旅レポ

「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」に泊まってみた。京都観光の中心地を地元民気分でおさんぽ!

「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」に泊まってみた

 星野リゾートは、京都市東山で「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」を11月5日に開業した。京都屈指の観光エリアの中心に位置し、観光拠点にぴったりの新施設だ。

 コンセプトは「今日は祇園ぐらし」。暮らすように祇園を1日中満喫できると、すでにオープン前から立地も含め話題に。客室は7タイプ全36室で、そのうちキッチン付きが24室。客室定員数は2名~最大6名、短期から長期滞在まで対応する。

八坂神社の門前、最高の立地で昼夜問わず地元感覚で祇園さんぽを楽しもう

「OMO5京都祇園」の魅力の1つは、その立地。京都観光の中心地「八坂神社」の目の前に位置し、横断歩道を渡るだけで門前に到着。そのまま参拝へと進めるなど、観光拠点にぴったり。また、八坂神社から高台寺、そして清水寺までの京都観光鉄板コースも、ふらりと手ぶらで向かってOK。まさに地元民感覚で、気ままに散歩&観光ができる場所だと言える。

「八坂神社」が目の前の「OMO5京都祇園」

 特に11月後半から12月にかけての紅葉ライトアップシーズンには「見に行きたい!」と思った瞬間すぐに徒歩で向かえるのも高ポイント。帰る時間を気にせずライトアップも楽しめるうえ、体が冷えたらすぐにホテルに戻れる部分も心強い。

 そんな「OMO5京都祇園」は、祇園四条駅から徒歩約10分ほど。四条通を八坂神社の石段目指して観光をしながらホテルまで向かえる。エントランスには真っ白な暖簾がかかり、階段を降りると「鰻の寝床」とも称される奥に細長い・京町家のを彷彿させる空間が現われる。

風にはためく暖簾と「OMO5」のロゴが入り口の目印
提灯が連なり、京町家のような奥に細長い空間が広がる
エントランスには周辺の主要な観光地が描かれた撮影スポットを用意

 カウンターではタブレットを使ったチェックイン・チェックアウトを採用。ロビーエリアにはカウンターのほか、「OMO ベース」と「ご近所マップ」を完備。「ご近所マップ」には、ホテル周辺エリアのお勧め和菓子屋からお土産や、レストランまでスタッフが自信を持ってお勧めするスポットがずらり。スタッフに声をかけるとレコメンドもしてくれるので祇園歩きの参考にしてみよう。

提灯に導かれるように進むとチェックインカウンターに到着
タブレットでのチェックイン・チェックアウトを採用
エントランス奥の「OMO ベース」と「ご近所マップ」エリア
お勧めスポットをレコメンドしてもらおう

 ここでしっかり押さえておきたいのが周辺の和菓子屋情報。チェックイン開始の15時から18時まで「OMO ベース」では「祇園てくてく茶会」を実施しており、「ご近所ガイド OMOレンジャー」から紹介を受け、和菓子購入後に訪れると「お抹茶道具セット」を貸し出してくれるのだ。茶臼で茶葉を挽くこともできるので、ぜひ挑戦を。自室に戻り抹茶と和菓子を用意したら、お茶会のはじまり。お茶道具で抹茶を立てて、祇園でのひとときを満喫しよう。

「OMO ベース」の屋台スペースでは15時から「祇園てくてく茶会」を開催
自分で挽いた茶葉と一緒に和菓子(自費購入)が優雅に自室で味わえる
屋台周辺では「滞在着(パジャマ)のレンタル」(各200円)も行なっている
「祇園花街暮らしのいろは」として生活に身近な文化面をウォールスペースで紹介

