旅レポ
青森の魅力凝縮! 「星野リゾート 青森屋」で純青森体験
2019年4月9日 12:30
青森県といえば、ねぶたにりんごに雪深い冬。東北ならではの独自文化が繁栄し、豊かな食材でご当地メニューが味わえる魅力の地。そんな青森県三沢市に2005年「星野リゾート 青森屋」が誕生した。
部屋数は236部屋と規模が大きく、土地自体も公園などを含みかなりの広さ。その広大さを活かし「のれそれ青森〜ひとものがたり〜」(のれそれ=目一杯)をコンセプトに訪れる多くのゲストを魅了している。青森愛たっぷりの地元スタッフが迎えてくれ、「星野リゾート 青森屋」に足を踏み入れた瞬間から「青森を超える青森」が感じられるのだ。
到着した瞬間から青森を感じるおもてなしにワクワク
アクセスは三沢空港から約20分、八戸駅から無料送迎バスで約40分。華やかなねぶたが描かれたボードが見えたらまもなく到着だ。
そのまま敷地内を進み本館へ。エントランスでは「おいでやんせ」の文字がうれしいフラッグが振られ、ウェルカムポニーのそれ君、またはのれ君が出てきてくれる。雪ん子の優しい笑顔で出迎えられ、すでに青森気分のボルテージも上がりっぱなし。
思わず笑顔になるサプライズの後はカウンターでチェックイン。古民家風のロビーでの待ち時間には「りんごもんぺ娘」がりんごジュース入りの八戸焼カップでウェルカムドリンクをサービス。喉を潤しながら一休み。
どこをとっても青森づくしな客室で「八幡馬」とともにのんびり時間
今回宿泊で利用したのは青森の工芸品を随所に取り入れた「あずまし和室」。広さ約43~50m 2 で最大4名まで。畳敷きで靴を脱いでの利用のため家のようにリラックスできるのがうれしい。室内には南部裂織のベッドランナーとタペストリー、枕元では国産ブナを採用した「BUNACO照明」が柔らかな光を放つ。
床の間には青森県南部地方の郷土玩具「八幡馬」のオブジェが飾られている。青森県民と馬は切っても切れない関係で家族のようにともに生きてきており、700年以上前の木彫り馬がルーツとされているそう。館内のいろいろな場所に「八幡馬」が飾られているので、個性の違いを見てみるのも楽しい。またオリジナルのソファ「やっこ椅子」も座り心地抜群。一度座ると動きたくなくなるほどの快適さ。
人気の半露天風呂付きの「あずまし半露天風呂付」も見学。外に向かって青森県木“ひば”を贅沢に使ったお風呂は心地よい香りがあふれリラックス効果抜群。桶の中のりんご柄手ぬぐいもキュート。気に入った場合は「じゃわめぐ売店」にて購入できる。
ほかの部屋同様にこちらにも「八幡馬」が飾られ、南部裂織のタペストリーやベットランナーで青森らしい1部屋に仕上がっていた。
祭りの前にはちょい飲み&ティーブレイク 「ヨッテマレ酒場」でスタートダッシュ
祭りの前には景気付けに1杯。ならば「ヨッテマレ酒場」へ。名前の由来は「寄ってしまえ」と「酔ってしまえ」のダブルミーニング。提灯の光に照らされながらレトロな雰囲気の中、美味しい地酒でほんのり気分になれるはず。
アクティビティならば「ほたて釣り」(1回3分1000円)がベスト。時間制限があるためハラハラドキドキ! 難易度は高めながら最高で3分8匹の猛者もいたとか。釣れなくても2枚つくのでご安心を。釣ったあとはその場で貝焼きにして酒の肴として頬張ることができる。
ちょっと甘いものが食べたいときには「イカコロネ」(1000円)をチョイス。オリジナルの型を使いイカ足を再現したほくほく揚げさつまいもに、サクッとしたパイを耳に。胴体部分にはりんごたっぷりのカスタードクリームがクロワッサンにイン。青森県下北地方のお菓子べこもちもイカ柄と味わいもポップな見た目も花丸なスイーツだ。雪かきスコップ風のスプーンとフォークもかわいい。ぜひ冬季限定の「イカこたつ」と初登場の「子イカこたつ」でぬくぬくしながら味わおう。
「じゃわめぐ広場」で準備万端。浴衣を着込んで祭り気分を上げていく
「ヨッテマレ酒場」のお隣「じゃわめぐ広場」では、縁日を彷彿させるエリア演出でお祭り気分を上げてくれる。「浴衣処いろは」では1回540円で浴衣の貸し出しが可能。スタッフに相談すれば定番から新たな組み合わせまでアドバイスをくれる。
今回は「クールでモダンな雰囲気で」と相談。すると次々と浴衣の柄を提案してもらえ、納得のセットを選ぶことができた。もちろん着たいカラーと柄を尊重してくれるのでお気に入りの1枚を自分で選んでもよい。この時期は綿が詰まった半纏「はんちゃ」と「湯たんぽ」の貸し出しも行なっている。浴衣1枚で寒い場合や外に出る予定の時はセットで借りよう。
