旅レポ
ラスベガスの滞在に便利なラグジュアリーホテル「シーザーズパレス」に泊まってみた
2019年4月9日 00:00
日本からの直行便こそないものの、北米西海岸の定番観光地として根強い人気のラスベガス。この春にはJAL(日本航空)の成田~シアトル線やデルタ航空の関空~シアトル線が就航して、西海岸へのアクセスはますますよくなる。年に一度開催される世界最大のエレクトロニクスショー「CES」の時期なら、日本から直行便も運航している。そんなラスベガスで、シーザーズ・エンターテインメントが運営するホテル「シーザーズパレス(Caesars Palace Las Vegas Hotel&Casino)」に宿泊する機会を得た。
シーザーズパレスはラスベガスの大通りストリップの中心部にある老舗ホテルで、5つのタワーに約4000室の客室を擁する巨大な施設。紀元前のローマで終身独裁官となったシーザー(ガイウス・ジュリアス・シーザー)の名を冠するグループの旗艦ホテルでもあり、オクタヴィアスタワーやジュリアスタワー、アウグストゥスタワーなど各タワーにはシーザーやローマ皇帝に関連する名が与えられているほか、施設内の装飾も古代ローマを思わせるテーマパークのような作りで趣がある。
シーザーズパレス
所在地: 3570 Las Vegas Boulevard South, Las Vegas, NV 89109
Webサイト: Caesars Palace
カジノはもちろん、複数のレストラン、プール、スパ、ショッピングモール、コンサートホール、ナイトクラブまであり、日本の宿泊施設の感覚ではちょっと広さが把握できないほど。そのレストランの一つ、ブュッフェの「バッカナル・バフェ」は全米ナンバーワンのブュッフェに選ばれており、ショッピングモール「ザ・フォーラム・ショップス」にはアップルストアやハイブランドが軒を連ねている。4300席のコンサートホール「ザ・コロシアム」はセリーヌ・ディオンのために作られたというから、スケールの大きさが分かろうというもの。
今回記者が宿泊したのは、オクタヴィアスタワーの「Standard Room」。ゆったりした室内には大きなキングサイズベッド、ソファ、ワークデスクなどがあり、バスルームにはシャワーブースのほかに寝そべって浸かることのできる浴槽がある。
ラスベガス観光局などが中心になり、ラスベガスは街をあげてMICE(Meeting:会議、Incentive travel:報奨・研修旅行、Convention:学会・国際会議、Exhibition/Event:展示会・見本市・イベントの頭文字を取った略語で、大規模な集客が見込める催しなどのこと)の誘致に力を入れており、「ゲーミング(カジノ)だけじゃないラスベガス」への変革が加速している。CESに代表されるようなコンベンションに出席する場合、会議や発表会、勉強会などが続いて疲れが溜まりがちだが、特に日本人にはうれしい浴槽の存在と、どっしりした大きなベッド、食事の時間が不規則になっても対応できるブュッフェがあるというのは、レジャーはもちろん、ビジネスユースで大きなアドバンテージだ。このうち、ブュッフェについてはまた別途紹介したい。
最高級ヴィラには2.5m四方のエンペラーサイズベッド
さて、散々大きいとお伝えしてきた客室のベッドだが、記者が宿泊したのは、あくまで一般的な客室。
シーザーズパレスはラスベガスの老舗ホテルということもあり、かなり広いスペースのカジノを併設している。シーザーズの歴史はカジノから始まっており、どんなにMICEが台頭しようと、カジノのサービスがおろそかになることはない。それを象徴するのが、掛け金の高いハイレートエリア(プライベートサロン)の存在だ。
プライベートサロンは一般のカジノエリアから切り離されており、入室にも制限がかけられている。ただ高レートで遊びたいという理由では入室できず、同社のマーケティング担当と事前にコミュニケーションを取ったうえで、はじめて立ち入ることが許可される。
しかしこれは、老舗としての品位と健全なゲーミングのためでもある。シーザーズの担当者は「責任あるゲーミング」と話していたが、シーザーズパレスは1966年開業でラスベガスでも最古参の老舗であり、ラスベガスのカジノ文化を支えてきた自負と責任があるという。
そして、このプライベートサロン同様、実は施設内に限られた利用者しか宿泊できない一角がある。それがシーザーズパレス内に15か所あるヴィラ。今回はオクタヴィアスタワーの奥にあるヴィラを見ることができたが、1泊数万ドル(数百万円)というスイートルームは、各ヴィラごとに900m 2 の広さがあり、最大で8人程度が宿泊できるという。24時間のバトラーサービス、10名ほど着席できるダイニング、ビリヤード台のあるプレイルーム、日本家屋の寝室くらいの広さがあるウォークインクローゼットなど、とにかく圧倒されてしまう。
そして極めつきが、マスターベッドルームに鎮座する「エンペラーサイズベッド」。シーザーはローマ皇帝の称号でもあり、その名に恥じない250×250cmの見たこともないような巨大なベッドだ。枕も大きいので写真ではその大きさが伝わりにくいかもしれないが、当然規格品ではなく、カスタムサイズのものだという。リネンなどもすべて手作りとのこと。
ヴィラのなかは、(照明など)ところどころクラシックな印象を受ける装飾や調度品が設えてあるが、リノベーションで古いものを修復して使い続けているという。ただきらびやかなだけでなく落ち着いた印象を受けるのは、こうした取り組みの影響なのだろう。いずれにしても、これら最高級のヴィラがクリスマスシーズンにはすべて埋まってしまうというから、もう驚くほかない。