動の足として活用されている「ヘレオンバス」(Hele-On BUS)の利用が2023年までの2年間無料に。さらにコナ国際空港ならびにヒロ国際空港間の移動も可能となるなど、西海岸側へのアクセスがより便利となった。運行スケジュールをしっかり確認して活用すれば、ぐるりと島を1周することもできそうだ。

 最後に、「PONO(正しく)」について映像で紹介した。内容はハワイ島滞在において“正しく”あることとして、禁止区域に立ち入らないこと、海に背を向けないこと、大地と海を大事にすることを網羅。滞在時の心構えとして必ず観ておくことをお勧めしたい。

ハワイ島での滞在を豊かで安全な時間とするための「PONO」の映像とURL

 氏は「実際に活動している活火山があるのはハワイ島だけ。島には多くの魅力がありますが、それを体験していだけるだけでも素晴らしい価値がある」とアピール。さらに、ハワイ州観光局ミツエ・ヴァーレイ日本支局長も、「ハワイ島は地球の鼓動を感じる場所。カップルはもちろんご家族はお子さんの考古学・地質学など勉強に適している。(ハワイ諸島のなかで)一番大きな島だからこそ多くのコンテンツも。今生きている島にぜひ訪れてほしい」と補足した。さらに「まず知っていただくことが大切。新たなツアーができたと同時に行けなくなっている場所もあるので、アップデートしつつ、どんな体験ができるのかを直接観てほしい」と旅行業界へもプッシュした。

2022年で50周年の「ホノルルマラソン」。「開催が旅行のきっかけになれば!」とジム・バラホル事務局長

 開催50周年を迎える「ホノルルマラソン」からは、プレジデント/CEOのジム・バラホル氏が登壇。「ホノルルマラソン50周年記念大会のアップデート」に関する最新情報を伝えてくれた。同氏は1987年から「ホノルルマラソン」のプレジデントを勤めており、医学博士・医者・ランナーでもある。

「ホノルル・マラソン」のジム・バラホル氏が「ホノルルマラソン50周年記念大会のアップデート」について語った

 50周年の「ホノルルマラソン」に関しては、通常1万5000人の日本人参加数に対し現時点で2200人が参加登録済み。ペースとしてはダウンしているが、開催が近づくにつれ参加者数が毎年伸びてくるとのこと。バラホル氏は2019年の中止を踏まえて、「どのようなビジネスでも2年間休むということはいいことではない。ホノルルマラソンがツーリズムの再開のとっかかりになるよう動いてきた。スポンサーならびに市長も2022年は開催したいとのことで50周年はぜひ成功させたい」と気合いを込めた。

50周年を迎える「ホノルルマラソン」。映像でその歴史を振り返った
参加ランナーにはそれぞれストーリーがある

「ホノルルマラソン」がここまで大きなイベントとなったのは「日本人がハワイを愛してくれるからこそ。そしてハワイのコミュニティに参加したい!という気持ちがあるからこそだと。旅行者としてでなく沿道での触れあいも含め、地元に参加している気持ちになれることが非常に大事なのだと考えている」と語る。

「ホノルルマラソン2022」は12月11日に開催

 前回については、「コロナ禍での2021年開催時は9000人のフィニッシュしたが、コロナ陽性はゼロ。屋外イベントの安全性が証明された瞬間でもあった。中止も考えたが我々は前に進みたかったし、続けたくもあった。マラソンはビジネス以上のものがあるんだと改めて感じる大会だった」と話し、継続するために必要な大会であったとのこと。

 苦難のときを超え迎える50周年記念大会については「バーチャルとリアルの2種類を現在用意している。メダルも可能であれば同じものを考えているが、まだ未定。50周年に関するイベントはまだ発表できることは現時点でないが、参加者の思い出になるものとしたい。それぞれ参加者にはストーリーがあるので、ぜひ物語をつむぎに来てほしい。そして観光再開のきっかけになることを願っている」とした。

JATAの稲田氏は、海外旅行再開に向けての取り組みを紹介。鍵は安全と世論

 日本側からの基調講演はJATA(日本旅行業協会)海外旅行推進部長の稲田正彦氏が登壇。「今後のロードマップとプロモーション施策」として講演を行なった。

 海外旅行の復活の1つの足がかりになった「JATAハワイ視察団~海外企画旅行の再開に向けて~」を取り上げ、イゲ知事をはじめハワイ側の要人との意見交換や、安心安全なハワイ側の受け入れ体制確立の確認。さらにハワイにおける日本市場のプレゼンスの向上ができたと話した。

 またメディアが大きく取り上げ、「海外旅行に行ってもいいんだ」という雰囲気と「ハワイに行きたい」という気持ちを目覚めさせたことも、旅行再開の流れを加速させた要因として挙げた。なお、ハワイ州を含む米国全土の感染症危険情報が引き下げられたが、ゴールデンウイークや夏場の集客にはまだつながっていないという。

一般社団法人日本旅行業協会 海外旅行推進部長 稲田正彦氏
「JATAハワイ視察団~海外企画旅行の再開に向けて~」の様子
イゲ知事をはじめハワイ側の要人との意見交換などを中心に行なった

