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星野リゾート、温泉旅館「界」湯布院と雲仙などを紹介。「九州で欧米需要を高めたい」と星野代表
2022年4月14日 00:00
- 2022年4月13日 実施
星野リゾートは4月13日、報道向けの発表会「星野リゾートLIVE 2022 春」をオンライン開催した。
発表会の前半では、温泉旅館ブランド「界」の湯布院と雲仙の2軒、沖縄に新たに開業する若者向けの「BEB」、さらに金沢片町に開業予定の都市型ホテル「OMO」ブランドをはじめ、新たに開業する施設概要を紹介。
さらに後半では、新たに始まるポイント制についてやサブスクリプションサービスとのタッグ、さらにビジネス向けのワーケーションルームの新設まで気になる情報を星野リゾート 代表の星野佳路氏が解説した。本稿では前半の新規開業施設情報を中心に紹介する。
九州エリアに「界」ブランドが2施設開業。湯布院と雲仙が新たに誕生
発表会では、「王道なのに、新しい。」をテーマとする温泉旅館ブランド「界」が九州エリアに2施設開業することを冒頭で告知。全45室の「界 由布院」が8月3日、全51室の「界 雲仙」が11月25日に新規開業する。
「界 由布院」はコンセプトを「棚田暦で憩う宿」として宿泊施設の中央に棚田が広がるデザインが特徴。設計・デザインは隈研吾氏が担当し、宿にいながら季節のうつろいを感じられる空間に仕上げているという。客室はご当地部屋「蛍かごの間」を用意。蛍を灯りとして取り入れていた地域文化をイメージさせる螺旋状のフォルムの「蛍かご照明」など、こだわりが詰まっている。
湯布院ならではの温泉として、体を芯から温める「あつ湯」と心と体をリラックへと導く「ぬる湯」を備える。由布岳を眺めながら、癒しを手に入れられる極上空間に仕上がっているとのこと。
星野代表は「湯布院の事業を展開する方々は、団体ではなく個人客に対して質の高いサービスを提供するという湯布院のコンセプトを非常に大事にしている。その部分を大事にしながらやっていきたい。また、九州のインバウンド需要はアジアに偏り過ぎているので、界で欧米に対し魅力を発信し、湯布院の事業を通じて欧米需要を高めていくために少しでも貢献していけたら」と話した。
同じく九州・長崎エリア初進出の「界 雲仙」も地域特性を活かしながらの滞在が楽しめる網様。雲仙温泉に位置し、日本・中国・オランダのいいとこ取りな“和華蘭文化”を随所に取り入れたデザインで長崎を感じられる空間となる予定。特に大浴場では美しいステンドグラスを採用、長崎文化を温泉に入りながらも満喫できる。「界 阿蘇」「界 別府」「界 霧島」とともに九州エリアに絞っての界巡りも楽しめそうだ。
星野代表は雲仙での開業について、「九州のなかでも特徴のある雲仙でサービスを提供するのは、非常に重要なこと。界ブランド全体にとって雲仙に施設があるのとないのとではブランドの質を変える可能性があるので積極的に話を進めてきた。雲仙の歴史・長崎との文化面の特徴もハード面に多く取り込んでおり、今までとは異なる特徴が出せるだろう」と期待を込めた。
山陰エリアでの「界」オープンやリニューアルも発表。もともと島根県・松江市にて運営していた玉造温泉の施設を「界 玉造」に改称、出雲大社へとクルマで約20分の出雲ひのみさき温泉エリアに「界 出雲」を新規オープンする。温泉で体を清めたあとにすぐに出雲大社への参拝ができる立地のよさが魅力だ。
なお、「界」の新規オープンが目立つ今回の発表会だが、星野代表いわく「日本の温泉旅館ならではの守るべき王道は維持しつつ、ライフスタイルの変化に合わせて海外旅行好きの30代~40代が楽しめる施設に進化させる」とのこと。さらに「“私の温泉ライフは界にお任せ”を目指しているので、界のファンの方が行きたいと思える拠点を今後も全国の有名温泉施設に積極展開していく」と意気込んだ。
北陸・金沢に「OMO5金沢片町」誕生! 絶品グルメで魅力を発信
続いては都市観光ホテルブランド「OMO」の新規開業情報をチェック。発表会では、総支配人たちが座談会をする形で新情報を紹介した。
最大のトピックスとしては5月20日にオープンする全101室の「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」をフィーチャー。コンセプトを「あっぱれ! 味のかたまち」とし、食の体験を通じて同エリアの魅力を発信していくという。数千件の飲食店舗がひしめきあう北陸随一のグルメタウンに進出とあって、旅の最大のお楽しみを食事とする層に刺さりそうだ。
