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東京~羽田が直行18分「羽田空港アクセス線」トンネル工事いよいよスタート! 地中40mまで掘り進む巨大マシン「はるとん」の拠点を見てきた

2026年11月6日 公開
羽田空港アクセス線(仮称)のシールドトンネル工事がまもなくスタート

 JR東日本は11月6日、羽田空港アクセス線(仮称)シールドトンネル工事を報道公開した。現場は東京貨物ターミナル横に位置するシールドマシンの起点方立坑周辺。ここから羽田空港までの約5.0kmは「アクセス新線」と呼ばれる区間で、東京側約2.3kmがJR東日本、羽田空港側からの2.4kmは空港整備事業として国(関東地方整備局)が土木函体の整備を行なう。起点方立坑、終点方立坑の両側からシールドトンネルを掘り進め京浜運河の下、地中40mの地点で地中接合を行なう。開業は2031年度が予定されている。

 羽田空港アクセス線(仮称)は羽田空港と東京(東山手ルート)、新宿(西山手ルート)、千葉方面(臨海部ルート)を結ぶもので、現在着手している東山手ルートとアクセス新線は、既存の橋りょうや高架橋などを有効活用。東京駅と羽田空港を直結することで乗り換えを不要とするとともに、現在の30分程度から約18分まで所要時分を短縮する。同時に宇都宮線や高崎線、常磐線方面からの所要時間短縮や乗換解消・低減など広範なエリアからの空港アクセス改善も実現する。

羽田空港アクセス線(仮称)

工事区間: [起点]港区芝浦1丁目、[終点]大田区羽田空港3丁目
工事延長: 約12.4km
構造形式: トンネル(シールドトンネル、開削トンネル)、高架橋、地平、擁壁(掘割)
対象駅(停車駅): 羽田空港新駅(仮称)、[駅構造]複線地下式 島式プラットホーム 1面2線]
概算工事費: 約2800億円(※)
開業予定: 2031年度
※概算工事費には国の空港整備事業のうち、JR東日本に関係するトンネル本体などの工事費(約700億円)を含む

羽田空港アクセス線(仮称)マップと概要
羽田空港の歴史と利用者推移
羽田空港アクセス線(仮称)の開通により期待される効果
ルートマップ
アクセス新線
羽田空港新駅(仮称)

外形11.8m、奥行12.7mのシールドマシン「はるとん」が地中を進む

 今回、公開された起点方立坑はシールドマシンを組み立て、ここからトンネルを掘り進めるいわばスタート地点。「はるとん」(Haneda airport Access Line Tunnelの頭文字)と愛称がつけられたシールドマシンは、この4月から組み立てが開始され10月に完成、11月16日からいよいよ稼働するという。

 シールドマシンは回転する前面で掘削し、掘り進めながら後方ではトンネルの壁となるセグメントを組み立て、さらにセグメントを足場にして前に進んでいく工法。はるとんは「泥水式シールド」を採用しており、地上から泥水を送りつつ掘削し、掘削した土を泥水に混ぜ廃泥水として地上まで流体輸送する。また、今回はセグメントの組み立てと推進を同時に行なう「ロスゼロ工法」を採用することで工期短縮を実現する。

 完成したトンネルは外形11.6m、内径10.6mで複線の線路と下部に避難通路が設けられる。掘削スピードは1日およそ10mで、1年をかけ地中接合地点まで到達する予定。掘削完了後は現地で分解され、搬出される。

シールドマシン「はるとん」。サイズは外形11.8m、奥行12.7m(JR東日本提供)
前面。1分で1回転(JR東日本提供)
土を掘るビット。A4の紙の上に余裕で収まるぐらいのサイズ感
イメージキャラクターも
シールドトンネルの概要
平面図および断面図
前方から見たシールドマシン
後方から見たシールドマシン
シールドマシン後方には各種設備を搭載した台車が10台つながる
セグメント。外周は9セグメントでひとつのリングが構成される。リングの幅は1.8mなので1263リングで約2.2km分になる
シールドマシンが設置される前の起点方立坑(JR東日本提供)
組み立て中のシールドマシン(JR東日本提供)
掘削目前の状態(JR東日本提供)
取材日の状態。見て分かるように土被りが約4mほどしかなく既設線路にも近いため(右手架線柱がある部分)気を遣うという
横から
前面はもう見えない
奥に見えるクレーンでセグメントを下ろす
起点方立坑から東京方面の眺め。奥にレインボーブリッジ、右手にりんかい線の車両基地、建物で見えないが左手が東京貨物ターミナルになる
シールドマシン後方
もう少し近くから
ジャッキ部分
セグメントがないスタート時はジャッキと右手に見える門型の土台に鋼材を挟むことで前進する
セグメントの模型。左側の半円が中に納まるイメージ。青い部分が線路、その下が避難通路
セグメント。実物は幅1800mm。厚さ500mm
リングを構成するための接手
リングを繋げていく接手
シールドマシンにつながる台車を後方から。運転管理室や制御盤、作動油タンク、水タンクなどが連なる
台車は最終的には10台で約100mにもなる
現在はNo1~No5の5台が連なっており、掘削が進むにつれて残りを組み立てていく。写真は最後方のNo5台車
No3台車から後方の眺め
中央(写真左側)にセグメント運搬台車「MSV」がある。こちらは全長17.2m
起点方立坑より東京側は開削トンネル
入り口付近は天井の空いたU型擁壁
人が歩いてる少し先からが四角い筒状のボックスカルバート、その先に起点方立坑がある。下り勾配は34.5‰とかなりきつい斜度になっている
空港外工区におけるシールド工法の解説

そのほかの区間の進捗状況

 今回公開された場所以外でも田町駅周辺での線路切り替え、既設橋梁の修繕、東京貨物ターミナル内での線路敷設などが進行しており、現状では予定どおりの開通見込みになっているとのこと。

田町駅周辺。現在は第1回線路切り替えまで済んだ状態
東海道線から新幹線を潜るトンネルも掘削される
工事桁の仮設(JR東日本提供)
仮橋脚の打設(JR東日本提供)
旧大汐線の改修も行なわれている
芝浦第2高架橋の施工前(JR東日本提供)
ジャッキダウン後。2.3m下げられている(JR東日本提供)
若潮橋梁は再塗装された(JR東日本提供)
東京貨物ターミナル
留置線などが整備されている
施工前後(JR東日本提供)

 現場公開後に東日本旅客鉄道 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス 羽田プロジェクトセンター センター長 山﨑聡氏、および同マネージャー総括 小泉秀之氏による囲み取材が行なわれた。

 山﨑氏は今回の開通について「東京駅とダイレクトに繋ぐことができるのが非常に大きいと思っております。例えば東山手(ルート)でありますと、現在の東海道線に繋がることによって東京駅、あるいは東京中央部と直接お乗り換えいただくことなく羽田空港に到着できるというところは非常に大きい」と述べるとともに、東京の国際競争力の強化、羽田空港の機能強化にも寄与できるのではないかと結んだ。

東日本旅客鉄道株式会社 東京建設プロジェクトマネジメントオフィス 羽田プロジェクトセンター センター長 山﨑聡氏(写真右)、同マネージャー総括 小泉秀之氏