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那覇の中心で星野リゾートの「OMO5沖縄那覇」開業。和紙畳のくつろぎ客室を見てきた!

2021年11月1日 グランドオープン

「OMO5沖縄那覇」が11月1日にグランドオープン

 那覇市の大動脈・国道58号沿いに、星野リゾートの都市観光ホテル「OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート」が11月1日にグランドオープンを迎えた。5月にプレオープンしていたが、四度の延期を経てこのたび待望の正式オープンとなった。

 これまでの星野リゾートの沖縄展開は、「星のや竹富島」「星のや沖縄」「バンタカフェ」など5施設があり、今回のOMO5沖縄那覇で6施設目となる。また、OMOブランドとしては沖縄では初、全国では5棟目にあたる。

OMO5沖縄那覇の外観
エントランス前にはベンチや木々が設置されており、公園のような雰囲気

星野代表「沖縄を盛り上げるには夏だけに依存しないこと」

 10月28日に実施した発表会には、星野リゾート代表の星野佳路氏も登壇し、「昨年4月から星野リゾートでは18か月サバイバル計画を立て、全員で乗り越えようとさまざまな策を立てて取り組んできた。第4波以降は東京近郊の観光地はキャンセルがあまり出なくなり、好調の兆しがある。

 しかし沖縄は厳しかった。コロナ後の沖縄観光復活に向けて、国でもGo To キャンペーンなどの政策を準備しているが、私たちもそろそろ本気で沖縄観光を盛り上げていかなければならない。

 沖縄観光が痛んでしまっている理由は、夏に打撃を受けたこと。Go Toが再開されたら感染の6波、7波が来ても継続可能であることを望んでいる。そのためには、盛り上げ過ぎずシンプルに下支えをするような仕組みで、Go Toキャンペーンが感染拡大の原因と疑われないようにしてもらいたい。

 沖縄観光を盛り上げるためには、夏だけに依存せず、年間を通しての観光客の平準化を図ること。そして重要なのはスタッフのワクチン接種率を上げること。それが安心安全な観光地につながる」と、沖縄観光復活への思いを語った。

星野リゾート代表 星野佳路氏

 那覇市長の城間幹子氏の祝辞はビデオメッセージで紹介された。

「OMOブランドの沖縄展開の第1号に那覇を選んでいただいたことに感謝している。ガイドブックに載っていない那覇の町を紹介するご近所マップや、ホテルスタッフが町をガイドするOMOレンジャーはおもてなしの心あふれるサービス。那覇の町の魅力により深く触れていただくことで、新たなにぎわいを創出し、多様な魅力を発信してくれると期待している」と歓迎の意を述べた。

 また、建物のデザインを手がけた佐々木達郎氏もビデオメッセージを寄せた。

「沖縄には地域に潜む小さな文化がある。そのなかで今回注目したのが『花ブロック』と呼ばれる穴の開いたコンクリートブロック。花ブロックに使われる丸や三角の穴を組み合わせてOMOの文字をデザインした。私自身、プロジェクトを通して沖縄や那覇で小さな発見があった。そういう旅の楽しみを見つけてもらいたい」と、外装や内装にも見られる特徴的なブロックなど、デザインに込めた思いを語った。

那覇市長 城間幹子氏
建築デザイナー 佐々木達郎氏
沖縄の「花ブロック」にヒントを得たブロック。外装では、組み合わせて「OMO」の文字を形成している

 総支配人の請川哲生氏は、「OMOブランドのコンセプトは、寝るだけでは終わらせない、旅のテンションを上げる都市観光ホテル。

 OMO5沖縄那覇では、町歩きを楽しみ尽くすための拠点としてご近所マップ、OMOレンジャーによる町ガイドを行なっている。われわれは那覇のまちを『バザール』と呼び、コンセプトを『バザールって、ちむどんどん』と定めた。

 那覇は町にも人にも魅力がつまっている。夏だけでなく年間通して訪れていただき、那覇の魅力を伝えていきたい」と語り、話題に出たOMOレンジャーを紹介した。

総支配人 請川哲生氏
友人のように町ガイドをするOMOレンジャー

館内を見てみた

 その後、館内を見学。

 1階にはフロントデスクとカフェ、ご近所マップがある。フロントは、タブレット操作により無人でチェックインできるようになっている。チェックアウトもタブレットで行なう。

