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飛騨高山にラグジュアリーな拠点が誕生。リブランドした「ヒルトン高山リゾート」に行ってみた

2026年9月14日 開業
リブランド開業した「ヒルトン高山リゾート」

 岐阜県高山市の市街地から少し離れた小高い丘の上で、「ヒルトン高山リゾート」(岐阜県高山市越後町1134)が9月14日にオープンした。1994年7月に開業した「ホテルアソシア高山リゾート」をリブランドしたもので、JR東海ホテルズが運営する。

 ホテルの外観に大きな変化はないものの、エントランス、ロビー、客室はデザインを刷新。スイートルームは“NEO民藝”をコンセプトにし、1部屋を2部屋に変更するなど間取りも大きく変更し、従来の2室から5室へ増やした。客室やレストランは既存の家具やオブジェも活かして新旧の融合を図ったとのこと。また、ヒルトン会員「ヒルトン・オーナーズ」のダイヤモンド会員と、エグゼクティブルーム、スイートルームの宿泊者専用のエグゼクティブラウンジを新設するなどしているという。

JR+シャトルバスでホテルへ

 ヒルトン高山リゾートは、JR高山駅から南に約2kmの山の中腹にある。JR高山駅からはヒルトン専用シャトルバスで約10分。自動車で向かう場合、関東方面からは松本から安房峠を超えて、また中部や関西方面からは東海北陸道経由でのアクセスが良好だ。

 筆者は普段、撮影機材の持ち運びなどを考えて、取材先へは自動車で出かけることが多いが、今回はあえて鉄道(JR東海 高山本線)を選択。理由は2つで、駅からのシャトルバスが便利そうなことと、JR高山本線を走るHC85系「特急ひだ」に乗ってみたかったからだ。「特急ひだ」は、大阪・名古屋から岐阜を経由して高山、飛騨古川、富山を結ぶ列車で、HC85系はJR東海がはじめて運行するハイブリッド気動車(HCはHybrid Car)だ。

HC85系「特急ひだ」

 列車は岐阜駅を過ぎ木曽川沿いに東進し、美濃太田からは飛騨川沿いに北進する。HC85系のエンジン音や乗り味はディーゼル列車そのものだが、減速時にはバッテリーへの回生充電を行なっている様子がモニターで確認できる。

 美濃太田を過ぎると、高山までの大半が深い山と渓谷を進む山岳路線で、ときおり車内放送で車窓の紹介も行なわれる。飛騨地方を訪れるインバウンドは昨年約100万人に達したが、その多くはこの列車を使用しているという。飛騨高山の観光とあわせて、その道中でも日本の山岳美を楽しめることは、旅の印象をより強くする一因となるに違いない。

高山駅からホテルまではシャトルバス利用が便利(要予約)

 JR高山駅からヒルトン高山リゾートへはシャトルバス利用が便利だ。バスは西口から発着する。歴史ある街並みなど、高山観光のメインルートである東口ではないので注意。バスまでの動線は屋根があるため、悪天候時でも濡れずに乗車できる。なお、シャトルバスは、日中は1時間に1本、朝夕は1時間に2本程度運行しており、ホテル滞在中に高山観光に出かける場合にも使いやすい。もちろん、駅まで散策がてら歩いてみるのもいいだろう(約3km)。

 シャトルバスは路線バスタイプの車両のため、乗降の際の段差が低く、スーツケースなどの大きな荷物を乗せやすく、車椅子(2台)にも対応している。乗車時間は時間帯や交通状況にもよるが、8分程度だった。高山の街並みを外れ、上り坂に差し掛かって数分でホテルに到着する。

