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ANA、アバター事業を進める「avatarin(アバターイン)株式会社」を設立

ANA初のスタートアップ企業

2020年4月1日 設立

ANAHDは「avatarin(アバターイン)株式会社」を設立した。左から社外取締役 津田佳明氏、代表取締役CEO 深堀昂氏、取締役COO 梶谷ケビン氏

 ANAHD(ANAホールディングス)は4月1日、これまでデジタル・デザイン・ラボのプロジェクトとして進行していた「アバター」を、社会インフラ化し事業として立ち上げる「avatarin(アバターイン)株式会社」を設立した。ANAHD初のスタートアップ企業になる。

 代表取締役CEOには深堀昂(ふかぼり あきら)氏が、取締役COOには梶谷ケビン(かじたに けびん)氏が就任する。

2月26日~28日に、訪日外国人向け総合観光案内所「JNTO TIC(ツーリスト・インフォメーション・センター」で、遠隔地から観光案内サービスを提供する「遠隔操作営業の実証実験」を実施した

 2016年10月に米XPRIZE財団主催のコンペティションでグランプリを受賞したことをきっかけに、高性能アバターを開発する賞金総額10億円の国際賞金レース「ANA AVATAR XPRIZE」がスタート。2018年に正式に「アバタープロジェクト」を立ち上げ、さまざまなアバターの実証実験を産官学で進めると同時に、将来に向けたアバターの社会インフラ化をビジョンで表わした「ANA AVATAR VISION(エーエヌエーアバタービジョン)」を発表。2019年に「アバター準備室」で事業化の準備を進め、正式に事業会社を設立することになった。

 今後、世界中から各分野のエキスパートを積極的に採用し、アバターに関するサービス、テクノロジー、リサーチのさらなる強化、パートナー連携、外部資金調達などをとおして、新規市場の開拓をスピーディに行なうとしている。

 新型コロナウイルスへの対応として、遠隔でのコミュニケーションを必要としている医療施設などに、独自開発した普及型コミュニケーションアバター「newme(ニューミー)」を優先して提供。すでに一部の大学病院や医療法人への提供を開始しているが、必要に応じて提供先を順次拡大するという。

 今後は、アバターを社会インフラとして、医療、介護、教育、ショッピング、鑑賞、観光などのさまざまな用途で利用可能なサービスを展開していく。