旅レポ
バケーションと仕事を両立する「ワーケーション」をタイのチェンマイで体験!
2019年8月15日 07:00
皆さんは、「ワーケーション」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。ワーケーションは、「ワーク(Work)」と「バケーション(Vacation)」を合わせた造語で、アメリカで生まれたと言われています。
日本同様に有給休暇取得率の低いアメリカで、有給消化率を高める目的で、リゾート地でバケーションを楽しみながら仕事もこなすという、新しい働き方を提案したのが始まりとのこと。そして、近年日本でも「働き方改革」を推進するなかで、このワーケーションにも注目が集まっています。
そういったなか、タイ国政府観光庁が主催した、ワーケーションを主題としたメディアツアーに参加してきたので、その様子を紹介したいと思います。
ノマドワーカーのメッカ、チェンマイ
タイには寺院や世界遺産、ビーチリゾートなど観光地が数多くあり、美味しい食べ物も豊富ということで、日本はもちろん世界中から多くの観光客が訪れています。また、物価の安さや治安のよさなどもあって、長期滞在の旅行者がかなり多いという点も特徴のようです。
そういった魅力や特徴があるため、タイには世界中から数多くのノマドワーカーが集まっています。そして、そういったなかでノマドワーカーのメッカと呼ばれているのが、タイの第2の都市であるチェンマイです。なぜチェンマイがノマドワーカーのメッカと呼ばれているのか。それは、過ごしやすい気候と、インフラ整備が整っているという点にあります。
チェンマイは、タイの首都バンコクから飛行機で1時間少々でアクセスできる、タイ北部の都市です。1296年にランナー王朝の首都として整備されたチェンマイは、山岳地に位置することからタイ南部と比べて温度が低く、比較的過ごしやすい気候が魅力となっています。
また、チェンマイには非常に多くのカフェがありますが、そのほとんどが無料で利用できるWi-Fiを備えているそうです。もともとチェンマイはカフェ文化が根付いていて、カフェの競争も激しかったそうですが、ノマドワーカーのメッカと呼ばれるようになってからは、ノマドワーカーが快適に利用できる環境を競って整えるようになったそうです。それによって、好きな場所、好きなスタイルで仕事をこなせる環境が整えられたというわけです。
実際にチェンマイのカフェを覗いてみると、間違いなくフリーWi-Fiの案内がありますし、電源が取れるカウンター席を用意しているところも数多くあります。そして、実際にカフェでPCを開いて仕事をしている欧米人も大勢見られました。そういった光景を見るだけでも、チェンマイがノマドワーカーのメッカと呼ばれている理由がよく分かりました。
旅行者も気軽に利用できるコワーキングスペース
ノマドワーカーのように、カフェで好きなスタイルで仕事をするというのもよいかもしれませんが、チェンマイに長期滞在しながら仕事も本格的にこなしたい、という人もいるでしょう。そういった場合には、カフェではなく、本格的な仕事に対応できるコワーキングスペースを利用したいところです。
近年チェンマイでは、ワーケーションなどで長期滞在しつつ通常業務もこなしたいという需要に対応できるように、本格的なコワーキングスペースも数多く整備されています。そして、今回のツアーはワーケーションが主題だったということもありましたので、コワーキングスペースをいくつか視察してきました。
まず最初に訪れたのが、チェンマイ中心部のニマンヘミン通りから徒歩圏内にある「The Brick Startup Space」です。もともとは、タイのスタートアップ向けコワーキングスペースとして位置付けられているそうですが、ノマドワーカーなど旅行者も利用できるようになっています。
室内はスタートアップをターゲットとしているということもあって、なかなかお洒落な雰囲気です。仕事をこなすデスクはもちろん、寝そべって仕事ができるソファや大型クッションなども用意されていて、なかなか自由度が高いという印象です。また、会議室などもありますので、ちょっとした会議なども可能です。もちろん、Wi-Fiやプリンタなどの設備もしっかり完備しています。また、24時間オープンしていますので、自分のスタイルに合わせて好きな時間に利用できます。