バスに乗ること約10分、緑豊かな高台にたたずむホテルに到着
駐車場も広く出し入れは自由で、観光にも足を伸ばしやすい。EV充電スポットも完備

「高山の祭」をコンセプトにしたロビー

 ホテルのエントランスでは、飛騨らしさを感じさせる意匠が出迎えてくれる。正面には、合掌造りの屋根の骨組を藁縄で固定する「結束」をモチーフとしたオブジェが飾られ、続くロビーには高山祭の祭屋台や手筒花火などをモチーフとした意匠が施され、地域の伝統を取り入れた空間が広がっている。

 チェックインカウンターは椅子に座って手続きができるシッティングスタイル。なお、エグゼクティブルーム、スイートルームの宿泊客と「ヒルトン・オーナーズ」(ヒルトン会員)のダイヤモンド会員は、後述するエグゼクティブラウンジでのチェックイン/チェックアウトも可能とのこと。

エントランスホール。縄を結んだオブジェは合掌造りの結束をモチーフとしたそう
開放感あふれるロビーは落ち着いたたたずまい。照明は手筒花火をイメージしたものだそう
カウンターはシッティングスタイル

ゲストルーム

 ヒルトン高山リゾートの客室は35m2のゲストルームと46m2のデラックスルームを中心に、スイート5室を含む全10タイプ、計283室(開業時点では全91室を提供し、その後順次改装を進め、2027年春に全283室で営業予定。そのため予約できる客室数も時期によって異なる)を提供する。

 室内は飛騨の伝統や北アルプスの自然から着想を得たデザインに、開業時から使い込まれた飛騨家具のほか、飛騨刺し子をモチーフとした意匠をクロスやカーペットなどに取り入れており、高山らしい温もりを表現している。特にスイートルームは、地域の民芸の美しさを現代的にアレンジした“NEO民藝”をデザインコンセプトに家具やアートワークを配している。

 全室共通の仕様として、窓は南東を向いており、近くには高山の街が、晴れた日には遠くに北アルプスの山々が見渡せるようだ(が、内覧の日は残念ながら遠くに雲がかかり見えなかった)。

 客室は50インチのサイネージ兼用大型テレビがあり、ベッドサイドの左右にはAC100VとUSB Type-A(5V2.4A)とUSB Type-C(60W)がある。60WのType-Cは現代のノートPCにも給電できるほどの出力だが、客室のテーブルは低く、またベッドサイドから距離もあるため部屋でのPC作業には向かない。どうしてもPCを使う必要があるのなら、3m程度のUSB Type-Cケーブルを持参したい。もっとも、リゾートホテルは仕事をする場所じゃないと言われればそれまでだが……。

 コーヒーメーカー、湯沸かしポットとコーヒー、お茶のパッケージ、冷蔵庫、そして無料のミネラルウォーターのボトルがあり(館内には飲料の自販機、アイスディスペンサーもある)、アメニティには爽やかな香りの「クラブツリー&イヴリン」を用意。デンタルキットやシェービングキット、コームなどはおそらく再生可能素材を使用したもので、紙袋に梱包されている。

 そのほか、室内着として作務衣を、さらに下駄、足袋までも用意している。作務衣、下駄と足袋は大浴場へ向かう際に利用すると、温泉旅館か外湯にでも出かけた気分になって気分も高まる。

スタンダードツイン・スタンダードキング

スタンダードツイン(35m2
スタンダードキング(35m2
この部屋に限らず全客室の窓が南東側を向いていて眺望が素晴らしい
テーブルに置かれていた眺望の説明を窓に当ててみた。晴れた日には日本百名山の山々が見えるそう
テーブルなど調度品の一部は開業当時からの飛騨家具を使用。使い込まれた風合いがホテルの歴史を物語っている
バス、トイレは余裕のある広さで、アメニティも機能的にまとめてある

デラックスツイン

デラックスツイン(46m2
洗面台が2つあるなど、忙しい朝の準備も快適に進められる

デラックススイート

デラックススイート(70m2
リビング。飛騨家具や飛騨刺し子をモチーフにした絨毯の模様など、飛騨を感じさせる意匠が随所に
ベッドルームはリビングと隔てられている。窓も大きく開放感を高めている
ラグジュアリーな客室にふさわしいバス、洗面。使い勝手もよさそうだ