住むように暮らせるキッチン付きルームが36室中24室。短期&長期滞在どちらでも便利に

 今回滞在したのは、最大6名まで滞在可能な「茶の間トリプル キッチン付」(44.8~48.8m 2 )。ファミリー利用や友人同士での旅行にぴったりの客室だ。キッチン付きでお鍋や食器類も揃い、ちょっとした料理も楽しめるのが特徴。随所に和を感じるデザインが取り入れられており、客室は「青海波ブルー」「麻の葉紅」「籠目グリーン」の3色3デザインのいずれかで統一されている。

「茶の間トリプル キッチン付」。最大6名まで宿泊ができる
ベッドエリアは簾が一部かかり、リビングとの境目をさりげなく示している
「麻の葉紅」をはじめ和なデザインが施されている
縁側をイメージさせるスペースも
L字タイプのキッチンで小回りがきいて使いやすい
食器類も一通り揃っている
こちらは「青海波ブルー」を採用した「茶の間スイートトリプル キッチン付」
キッチンエリアは広め。ファミリーで一緒に食卓を囲んでも余裕のサイズ感

 バス・トイレ・パウダールームもチェック。バスタブは165cmの筆者でも足をゆったり伸ばせるサイズ感。付属のアメニティもハーブの香りが心地よい。パウダールームにはハンドソープとアルコール消毒液を用意。

 疲れをしっかり癒したい場合は「OMO ベース」横の自販機で入浴剤「京の天然ほっこり湯」(300円)、化粧落としや洗顔料・化粧水に保湿ゲルがセットになったスキンケアブランド「OSAJI」の「アメニティキット」(360円)の購入も可能。トイレも落ち着く広さがうれしいところ。

パウダールームはシンクが2台で、時間がバッティングしても安心
足が伸ばせるバスタブで、街歩きで疲れた足をほぐそう
ハーブの香りが心地よい備え付けのシャンプーやボディソープ
トイレは比較的広めながら落ち着くサイズ
「OSAJI」の「アメニティキット」や京都産ひのきの入浴剤も館内自販機で手に入る

「祇園おせわがかり」で京都ならではの食文化「仕出し料理」を初体験!

「OMO5京都祇園」でぜひ利用したいのが「祇園おせわがかり」。地元を知りつくした「OMOレンジャー」が京都の食事処を案内してくれるサービスだ。予算や希望に合わせてお店を紹介してくれるが、そのなかでも大注目なのが「仕出し料理」の手配だ。

 利用3日前までの予約が必要で「仕出し弁当(梅)」(3240円)、「仕出し弁当(月)」(4320円)、「仕出し弁当(松花堂弁当)」(5400円)のいずれかを事前注文できる。今回は「仕出し弁当(松花堂弁当)」をお願いしてみることに。

 18時過ぎ、漆塗りのお重に入って、天保初年創業「菱岩」製の「仕出し弁当(松花堂弁当)」が到着。お弁当とお椀を受け取りさっそく開けてみると……季節感あふれる献立と盛り付けの美しさにうっとり。お出しはキッチンで温めてから自分でかけていただく。

「菱岩」製の「仕出し弁当(松花堂弁当)」で京都の食文化の真髄を知る

 日によりメニューは若干変わるが、お造りは「鯛、いか、あしらい一式」(取材当日はマグロ)、炊き合わせは「建仁寺麩、南瓜、海老芋、湯葉、鳴門穴子、柚子」。取肴は「だし巻き玉子、鶏松風、海老旨煮、鰆幽庵焼、鰻八幡巻、鴨ロース、子持ち鮎山椒煮、栗蜜煮、銀杏、すだち、レンコン」。

 ご飯は「俵ご飯、鯛小柚寿司、柿なます、奈良漬け、生姜甘酢漬」、お椀は「帆立真丈、栗麩、しめじ、人参、柚子」。

お造りはぽってり&とろりとろけるお刺身が主役
炊き合わせは1食材ずつじっくり見つめながら、その美味しさを噛み締めてしまうほど
取肴は次が何が出てくるのか宝箱のような感覚で一口一口が愛おしい
ご飯はお寿司から俵ごはんまでバラエティに富み、漬物も種類豊富で時間をかけて楽しめる
お椀はふっくらとした大きめ「帆立真丈」の食べ応えと美味しさにしばらく酔いしれるほど

