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ひらまつ、東京ミッドタウンに「六本木テラス フィリップ・ミル」をオープン
二ツ星シェフのフィリップ・ミル氏が来日、コンセプトや料理を語る
2017年3月21日 13:41
- 2017年3月17日 オープン
日本各地でレストラン、カフェ、ウェディング、ホテル事業を手掛けるひらまつは3月17日、東京ミッドタウン内にフランス料理のレストラン「六本木テラス フィリップ・ミル」をオープンした。報道向けに開催された内覧会の様子をレポートする。
六本木テラス フィリップ・ミル
オープン日:2017年3月17日
営業時間:ランチ11時~15時30分(14時ラストオーダー)、ディナー17時30分~23時(21時ラストオーダー)
価格:ランチ3500円/5500円/8000円、ディナー8000円/1万2000円/1万6000円(サービス料10%別)
定休日:なし
席数:ダイニング80席、個室4部屋(2席~12席)
所在地:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガーデンテラス 4階
TEL:03-5413-3282
Webサイト:ひらまつ「六本木テラス フィリップ・ミル」
「六本木テラス フィリップ・ミル」の総料理長を務めるのは、フィリップ・ミル氏。彼は38歳のときにフランスの国家最優秀職人賞(M.O.F)を受賞。現在はフランス・シャンパーニュ地方、ランスにあるレストラン「シャトー・レ・クレイエール」の二ツ星シェフであり、「フランスで最も三ツ星に近いシェフ」と呼ばれているという。
店のコンセプトは「優雅なシャンパーニュサロン」。フィリップ・ミル氏の拠点であるシャンパーニュ地方を中心に、大手・有名メゾンから小規模の作り手まで、100種類以上のシャンパンを取り揃え、「今月のBy the Glass」として毎月5~6種類のグラス・シャンパンも提供する。
ランチのコースは「La Découverte」(3500円)、「Les Terroirs」(5500円)、「Le Plaisir」(8000円)の3種類、ディナーのコースは「Le Plaisir」(8000円)、「Menu Du Chef」(1万2000円)、「Les Signatures Pour Toute la Table」(1万6000円)の3種類。8000円の「Le Plaisir」はランチ、ディナー共通のメニューとなっている。内覧会では前菜から2品、メインの肉料理から1品、デザートから1品が披露されたので、同店支配人の上原陽一氏の説明とともに紹介する。
【前菜】「Palette de radis et betteraves multicolores au poivre(パレットに描いた様々な彩り野菜のマリネ 大根のジュレ)」
上原支配人による説明:ピクルスにした色鮮やかなラディッシュ(大根)と、2時間ほどかけて岩塩で丸ごと蒸し上げたレッドビーツをセルクルで丸く抜き、ラディッシュのタルトにパレット状に並べ、上から透きとおった大根のジュレをかけたもの。
素材そのものの味わいを大切にして水をほとんど使わずに調理した、野菜本来の味がぎっしりと詰まったベジタリアン向けの料理。彩り豊かなビジュアルだけでなく、まわりに散りばめられた柑橘フルーツやミックスハーブのピュレの色を、パレットから色を選ぶような感覚で楽しんでいただきたい。
【前菜】「Œuf mollet rouge écarlate, gnocchis au caviar(赤ワインでポッシェしたポーチドエッグ ジャガイモのニョッキとキャビアを添えて)」
上原支配人による説明:56℃に温めた半熟卵に、煮詰めて凝縮した赤ワインにレッドビーツとベーコンを加えたソースをまとわせ、デュクセル(みじんぎりにして炒めてソースにしたもの)にしたシャンピニオン(マッシュルームの種類)を敷き詰めた上に乗せたもの。ポテトのニョッキとクルトンがアクセント。
キャビアのほどよい塩味と卵のまったりとしたオイリーなテクスチャーとのバランスを楽しんでいただきたい。シャンピニオンが醸し出す森の香りにはフィリップ氏の故郷への想いが込められている。
【肉料理】「Filet de pigeon farci laqué de coteaux champenois(シェフ フィリップのスペシャリティ シャンパーニュ地方の赤ワインソースを纏った仔鳩のファルシー)」
上原支配人による説明:ピジョン(仔鳩)の胸肉の中にムースヴォライユ(鶏のムース)、フォアグラ、シャンピニオンを詰めて火をとおし、旨味を閉じ込める。ピジョンのフォンと煮詰めた赤ワイン、仕上げにシャンパンを加えた、濃厚かつ甘味と酸味のハーモニーを感じるシャンパーニュ地方の赤ワインソースをまとわせた肉料理のスペシャリテ。
赤ワインソースの上には根セロリの白いソースでゼブラ模様を描き、根セロリのピュレを添えて。ピジョンならではの滋味豊かな味わいと、根セロリや柑橘の爽やかな香りとのバランスをじっくり堪能していただきたい。
80席のダイニングや4部屋の個室に加え、季節を感じるテラス席も用意
「六本木テラス フィリップ・ミル」はダイニング席が80席、そのほかに個室が4部屋用意されている。個室はレイアウトによって2名から最大12名まで対応可能で、「場所柄お仕事の接待使いとして、また、子供連れのお客さまも気兼ねなくご利用いただきたい」(ひらまつ 代表取締役社長 陣内孝也氏)とのこと。そのほかに店名にあるようにテラス席も設けられており、天気がよければテラス席の利用も可能となっている。
私の料理を通じてシャンパンを新たに再発見してほしい
