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レストラン「ひらまつ」のホテルが京都に進出。「THE HIRAMATSU 京都」3月18日開業

京都の中心「室町通り」に29室。割烹とイタリアンを併設

2020年2月20日 発表

2020年3月18日 開業

ひらまつは3月18日に都市型ラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 京都(ざ・ひらまつきょうと)」をオープンする

 レストラン、カフェ、ウエディング、ホテル事業を手掛けるひらまつは2月20日、都内で発表会を開いた。

 執行役員 営業企画部 ディレクターの植杉かおり氏、営業企画部 PRブランディング マネージャーの村山讓治氏、ホテル事業部 部長の大下淑典氏が、3月18日に開業予定の都市型ラグジュアリーホテル「THE HIRAMATSU 京都(ざ・ひらまつきょうと)」について説明した。

「THE HIRAMATSU 京都」の外観
京都駅、二条城、京都御所、八坂神社のほぼ中央に位置する「THE HIRAMATSU 京都」
「THE HIRAMATSU 京都」の宿泊料金
ひらまつ「THE HIRAMATSU 京都(ざ・ひらまつきょうと)」概要

開業日: 2020年3月18日
所在地: 京都市中京区室町通三条上る役行者町361
アクセス: 京都駅からタクシーで約15分、京都市営地下鉄 烏丸御池駅から徒歩で約3分
建物: 5階建
設計・監修: 中村外二工務店(京都市北区)
客室数: 29室(54.8~104.4m 2 、全室ツイン、ジェットバス付き)
付帯施設: 割烹、レストラン、ラウンジ
Webサイト: THE HIRAMATSU 京都

株式会社ひらまつ 執行役員 営業企画部 ディレクター 植杉かおり氏
株式会社ひらまつ 営業企画部 PRブランディング マネージャー 村山讓治氏
株式会社ひらまつ ホテル事業部 部長 大下淑典氏

5軒目の「THE HIRAMATSU 京都」は初の都市型ラグジュアリーホテル

 平松博利氏により1982年、東京・西麻布のフランス料理店「ひらまつ亭」から始まったひらまつは、38年間で全国にレストランを展開。カフェやウエディングなどにも進出している。

 そのひらまつが2016年にホテル事業をスタート。7月15日に三重県・賢島にリゾートホテル「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」、10月27日に熱海に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」を、12月27日に箱根仙石原に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」を、2018年7月14日には沖縄県・宜野座に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 宜野座」を開業。

「レストランで培ったサービス、料理を、レストランという枠を越えて、旅においても記憶に残る時間・思い出を提供することがTHE HIRAMATSU HOTELSの出発点。『滞在するレストラン』をコンセプトに、ホテル・旅のあり方に新しいスタイルを少し投げかける、創出することができたのでは」と植杉氏は語る。

 これらリゾートホテルスタイルの4軒に続いて、初の都市型ラグジュアリーホテルとして開業する「THE HIRAMATSU 京都」は、THE HIRAMATSU HOTELSの「新しいステージ」「新しい提案」になるという。

これまで、2016年7月15日に三重県・賢島にリゾートホテル「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 賢島」、10月27日に熱海に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 熱海」を、12月27日に箱根仙石原に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 仙石原」を、2018年7月14日には沖縄県・宜野座に「THE HIRAMATSU HOTELS & RESORTS 宜野座」を開業してきた

「京都人にはプレッシャーを感じること」だが「このホテルはそんなにいじめられへんと思う」

「THE HIRAMATSU 京都」では、従来の「滞在するレストラン」というコンセプトをベースにさらに「街の記憶を育む宿へ」というコンセプトが加わる。そこにはその土地、その街が持つ記憶をとどめるような都市型ホテルを、ひらまつの解釈で想像する、そんな思いをこのホテルに込めていると村山氏は説明する。

 キーワードは「京都をしつらえる」。しつらえるとは「用意する」「準備する」という意味で使われるが、語源は平安時代の寝殿造にあるとのことで、「古くからある迎える側がお客さまを大事に思い、ととのえていく感覚。京都の新しいホテルをそういう気持ちを込めてしつらえた」という。