 仕出し料理は、お祝い事や行事、客人をもてなす際に利用され、プロの料理人に調理を頼んで届けてもらう京都には欠かせない食文化。紹介を受けて初めて予約ができるお店も多い京都では、観光客ではなかなか出会うことのできない老舗の味わいが楽しめると評判。宿泊者の多くがその美味しさに舌鼓を打っているとのこと。ぜひ祇園ならではの贅沢な時間を過ごしてほしい。

翌朝のお楽しみは「おへやベーカリーセット」で準備。焼き立てほかほかパンを食べよう

 食に関するもう1つのお楽しみは翌朝に。前日夜に「おへやベーカリーセット」(1000円)をセットしておけば、パンの焼きあがる匂いで目覚めることができる。予約は事前がベストだが、チェックイン時にお願いしても大丈夫。作り方は備え付けのマンガ冊子を見れば一目瞭然。手順どおりに材料を入れ、タイマーを翌朝にセットすれば、自動で焼きあげてくれる。

 セットにはコンディメントが6種(抹茶スプレッド、粒あん、バター、豚のリエット、卵スプレッド、豆乳ディップ)とドリップコーヒーが付属。お好みで館内自販機にて京都紀翔「京の野菜ジャム 鹿ヶ谷南瓜」「京の和風ジャム 無花果」(各300円)も購入可能。また、スープ「京のすうぷ屋さん 皮つきさつまいも」(400円)に、各種ジュース(各150円)を追加でプラスしてもよい。

バターと水、粉とイーストなど材料一式が部屋にスタンバイしてある
手順マンガを一読してから始めよう
水とバター、粉、イーストの順で入れてタイマーをセット
翌朝にはふっくら出来立ての食パンができあがっていた!
6種のコンディメントに京都食材を使ったジャムやスープを追加しても美味しい

立地を活かした「祇園うるわし朝参り」で早朝からアクティブに動く

「OMO5京都祇園」では、その立地を活かしたアクティビティを用意している。“うるわしい(整っている・本物であるさま)”をテーマに毎朝6時30分から「祇園うるわし朝参り」を実施。朝イチのシャキッとした空気のなか、祇園周辺を散策できる。ルートの説明を受け、「花見小路」から朝参りのスタート!

「OMO レンジャー」のガイドで進む「祇園うるわし朝参り」
早朝の静かな「花見小路」を歩きながら祇園ならではの文化について説明を受ける
ひとけのない「花見小路」をゆっくりと進む
連なる簾は建物同士が近いため、プライバシー保護の役割を担っているなど解説も

 続いて「縁切り神社」とも呼ばれるパワースポット「安井金毘羅宮」へ。参拝後に「形代」を片手に握り、「縁切り縁結び碑」をくぐり悪縁を断ち切り良縁を呼び込むことに。そのまま「高台寺」と「ねねの道」「石塀小路」を巡り、ホテル目の前の「八坂神社」で「お千度詣り」を行ない全行程が完了。

 ホテル到着後は、「OMO ベース」にて「原了郭」の「御香煎」と呼ばれる塩気と漢方の風味のある昔ながらの飲み物でほっと一息。旅人がお参り後に飲んでいたとされ、心身ともに整うことができる。宿泊者は無料で参加可能。約1時間ほどかけて早朝の祇園周辺を散歩すれば、清々しい気持ちで1日のスタートが切れること間違いなしだ。

「安井金毘羅宮」では悪縁切り・良縁結びを祈願しながら「縁切り縁結び碑」をくぐる
「高台寺」境内の「ねねの道」も観光客はまだ誰もいない時間だった
コースの最後は「八坂神社」での参拝
国宝「八坂神社本殿」で「お千度り」を行なう
「美御前社」にて美容祈願も。湧き出るご神水「美容水」を肌に数滴つけると身も心も美しくなると伝わる
旅人がお参り後に飲んでいたと伝わる「御香煎」で散歩の疲れを癒す