 講演では、4月の時点のロードマップを提示しつつ、現在の状況との比較を実施。ワクチン接種についてはレベルが変わってきていること、そして経口薬の普及が広がらない現実、さらに感染症上の位置づけが2種から5種相当になったとしても、海外旅行の増加につながるかは未知数と話した。なお、規制緩和に関しては、7月には3万人が入国可能となると予想する。

 今後の課題として、入国時のPCR検査&陰性証明必須が撤廃となれば大きな進歩となるが、その分感染が広がる可能性があるため、海外からの観光客受け入れ時には感染時の対応の強化が必要とした。また、フライトに関しては需要と供給のアンバランスを旅行業界として解決するべき課題とし、ランドコストや人材不足についても言及。一番の問題である人材不足解消のため、共通プラットフォーム作りなども提案。海外旅行に関する世論についても、ハワイは感染者が増加傾向にあるためメッセージやより安心・安全な対策が必要であり、人々の気持ちを盛り上げる流れが必要とした。

 JATAとしては今後新聞広告や都市部でのストリートサンプリング、さらにSNSを活用したプロモーションを予定。より世論に対し、海外旅行への前向きな気持ちを後押しする施策を展開予定。同氏は「関係者が一丸となり、インパーソンのコミュニケーションを通じてハワイ旅行の機運を高めていきたい」と語った。

4月の時点で予想した流れと現在の状況との違いを検証
JATA Roadmap Progress and Future Challenges
新聞広告やSNSの活用など、今後の展開についても紹介した

安心・安全が重視される今、パッケージや団体旅行の価値がより高まっている

 サミットでは、JHTA(日本ハワイ旅行業界)会長の久保哲也氏も「現地側の一般的状況と業界としての対策」として公演。JHTAは1970年に設立、旅行業界のメンバーを中心に、財界をはじめ地元ハワイでの連携を通してハワイを訪れる旅行者がよりよい体験をし、安全に帰国するために貢献、さらにハワイの自然と文化を次の世代につなげるための業界としてのケアも目的に活動を行なっている。

 例えば身近なシーンとしては、ダニエル・K・イノウエ国際空港(ホノルル空港)の団体出口の各種カウンターなどを一括契約し、JHTAを通して提供、各社が運用しているなど。

日本ハワイ旅行業界 会長 久保哲也氏

 コロナ禍には、ハワイ現地にて関係機関との連携を強化しながら、海外旅行市場のなかでハワイが旅行先として大切であるとのメッセージを出し続け、2022年に入ってからは市場回復が現実的ななか水際対策の緩和など渡航に関する障壁の撤廃のためロビー活動を実施。総領事館との密な連携のなか課題抽出や解決に向けての提案など総領事館を通じ、外務省経由で行なっていたと報告。この2か月間は市場回復に向け規制緩和がされるなか、JHTAとしてさまざまなルート経由でハワイ側の声を届ける役割を担っていたと説明した。

日本ハワイ旅行業界について紹介
コロナ禍での活動と2022年の市場回復に向けての動きに関して

 ハワイの新型コロナ感染症対策と、日本からの渡航者が陽性になった場合についても説明。レストラン利用時のワクチン接種証明書提示やソーシャルディスタンスの撤廃から、車両人数制限がなしとなったこと。さらにマスク着用は必須ではないが、ハワイ側の規制はほぼないもののJHTAとしては一定のガイドラインを策定し、会員向けに推奨していきたいとした。

 陽性者対応については、「受け入れ地として丁寧に対応していく。自主隔離、食事のアレンジをはじめさまざまなケアが必要。陰性が証明されるまで5日間の隔離とPCRを繰り返すサイクルになるが、パッケージツアーや団体旅行は各社が対応する」としFIT(海外個人旅行)には、なかなか厳しい部分も。「海外旅行保険に必ず入ることと、コロナカバーについて詳細のチェックを」と注意喚起した。

現在のハワイでのコロナ対策
陽性になった場合の流れ。長期に渡り隔離が続く場合は、総領事館への相談が必要に
コロナ禍での活動と2022年の市場回復に向けての動きに関して

 PCR検査は一例として「ウィズコロナの状況では旅行者が増えるほど、市場回復期の課題は増えてくる」とし、旅行業界関係者に向け「以前は、多くのサービスを削ぎ落としFIT的な手配に流れる傾向があったが、現在はお客さまが海外旅行先での安心・安全をより求めている状況。われわれはそこに対する対策をしっかり提示し実行することで、パッケージや団体旅行の価値が高まっていくであろうと信じている。

 日々変わる現地状況なか、正しい情報発信を行ない、業界全体の価値向上に向けてJHTAも一丸となって取り組んでいく。ぜひ、皆さんとお客さまを全力サポートし、そこから生まれる顧客満足度を将来につなげ、より多くの方がハワイへと戻ってくる、そんな好循環サイクルを作り上げていきましょう」と業界に対し呼びかけた。