プレミアムスイート

プレミアムスイート(90m2
リビング。調度品などの素材は飛騨産を多用しているという
ベッドルーム
バス、洗面。室内はこのほかにウォークインクローゼットがある
リビングの窓。やはり最上階は見晴らしがいい

 アメニティは、ヒルトンで提供されるシャンプー、コンディショナー、ボディウォッシュなどのほか、デンタルキット、シェービングキット、コーム、コットン、そしてシャワーキャップとスキンケアセット。

ダイニング・レストラン・バー

 館内には、ダイニングルーム「VISTAS(ヴィスタス)」、日本料理「和氣(わき)」、鉄板焼「岳(がく)」、ラウンジ&バー「SCENERY(シーナリー)」の4つのレストラン(+ルームサービス)がある。いずれも飛騨高山の厳選された食材を使用し、一流の料理人の手によって調理された逸品。飛騨の伝統料理など、普段口にすることのないものもぜひこの機会に味わいたい。

ダイニングルーム「VISTAS(ヴィスタス)」・鉄板焼「岳」

ダイニングルーム「VISTAS」

「VISTAS」では、開放的な景色とともに食事が楽しめる。料理のコンセプトはNATUREとFUNで、四季の食材を味わう楽しさを提供する。ドリンクも飛騨高山のワインや日本酒のほか、ビール、カクテルなどを用意する。また、「岳」では飛騨が誇る至高の食材「飛騨牛」をはじめ、旬の魚介と野菜を使用し、ライブ感あふれる空間で五感を満たす時間を過ごせるという。

VISTAS

席数: 156席
営業時間:
[朝食]7時~10時
[ランチ]11時30分~14時(予約制、コース料理のみ)
[ディナー]17時~21時

席数: 14席(全カウンター席)
営業時間:
[ランチ]11時30分~14時
[ディナー]17時~21時

VISTASは朝食、ランチ、ディナーで利用できる
ディナービュッフェ(大人6800円)の一例。飛騨高山の恵みをふんだんに使用した料理が並ぶ
高山ラーメン、ローストビーフ、握りは眼の前で仕上げてくれる。いずれも絶品!
VISTASで提供するフレンチのコースの一例。飛騨の四季が堪能できる
デザートも多種類を用意。ワゴンサービスで届けられ、好きなものを好きなだけいただけるとのこと
洋食料理長 上杉浩一氏。「飛騨高山の魅力を料理に込めました。世界と飛騨高山をつなぐ、この場所ならではの食体験をご提供します」とコメント
朝食ビュッフェ。朴葉味噌や飛騨の惣菜など地域の食材もふんだんに
朝食ビュッフェのサラダコーナー。ドレッシング、チーズ、ヨーグルトなども豊富に揃える
ビュッフェ以外に、アメリカンブレックファーストも用意。パンとドリンクは好きなだけ食べられる
こちらは鉄板焼「岳」で朝食のオムレツを調理する様子。眼の前で仕上がっていく様子も楽しみたい

日本料理「和氣(わき)」

日本料理「和氣」。この「SAKE Bar」では寿司や飛騨牛、地酒が愉しめるという
こちらはテーブル席。日中、窓際の席からは美しい庭園が眺められる

 和食と地元の銘酒を提供する「和氣」。飛騨高山の豊かな自然が育んだ四季折々の食材と、日本海から届く新鮮な海の幸を使用した日本料理を楽しめる。ランチ、ディナーのほか、日帰り温泉付きランチなどの専用メニューも用意するとのこと。高山市内を流れる宮川から着想を得たという、日本庭園のようなバーカウンターも必見で、筆者も(酒が飲めたなら)ここでゆっくりと地酒を味わいたいと思う。