OMO京都エリア総支配人に聞く「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」

 星野リゾートは、「OMO3京都東寺 by 星野リゾート」と「OMO5京都三条 by 星野リゾート」を4月5日に開業しており、「OMO5京都祇園 by 星野リゾート」は今年に入ってから府内3軒目のオープンに当たる。

 この3軒を統括する星野リゾート OMO京都エリア総支配人・唐澤武彦氏に、新施設の魅力とそれぞれの役割について話を聞いた。

株式会社星野リゾート OMO京都エリア総支配人 唐澤武彦氏

 インバウンドが戻らないなかでの新施設開業については、もともと同社自体がインバウンドに頼りすぎず20数兆円規模の国内市場の需要獲得の戦略を取っているため、近年は影響はありながらもその路線を今後も進めるという。11月の開業は「京都の紅葉が美しくなる時期ですので、久しぶりにお客さまを迎えることができ、市場が戻ってきたと感じる」と話す。

 同一エリアに3施設あるが、棲み分けに関してはユーザーの京都観光目的をしっかりリサーチしたうえで、「OMO3京都東寺」は1~2名向けで寺社仏閣見学に的を絞り、「OMO5京都三条」は立地を活かして街歩きを楽しむ3~4名向けに。そして「OMO5京都祇園」は4~6名での宿泊を想定し、花街が近いため文化・芸術に特化したという。「人数タイプを明確に分け、それぞれのニーズに合わせご利用いただけるようにサポートサービス“Go-KINJYO”で棲み分けをしています」とのことだ。

 実際に「OMO5京都祇園」では「祇園うるわし朝参り」などで、地元目線の景色を楽しみながら、京都ならではの文化と芸術を学べるコンテンツを用意。「祇園は昼間は人通りが絶えない人気エリアのため、逆に朝の誰もいない街を独り占めするような感覚を知っていただきたく企画しました。昔ながらの美しい景観や今も残る街の素晴らしさを知っていただくには朝一しかないと。簾や犬矢来、格子に鍾馗(しょうき)さんなど、その場所に存在する意味を伝えたくて」と唐澤氏。

 目の前の「八坂神社」に関しても「正門の場所や、地元の人が行なうお参り方法など、泊まるからこそ祇園の日常、特別な時間を見ていただきたい」とのこと。

屋根の瓦に佇む瓦人形の鍾馗さん。魔除けから商売繁盛まで願いが込められている
犬矢来は犬の粗相防止、ならびに武士の喧嘩で家に傷が付くのを防止する役目を持つ
正門は石段側ではなく、本殿正面に位置するこちら側

 各サービスを実現するにあたっては、京都ならでは“ご紹介文化”がカギだったと話す。「星のや京都」や以前総支配人を務めていた比叡山の運営施設で関わった人々のサポートで、少しずつ人脈が広がり、「祇園祭」で重要な神事を担う「宮本組」との出会いが非常に大きかったとのこと。今後も地域とのつながりを深くすることで、より施設としての魅力を増していきたいと意気込む。

 なお、同氏は、価格帯が比較的リーズナブルなため、若い世代の利用を見込んでおり、「初めての星野リゾート体験の場」として「OMO」ブランドの各施設を活用、間口を広げたうえでライフステージに合わせて「リゾナーレ」や「星のや」での体験につなげたいとした。

相川真由美

フリーライター/鉄鋼業やIT系やエンタメ関連の雑誌やWeb媒体の編集者を経て、フリーの記者として活動中。海外は一人旅がほとんど。趣味は世界のディズニーのパーク&リゾート巡り。最近は年間パスポート片手に日々舞浜通い。うなぎとチョコレートが好物で、旅の基本は“出されたものは全部食べる”。激辛とうがらしから謎の木の実まで挑戦するのがモットー。