実際に、テーブルでノートPCを開いてしばらく仕事をしてみましたが、清潔かつ静かな環境で、とても快適に過ごせました。ここなら、かなり気持ちよく仕事ができそうと感じます。
利用料金は、9時から21時まで利用できる1日パスが250バーツ(約863円、1バーツ=約3.45円換算)、7日間24時間利用可能は7日間パスが1600バーツ(約5520円)、1か月パスが3700バーツ(約1万2765円)などとなっています。
続いて訪れたのが、「PUNSPACE」というコワーキングスペースです。こちらはチェンマイに3か所を構える、チェンマイでも人気のコワーキングスペースとのことで、今回はチェンマイ旧市街に位置する「PUNSPACE Wiang Kaew」です。
こちらは、先ほどのThe Brickに比べてさらに規模の大きなコワーキングスペースとなっています。大きな樹木や芝が生い茂る緑あふれる環境に、本格的なコワーキングスペースを用意していますので、とにかく環境のよさが目に付きます。
こちらでは、一見したところ欧米人が多く利用しているようです。実際に、コワーキングスペースには大勢の欧米人が真剣に仕事に取り組んでいる姿が見られました。室内は私語厳禁とのことで、とても静かです。また、Wi-Fiやプリンタなど、ノマドワーカーに必要な環境はしっかり整えられていますし、コーヒーや紅茶なども飲み放題となっています。これなら、まわりを気にすることなく、仕事に没頭できそうと感じました。
もちろん、ほかのノマドワーカーとコミュニケーションを取りたいという場合もあるでしょう。そういうときには、屋外に用意されているカフェなどで談笑できるようになっています。実際にカフェ周辺のテーブルでは、多くの欧米人が談笑する姿や、子供連れでPCを開いて仕事をしている姿も見られました。そういった姿を見習って、私も屋外のテーブルでPCを開いてしばらく仕事をしてみましたが、何と言ってもその環境のよさがかなり気に入りました。このような環境で仕事ができるノマドワーカーがうらやましいと感じたほどです。
PUNSPACE Wiang Kaewでは、長期契約のメンバープランの利用が基本となっていますが、1日または1週間のビジタープランも用意されていますので、ワーケーションではビジタープランを利用すればよいでしょう。ビジタープランの利用料金は、1日プランが289バーツ(約997円)で、9時から18時まで利用可能。1週間プランは1699バーツ(約5862円)で、7日間24時間利用可能です。
ワーケション実践には長期滞在型ホテルがお勧め
紹介したようなコワーキングスペースを利用したワーケーションを実践するには、もちろん長期滞在が基本となります。そして、チェンマイには長期滞在を考慮した宿泊施設が充実しています。
今回のツアーで滞在したホテル「カンタリー ヒルズ ホテル」もその1つです。もともと日本人観光客にも人気のホテルだそうで、館内には日本語の案内も用意されていて、安心して滞在できます。
そして、今回滞在した部屋は、リビングルームにキッチンやダイニングスペースが用意されて、ベッドルームも独立した、コンドミニアムスタイルの部屋でした。キッチンには大型の冷蔵庫にコンロ、電子レンジなどが備わっていて、自炊も問題なく行なえるようになっています。また、洗濯機も設置されていて、長期滞在にもってこいの設備が整っていました。
リビングスペースには、大型のテレビに加えてソファとローテーブルが設置されくつろいで滞在できるのはもちろん、PCを開いて仕事もこなせるデスクスペースもあります。もちろんWi-Fiもしっかり完備していますので、ワーケーションの拠点として活用する場合でもまったく問題ないと言ってよいでしょう。
カンタリー ヒルズ ホテルは、どちらかというとい高級なホテルに分類されますので、滞在費も1泊あたり日本円で1万円を超えてしまいます。ただ、館内のプールやジムなども利用できますし、何より環境はかなりよいので、多少コストをかけてでも快適に長期滞在したい場合にお勧めのホテルと言えます。
もちろん、こちら以外にも、チェンマイには多くの長期滞在型ホテルがありますし、よりリーズナブルな宿泊施設も多くありますので、予算に応じていろいろと調べてみることをお勧めします。