和氣

席数: 152席
営業時間:
[朝食]7時~10時
[ランチ]11時30分~14時
[ディナー]17時~21時

ディナー会席「和氣-WAKI-」(3万3000円) ※3日前までに要予約
ランチツアー御膳の一例。団体バス旅行などの昼食に組み込んだ際のメニューで、予算や希望によってアレンジできる
和食料理長の竹田輝好氏。「水が育む飛騨の山里の恵みと日本海の海の幸を料理に表現しました。水の情景を映し出す器にもこだわり、一皿ごとに物語を感じていただけるよう仕立てています」とコメント

ラウンジ&バー「Scenery(シーナリー)」

大きなガラス面から柔らかな陽光が差し込む「Scenery」

「Scenery」は建物の北西に面しているため直射日光が入らないかわりに、水が流れる石積みの斜面に当たった陽光が反射して、大きな窓を通して店内に柔らかい光を届けている。この麗らかな明るさが店内を優雅に演出していた。この計算された明るさのもとで、こだわりの紅茶やコーヒー、ケーキやアフタヌーンティーがいただけるとのこと。

 また、まるで隠れ家のようなバーエリアがあり、飛騨山椒を使用した「ジントニック」や、ヒルトン発祥の「ピニャコラーダ」をアレンジした「フローズン・飛騨コラーダ」などのシグネチャーカクテルを用意するという(かえすがえすも、酒が飲めないのが残念だ……)。

Scenery

席数: 62席
営業時間: 10時~23時(18時以降はバーのみ)

石積みの斜面を涼しげに水が流れる。リブランド開業にあたり石を磨き植栽を美しく整えたとのこと
シードルのムース、スコーン、セイボリーなどが楽しめるアフタヌーンティー。紅茶はもちろん、コーヒーもオススメ
個性的なウィスキーを取り揃えるバー。芳醇な香りと味わいを、落ち着いた空間で楽しめそうだ
店内は山小屋のような意匠と照明でまとめている

エグゼクティブラウンジ

 ヒルトン高山リゾートのリブランド開業にあたり、エグゼクティブラウンジが新設された。こちらはエグゼクティブルーム、スイートルームの宿泊客と「ヒルトン・オーナーズ」(ヒルトン会員)のダイヤモンド会員限定のみが利用できるラウンジで、チェックイン/チェックアウト、朝食、アフタヌーンティー、イブニングカクテルなどのサービスを利用できる。

 元は複数の会議室が並んでいた場所だそうで、そこをつないで広大な空間を確保した。内装は高山の伝統的な建築技法の一つ「継手」をモチーフとしながらも現代的な空間として仕上げているとのことで、椅子には岐阜県産材の飛騨家具を、クッションに飛騨牛の牛革を使っている。心地よいインテリアと抜群の眺望で、ワンランク上のリラックス体験ができる。

エグゼクティブラウンジ
朝食ビュッフェからイブニングカクテルまで、時間帯にあわせた食事やドリンクを提供する
ドリンクは、ソフトドリンク(ホット・アイス)はもちろん、ビールや地酒なども用意
インテリアも上質。例えばチェアは飛騨家具で、クッションには飛騨牛の牛皮を使用している

天望の湯 温泉テラス

 筆者に限らず、滞在中の楽しみは風呂! 温泉! 大浴場!という人は多いはず。筆者はネット時代になる前の90年代前半から、大判の時刻表の巻末にあったホテル・旅館一覧のごく短い紹介文から「客室数」と「露天風呂有」などで宿を選んで飛び込みで宿泊をしてきた。宿をネットで吟味できる今になっても、複数の候補が残れば最終的に浴場で選んでいる。その意味でも、ヒルトン高山リゾートは大満足できる施設だ。

 大浴場「天望の湯」は、7階「天の湯」と6階「望の湯」で男女に分かれている。もちろん天然温泉で、広い露天風呂が複数と、冬季に体に優しい内風呂、サウナなどを備えている。はやりのインフィニティバスもあり、北アルプスの雄大な自然を眺めながらリラックスした時間を過ごすことができる。