フロントデスク。スタッフがいなくてもチェックイン・アウトできる仕組み
操作はタブレットで行なう。予約時に発行されたQRコードで手続きでき、カードキーが発行される。予約番号や氏名でも手続きできる

 フロントデスクの奥にカフェのカウンターがある。カフェは宿泊客だけでなく、外来も利用できる。

 フレンチトーストやピザなどの朝食セット、スイーツ、ジュースなどが用意されていた。地元のクラフトビールなども提供する。営業時間は、朝食が7時~10時(9時30分ラストオーダー)、カフェ&バーが10時~24時(23時30分ラストオーダー)。

OMOカフェの朝食メニュー。5種類から選べる
フレンチトーストセット
ソフトドリンクコーナー。見た目もかわいい
沖縄産のクラフトビールを提供

 ご近所マップのコーナーには、スタッフのお気に入りや口コミのお店などが紹介されている。

 オススメの場所があれば掲示板にメモを貼り付けてもらい、ご近所マップに追加していくとのこと。実際にご近所さんを訪れたゲストの写真も飾られている。

手作り感あふれるご近所マップ。食堂、カフェ、居酒屋などの飲食店、買い物どころ、体験スポットなどが紹介されている。今後どんどん増えていく
オススメしたい店があれば、ぜひ掲示板に貼り付けて

 2階には「ゆんたくライブラリー」がある。

 地元の作家による伝統工芸品が並び、お土産を探すきっかけや工芸品の歴史などに触れることができる。大きなソファでくつろいだり、デスクで仕事をしたりなど、いろいろなスタイルで利用できるスペースだ。

ゆんたくライブラリーには、ゆったりソファやカウンター席を設置
さまざまな沖縄の工芸品を展示している
沖縄関連の書籍も約100冊揃っている

 3階から上が客室になっている。「やぐらルーム」「ダブルルーム」「ツインルーム」の3タイプがあり、全190室。

 床は和紙畳が敷かれており、靴を脱いでくつろげるようになっている。また全室バス・トイレ別になっており使い勝手がよい。床面積はそれほど大きくなくても壁面や高さを活かし、ゆったりした部屋造りがされている。

ファミリーにオススメなやぐらルーム
屋根裏っぽいやぐらの上のベッド
壁面をうまく使い、ハンガーやタオル類などを収納
やぐらの下は大型ソファ。ベッドとしても使える
バスルーム
トイレ
疲れた足に心地よい和紙畳の床
シンプルな造りのダブルルーム
窓際の大きなソファがゆったりとしていて開放的
この部屋はバスタブのないシャワーのみのタイプ
アメニティは歯ブラシのみ常備。そのほかのものは1階のアメニティ棚に用意されている
1階エレベータ前のアメニティ棚。アメニティのほか部屋着も用意

OMOレンジャーが“裏”国際通りを案内

 館内見学のあとは、OMOレンジャーによる「裏国際通りさんぽ」体験に参加した。

 国際通りの脇道に迷路のように広がる市場・商店街を散策する。OMOレンジャーが古い写真を見せてくれたり歴史を聞かせてくれたりなど、長く沖縄に住んでいても知らなかった場所に出会え、ワクワク感にあふれるミニツアーだった。

 裏国際通りさんぽは参加費無料。16~17時に実施しており、直前まで受け付けている。ほかにも「スーパーマーケットレンジャー」ツアーがあり、ご当地スーパーで沖縄の食文化に直接触れる内容になっている。こちらは実施時間は8時45分~10時で、参加費用は1名1000円。前日までに予約が必要だ。

ディープな那覇の入口
古い写真を見せながら、興味深い話を聞かせてくれるOMOレンジャー
OMOレンジャーお勧めの鰹節屋さん。食欲をそそるよい香りが

 国道58号沿いはホテル激戦区となっている。そのなかで、はっきりとしたコンセプトを据えて独自の企画を打ち立てているOMO5沖縄那覇は、沖縄観光の楽しみ方を広げてくれる存在になりそうだ。

OMO5沖縄那覇 by 星野リゾート

所在地: 沖縄県那覇市松山1-3-16
TEL: 0570-073-022(星野リゾート統合予約センター)
規模: 地上1~16階
宿泊料金: 1泊素泊まり8000円~
駐車場: 1台1泊1500円(立体駐車場)