内覧会では総料理長のフィリップ・ミル氏から、ひらまつとの提携について、「六本木テラス フィリップ・ミル」のコンセプトなどについて説明があった。
ひらまつとの接点は、ひらまつの取締役でありシェフである長谷川幸太郎氏が、2007年にボキューズ・ドール国際料理コンクールに出場した際のコーチメンバーに、フィリップ・ミル氏が参加したことから始まる。
その際、当時の社長であり、創業者である平松博利氏(現在は会長)と出会うことになり、「ひらまつグループも、平松会長という人物とも、私は同じ価値観を持っていると感じました。それは人に伝える、伝承するということ、人を尊敬すること。そのため『六本木テラス フィリップ・ミル』というコラボレーションはとても自然な流れであり、こうして実現したことをうれしく思っています。
平松会長と会うまでは、ひらまつはもっとビジネス寄りの考えでチェーン展開を続けるレストラン企業の1つという印象でしたが、平松会長自身が厨房に入って料理に取り組む姿、スタッフの情熱に触れ、提携を決意しました」と、ひらまつとの関係について振り返った。
「六本木テラス フィリップ・ミル」で提供する料理については、「私の師匠から受け継いだフランスの伝統的なベーシックなフランス料理の上に、私なりのモダンなものを取り入れていきたいです。
そして料理とシャンパーニュのマリアージュ(組み合わせ)によって、シャンパーニュ地方の景色を見つけていただきたいです。
お店で提供する料理には、もちろんトリュフのシーズンであればフランスから輸入もしますが、8~9割は日本の食材を使っていますので、日本ならではのテロワール(風土・季節・文化など)を感じてください」と説明した。
ひらまつと海外有名シェフとのコラボレーションは、2002年のジャック&ローランのプルセル兄弟から始まり、フランス料理の第一人者であるポール・ボキューズ氏、40年間三ツ星を獲得し続けているマルク・エーベルラン氏、そして今回のフィリップ・ミル氏となる。ひらまつとしては、料理とワインのマリアージュ、彼らのフランス料理のフィロソフィが、これらのコラボレーションのベースにあるという。
フィリップ・ミル氏は、「シャンパンはガストロノミーのワインであり、海の幸にも肉にも合い、さまざまなマリアージュが可能だと思います。私の料理を通じて、ぜひシャンパンを新たに再発見していただければと思います。
私の料理はクラシックでありモダンでもあります。シャンパンとのマリアージュで口の中でいろいろなもの、酸味や甘味、素材感を楽しんで、お客さまにご満足いただき、喜んでいただきたいです。レストランからの帰り道には、来たとき以上にさらに幸せな気持ちになっていただきたいと思っています」と、料理に込める思いを語った。
総料理長という立場のフィリップ・ミル氏は店のオープンを見届けたのち、年に数回来日するという形で関わりつつ、店舗自体は支配人の上原陽一氏、料理長の藤田博和氏、エグゼクティブシェフソムリエの椨(たぶ)賢太郎氏らによって運営されていく。
「私は『伝承』『尊敬』が重要と考えており、このお店はその気持ちを持って、チームで取り組んでいきたいです。お客さまに笑顔で帰っていただくに、支配人の上原さんをはじめ、お店の皆さんチーム一丸となって、このレストランの基盤を作っていきます。
1年程前にこのレストランのお話をいただいたとき、私にとって大きなチャレンジだと思いました。そして開店する日を迎えることができました。3月17日は私の誕生日であり、ひらまつから素晴らしいプレゼントだと思いつつ、その恩返しのためにも、ここで素晴らしい料理を、スピリット、フィロソフィーを込めたスタッフと料理でお客さまをおもてなししたいです。このレストランはテラスも魅力で、テラスでシャンパンを飲みながら楽しい時間を過ごしていただけたらと思っています」と挨拶を締めくくった。
内覧会終了後、エグゼクティブシェフソムリエの椨賢太郎氏に話を伺うことができた。フィリップ・ミル氏がメニュー作りを始める前からワインのセレクションは始まったそうで、彼の素材を活かす料理、フィロソフィーに思いを馳せながら、バランスのよさを意識してシャンパンを選んでいったという。
「シャンパーニュ地方のさまざまな作り手のシャンパンをピックアップし、そこからプロジェクトの進行とともに絞り込んでいきました。シャンパーニュ地方の文化を牽引する大手メゾンはもちろん、最近流行の中小のメゾンまで、ピラミッド型や逆ピラミッド型ではなく、お手頃なものからハイエンドまで厚く揃えられたと思います。毎月5種類ほどのグラス・シャンパンも用意しております。ぜひフィリップ・ミル氏の料理とシャンパンのマリアージュをお楽しみください」と話してくれた。
「六本木テラス フィリップ・ミル」3月の「今月のBy the Glass」
Delamotte Brut:1600円
Pierre Gimonnet B de Bs 1er cuis:2000円
Etienne Lefaivre B de Ns:2200円
Billecart Salmon Extra Brut Reserve:2800円
Duval Leroy Lady sec(ロゼ・甘口):2600円
Taittinger Comtes de Champagne:4000円
ソムリエにおまかせ「デュギュスタシオン」
シャンパーニュ 3種:4500円
シャンパーニュ 4種(3種+ロゼ1種):6000円
シャンパーニュ 4種(3種+プレステージシャンパーニュ 1種):8000円から
※プレステージシャンパーニュ
3月:Taittinger Comtes de Champagne
4月:Joseph Perrier Josephine