 また、個室温泉も4室あり、家族やカップルでのプライベートなひとときも楽しめる。宿泊者以外の日帰り入浴も可能(7時~11時、13時~21時、大人1500円、小学生600円、3歳~未就学児400円)で、食事とセットになった日帰りプランもあるので、高山観光の休憩先の1つとして覚えておきたい。

眺望抜群の「天の湯」
インフィニティバスは開放感も◎!
双眼鏡も設置してあり、高山市内から北アルプスの山々まで遠望できる
寒さが厳しい冬季にありがたい内風呂。サウナ、水風呂も完備
脱衣所は広く、洗面台やドレッサーも機能的に配置している
暖かい季節の湯上がりにとても気持ちよさそうなリラクゼーションチェア
個室温泉は全4室(予約制:45分4400円~)
ファミリーやカップルなどで、プライベートなひとときを

そのほかの館内施設

 内覧会では宴会場やショップなども見学できたので、一気に紹介。

 このホテルは1994年に開業しており、当時のホテルでは当たり前だった設備の一部はリフォームされているが、大きな宴会場などの施設も残っている。宴会場は、大きいものから「神楽」(500m2)、「鳳凰」(280m2)、「櫻」(和室・106m2)、「麒麟」(96m2)4つ、またミーティングルーム(70m2)も1室ある。

 また、24時間利用可能の「フィットネスセンター」を新設。ファミリーが気兼ねなく楽しめる「キッズコーナー」「カラオケルーム」などのアミューズメントもあり、カラオケは人気とのこと。また、ロビーに隣接してギフトショップ「and T」があり、ヒルトンオリジナル商品のほか、飛騨高山の民芸品や地酒、飛騨牛や高山ラーメン、菓子類などのお土産も多数揃えている。

宴会場「神楽」(500m2、収容200名)
宴会場「櫻(和室)」(106m2、収容40名)
フィットネスセンターは24時間利用可能
カラオケルームは2室。外国人にも好評で、いずれも「高稼働」だそう
キッズコーナー
リゾートホテルではめずらしいランドリールーム。長期旅行の際にはありがたい設備だ
1階ロビー奥にあるショップ「and T(アンドティー)」
日本酒は試飲して購入できる。そのほかのお土産も充実

開業セレモニー

 9月14日午後、ヒルトン高山リゾートの開業記念セレモニーが催された。

 主催者を代表したJR東海 代表取締役社長の丹羽俊介氏は、飛騨高山は伝統的な街並み、工芸品、美しい自然、そして歴史に裏付けられた文化といった多彩な魅力にあふれる日本でも有数の観光地であると前置きし、「高山本線を利用して多くの方々がこの地を訪れてくれることはJR東海社長として本当にありがたい」と話した。

 また、今回はJR東海グループとして初めてのヒルトンブランドのホテル開業となるが、この地でのホテル運営は(アソシア時代から)30年以上行なってきており、地域と深い関係を築いてきたと丹羽氏。こうしたつながりやおもてなしの経験と、ヒルトンの世界水準のホスピタリティを組み合わせることで、多くの旅行者により魅力的な滞在価値を提供していきたいという。

「このホテルが、世界中からこの地を訪れるお客さまと、この地域の皆さまをつなぐ、いわば新しい交流拠点となって、さらに高山が発展していくためのお手伝いができればと思っております。JR東海グループは鉄道事業を通じて、多くのお客さまを運ぶ役割を担っております。沿線の魅力をさらに上げることで、この高山に貢献してまいりたいと考えております」と締めくくった。

東海旅客鉄道株式会社 代表取締役社長 丹羽俊介氏

 ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区代表のジョセフ・カイララ氏は、直近のコンラット名古屋、そしてヒルトン高山リゾートの開業は東海地域におけるヒルトンの勢いを示すものであり、日本全国の観光振興への当社の強いコミットメントを体現していると述べた。