もちろん「OMO」ブランドならではのOMOレンジャーツアーとして「金沢片町味わいまっし散歩」を開催予定。食と文化・伝統工芸とのつながりから和菓子の開発秘話、さらに試食&購入ともっと金沢片町が好きになる時間が過ごせるという。アクティビティも「いいじな棒茶の飲み比べ体験」、OMOカフェでの「加賀棒茶と生麩のリゾット」提供など「また食べたい・飲みたい」に出会えること間違いなし。
2つ目のトピックとして、4月22日に開業する「OMO7大阪 by 星野リゾート」をピックアップ。“ほれてまうわ、なにわ”をコンセプトに笑い+おせっかいのおもてなし精神を組み合わせた「なにわラグジュアリー」を打ち出したフルサービスホテルを目指すと発表。座談会ではいずれは観光の目的地になるよう運営していくと意気込んだ。
なお、開業に合わせてナイトイベント「PIKAPIKA NIGHT」、さらに大阪の食の本質が味わえるイノベイティブなディナー2種「Naniwa Neo Classic」「Naniwa KUSHI Cuisine」も紹介。ナイトタイムをホテルでゆったりと過ごすための提案をしてくれた。さらに、デザイナー・アーティストの篠原ともえ氏が手がけるユニフォームも初公開。街での新発見をピンドットで表現し、ネイビーでジェンダーレス&スタイリッシュなパンツスタイルを提案。ゴムのパンツやストレッチ素材など動きやすさも考慮し、街にもなじむデザインだ。
「OMO by 星野リゾート」ブランドの新規開業について星野代表は、「OMO7大阪 by 星野リゾート」周辺で外資系ホテルが台頭してきていることや宿泊先供給過多の状況を踏まえながら「国内運営会社らしさをしっかり表わしていきたい」と話した。
さらに「OMO5金沢片町 by 星野リゾート」に関しても言及し、「ビジネス利用ではなく都市観光で訪れる人がOMOの主なターゲット。ショップやバー和菓子屋をはじめ地元でのネットワークを築いたうえでホテルとして周囲で働く人々の魅力も発信していくのが使命。金沢片町に宿泊しなければ!と思ってもらえるよう周辺地域とタッグを組みともに努力しながら成長していきたい」とした。
若い世代向けの「BEB」も沖縄に進出! 「BEB5沖縄瀬良垣」で週末をルーズに
「居酒屋以上旅未満 みんなでルーズに過ごすホテル」がコンセプトの学生をはじめとする若年層向けの「BEB」ブランドからも新規開業情報が到着。
7月1日グランドオープンの全105室の「BEB5沖縄瀬良垣」はゆっくり、のんびり、美しい時間を過ごしてほしいの意味を込めた「よんな~ちゅライフ」をコンセプトにルーズな旅を提案。
24時間自由に使えるパブリックスペースで仲間とおしゃべりしたり、全室キッチン&ランドリー完備で大学の合宿や長期滞在で重宝する設備を用意。さらにガゼボ付きのインフィニティプールなど映えにも対応。撮れる&盛れるが気軽にできるのがポイント。
夏に向けての押さえておきたいトピックを一気見! かき氷に肝試し、雲海キャンプとてんこ盛り!?
発表会ではGWや夏休み需要を見据えて各ブランドよりイチオシトピックスも一気に紹介。ファミリー向けの「リゾナーレ」ブランドからは「リゾナーレトマム」で開催の「雲海テラスキャンプ」をピックアップ。人気の雲海を朝起きてすぐに眺められるのが最大の特徴で、生まれ変わった「雲海テラス」に宿泊しプライベート感満載のひとときが過ごせる。
さらにファミリー向けの滞在として「リゾナーレ那須」の「お米の学校×旅育」も紹介。米作り体験から歴史&文化、食べるまでをまるっと学ぶことができ、子供教育にも一役。家族旅行を通じて子供の成長につながる、そんな滞在と体験が可能だ。
また、「リゾナーレ小浜島」では「絶景海上ビアガーデン」も実施。大胆にも海上にカウンター&チェアを設置。青い海とキラキラ光る水面を眺めながら飲むビールは格別のよう。
なお、同社広報による2022年夏のトレンド予想も公開。ご当地かき氷に今年も注目とのことで「リゾナーレ八ヶ岳」の「夏野菜かき氷」や「界 ポロト」の「メロンかき氷」。夏らしさ全開の「青森屋」の「にんにくハウス931」に、「星のや東京」の「発酵×江戸香辛料 暑気払いカレー」など定番から個性派グルメまで盛りだくさん。
市電貸切で楽しめる「OMO3札幌すすきの」の「札幌市電ビアベース」に、締めのラーメンの出前もできる「OMO7旭川」の「ラーメンどんぶりビアベース」など、久しぶりに友人たちとワイワイできるイベントも用意。もちろん深夜2時に開催される怪談話でヒンヤリ背筋が凍る「星のや東京」の「納涼・怪談落語」など一味違う滞在が過ごせるアクティビティもあるので、予約前に各ホテルの催事のチェックも忘れずに。