浴衣を着込んで準備を整えたなら、「じゃわめぐ広場」を再び“ぱやぱや”(うろうろ)。「じゃわめぐ売店」では工芸品に人気のお土産、りんごなどをチェック。「雪ん子のおうち」を覗いたり、体験受付処「やってみるべ」で翌日のアクティビティを予約するのもよい。予約制の「あおもり工房」で手作りできる工芸品の見本も並んでいるので、気になる地元土産を手作りしてみよう。
さらに毎日20時45分からは「じゃわめぐショー」を特設ステージにて実施。青森民謡の披露やねぶた祭りの「進行」のお囃子で観客も巻き込み盛り上げる。また世界大会でも優勝経験のある「古牧温泉 スコップ三味線部」による演奏も楽しめる。参加するとちょっとしたサプライズもあるのでスコップを奏でてみたい場合は積極的にアピールを。
ディナーはねぶた祭りの熱狂と共に。「みちのく祭りや」で4大祭りを一気見
「星野リゾート 青森屋」に滞在したならば必ず体験&味わいたいのが「みちのく祭りや」のディナーだ。通常夏に開催される青森4大祭り「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」「八戸三社大祭」「五所川原立佞武多」が集結し、1年中楽しめるショーレストランとして話題だ。
エントランスから熱気があふれており、赤い提灯と山車に迎えられ会場へと進んでいく。会場に入ると2006年に実際に使用された山車をはじめ「青森ねぶた祭」「弘前ねぷたまつり」「八戸三社大祭」の3台の山車がステージで出迎えてくれる。
はやる心を抑えつつまずは「お祭り御膳」を味わうことに。同メニューは「お祭り前夜菜」からスタート。「生ハム 貝割れ添え」「スモークサーモンとアスパラ」「小海老のマリネ」「アボガドと鮪の山掛け」「スティック野菜の盛り合わせ(南蛮味噌とディップソース添え)」が一皿に。そして「お造り盛り合わせ」では鮪や帆立、エビに鳥賊、北寄貝や妻物一式がお待ちかね。
続いては「立佞武多 五段セイロ」が登場。高さのある「五所川原立佞武多」をイメージしており、セイロの中には熱々の「牛肉の蒸し物(ちり酢・胡麻たれ)」「帆立バター醤油蒸し」「りんごと豚肉の煮物」「鰈かぶら蒸し 銀あんかけ」。そして炊きたての白飯と青森の食べたいがズラリ。
郷土料理として鶏ガラベースの出汁を醤油で味付け、具材と一緒に南部せんべいを入れた「せんべい汁」も用意。大きな釜で一気に仕上げた青森の味は冬の体に染みわたる。外はふわふわ、中はもっちもちの南部せんべいの仕上がりも最高でおかわりしたくなる1杯だった。
ラストは「甘味」として「カシスヨーグルト大福」と果物盛り合わせがセットに。ちょうど食べ終わったにころステージに明かりがつきだした。
ショーの冒頭では津軽三味線や青森民謡で耳福体験。ピンと張った音色と歌声に酔いしれる。続いてはいよいよねぶた祭りパートへと突入。演者は全員が「星野リゾート 青森屋」のスタッフ。日々の努力と地元っ子だからこそ生み出せるグルーヴ&チームワークで観客を祭りの渦に巻き込んでいく。
4つの地方独特の音色と楽器で奏でられるお囃子の違いも楽しめ、4大祭りを一気に聞き、感じることができる。後半には「青森ねぶた祭」の2台の山車が動き出し、山車にフロアが囲まれる場面も。さらに跳人体験もでき、肌で祭りの熱を感じることができた。ステージ終了後には記念撮影も。山車をバックに花笠を被り思い出の1枚を撮ってみては。
静かに浮かぶ山車を見ながら温泉体験。冬限定の「ねぶり流し灯篭」でじんわり
祭りを堪能したあとは熱いお湯で汗を流しさっぱりしたいところ。ならば大浴場で「ひば湯」と池に浮かぶ露天風呂「浮湯」の冬限定「ねぶり流し灯篭」を眺めながらゆったりしてみては。
青森ひばの爽やかな香りに包まれながら極楽気分の「ひば湯」は「あつ湯」と「ぬる湯」を用意。露天風呂の「浮湯」では「青森ねぶた祭」の起源とも言われる「ねぶり流し」を再現。灯篭流しと同様病魔を払い健康を祈願する習わしだ。池に浮かぶ山車はオリジナルの「毘沙門天」。ねぶた師竹浪比呂央氏が制作を担当している。
雪降るなか、幻想的に浮かび上がる山車と灯篭を眺めながらお湯を堪能する時間は静寂と幸せが一体化し、まさに至福のときだ。
お風呂上がりには、ハンドメイドの雪ん子が「冷凍りんご」を販売する「雪ん子りんご販売機」(1袋100円)へ。左手をぎゅっと掴んで握手をしながらくるくる回すと2個入りの「冷凍りんご」が出てくる。すぐに食べるとカチコチのため約30分ほど解凍して味わうのがお勧め。お風呂上りに最高のデザートだ。
温泉帰りはりんご片手に「八幡馬灯篭回廊」に寄り道。ねぶた制作と同様の手法で生み出された灯篭を眺めながら、自分の部屋へと戻り翌日のプランを練ってみよう。