 京都の中心を南北に通る室町通りに面しており、京都の面影を残す街並みのなかで、「由緒正しい土地に敬意を表し、江戸時代から残る京町家を崩すことなく、一方で現代のホテルの心地よさを併せ持つホテルにしつらえる」ために、京都を拠点き、現代数寄屋建築で国内外から高い評価を集める中村外二工務店に建物の総合監修を依頼。会では中村外二工務店 代表/数寄屋大工棟梁の中村義明氏のインタビュー動画が紹介された。

中村外二工務店 代表/数寄屋大工棟梁 中村義明氏

「京都ははんなりしていなければならない」と話す中村氏は、「はんなりは洗練された上品な明るさ、はなやかさ」であると意味を説き、京都の建築は小さい玄関から奥へと段々と大きく広がっていくところに特徴があると紹介。大きな玄関で、入ると建物内部がすべて見渡せるようなつくりではなく、玄関を入ると前室なり取り次ぎがある。そして続く導線も入って、曲がって、入って、曲げてとそのたびに異なる表情を見せて、それが「絵巻物の考え方」であり、日本の平面構成、平面図であると語る。

 中村氏は室町通りのホテルを担当することに「京都人にはプレッシャーを感じること」だと言いつつも、「このホテルはそんなにいじめられへんと思う。『中村、手を抜きよったな、儲けよったな』とか変なことは言われないと思う。ようけ、おもしろいな中村さんてと。この建物が次に建てられるほかのホテルの参考になるかもしれない」と自信を見せた。

「THE HIRAMATSU 京都」の平面図。客室は全29室

「経年美化を楽しんでもらえる」客室

「THE HIRAMATSU 京都」の客室は全29室。客室には木、土、紙、鉛の上質な無垢の素材が使われ、時が経つにつれて色合いが変化し、風合いが増し「経年美化を楽しんでもらえる」と村山氏は説明する。最上級の「ザ・ひらまつスイート」は広さが104.4m 2 。「日本の素材を使いつつ、和を強調しすぎず、伝統に敬意を払って、現代の心地よさを併せ持つ客室にした」という。16室と一番多くスタンダードタイプとなるのが「デラックスプレミア」。スタンダードながら広さは72.1~77.4m 2 と十分な広さだ。

「ザ・ひらまつスイート」(104.4m2
「デラックスプレミア」(72.1~77.4m2

「割烹 いずみ」とイタリア料理「リストランテ ラ・ルーチェ」を併設

「割烹 いずみ」「リストランテ ラ・ルーチェ」2軒のレストランを併設する

「THE HIRAMATSU 京都」には「割烹 いずみ」と「リストランテ ラ・ルーチェ」の2軒が入る。「割烹 いずみ」はカウンター席が8席、テーブル席が4席の計12席。京都の料亭で研鑽を積んだ料理長 小泉壮登氏が、旬な食材を活かした京料理を提供。「リストランテ ラ・ルーチェ」はホテルの中庭に面した開放的な空間に全28席。東京・代官山の「リストランテASO」など数々のレストランで腕を磨いた料理長 筒井崇海氏が「美しい、楽しいイタリア料理」を提供するという。今のところランチ営業は行なわないとのことだ。

割烹 いずみ

ジャンル: 割烹
営業時間: 17時30分~ラストオーダー20時
席数: 12席(カウンター8席、テーブル4席)
メニュー: 「料理長お任せコース」1万5000円~(税・サービス料別)

リストランテ ラ・ルーチェ

ジャンル: イタリア料理
営業時間: 17時30分~ラストオーダー20時
席数: 28席
メニュー: 1万2000円コース、1万5000円コース(税・サービス料別)

 4軒のホテル開業を経て、ひらまつでは「ホテル事業部」を2019年に設けた。その部長を務める大下氏は、「THE HIRAMATSU 京都」の「ロケーションのよさ」をアピールするとともに、「京町家がどんどんなくなってマンションなどになっていく、この京都を保存したい」という思いが関係者とともにこのホテルを完成させたと振り返る。そして総監修の中村氏から、ホテルは「半分は建築、半分は運営とお客さまが作っていく」とバトンを託されたと決意を語った。