 また、高山には世界中の旅行者が本物の日本を感じられる場所、そして日本の文化遺産との深い結びつきを求めて訪れていると述べ、「高山の雄大な自然美と豊かな文化遺産をさらに多くの旅行者に紹介し、地域の魅力を末永くお届けできることを楽しみにしております。また、この地域の観光需要の拡大と経済成長に貢献してまいります」と話した。

ヒルトン 日本・韓国・ミクロネシア地区代表 ジョセフ・カイララ氏

 岐阜県知事 江崎義偉氏は、2025年に岐阜県を訪れた観光客のうちインバウンド約200万人のおよそ半数が高山市を訪れており、岐阜県のインバウンドを牽引するきわめて重要な地域であると紹介。さらに2026年7月に富山空港の愛称が「富山高山すし空港」となったことをうけ、これまで飛騨高山を訪れた外国人は主に名古屋から北上するルートをメインとしてきたが、今後は富山から南下する新たな流れも生まれ、飛騨高山はますます活性化すると期待をにじませた。

 さらに旅行者の価値観が、その土地ならではの文化や暮らし、人々との交流を求めるものに変化していることから、「本ホテルの開業を通じて、この地域の魅力が国内外のお客さまに広く発信され、一層価値が高まっていくことを大いに期待しております。県としましても、皆さまと国内外からより多くのお客さまをお迎えできますよう、観光基盤の充実や体験プログラムの充実などによる地域の魅力発信に努めてまいります」と話した。

岐阜県知事 江崎禎英氏

 続いて、ヒルトン高山リゾートの門出を祝し、高山市副市長 清水雅宏氏らによる「めでた」が披露された。この「めでた」とは、飛騨地方のお祭りや宴会で奉納される祝い唄。人々の絆を祝い、永遠の幸福と繁栄を願って唄われるという。起源は定かでないらしいが、江戸時代後期に流行した記録が残るそうだ。

ヒルトン高山リゾートの開業を「めでた」で祝う。中央は高山市副市長の清水雅宏氏
セレモニーの締めくくりに、列席者らによるテープカットが行なわれた

 セレモニーの終了後、ヒルトン高山リゾート総支配人 久保儀一氏と、ヒルトンのジョセフ・カイララ氏が囲み取材に応じた。

 カイララ氏は、このホテルの最大の魅力はロケーションにあるという。ヒルトンブランドの一員とすることを決断した理由もここにあり、名古屋からの車窓の素晴らしさ、古い町並みが広がるエリアまでの距離の近さともあわせて、最高のロケーションだと評した。また、ホテルのスタッフのサービスや笑顔、ホスピタリティにも非常に心を動かされたと述べ「日本のおもてなしというのを求めて来られるお客さまはこのホテルで必ずそういったおもてなしをしていただけると確信しております」と話した。

 久保支配人は、30年以上アソシアで培ってきた経験と自信と誇りを活かし、それにヒルトンブランドのホスピタリティを重ね合わせて、よりお客さまに喜んでいただくことを全従業員で共有していると明かした。また、アメニティなどヒルトンのブランドスタンダードのものに加えて、飛騨刺し子の図柄をクロスや絨毯にあしらうなど、地域の特色やいいものを積極的に取り入れていると述べた。

 久保氏は「地域のいいものを取り入れていないホテルが地域で一番になることは難しいと考えています。地域のことをもっと知り、自分たちがこの土地で感動したもの、美味しいと思うもの、大切な人を連れて行きたいという場所を、常に自分たちが感じることが大切です。ただホテルに泊まって高山を軽く見て帰るだけでなく、ホテル側から高山のいいところをもっと発信していいきたいと考えております」と話した。

囲み取材後、握手を交わすヒルトン高山リゾート総支配人 久保儀一氏とジョセフ・カイララ氏