ニュース

首都高、定例会見。3月22日開通の横浜北西線や東京オリパラ時期の1000円上乗せ・夜間割引に言及

2020年2月6日 開催

首都高速道路株式会社 代表取締役社長 宮田年耕(としたか)氏

 首都高(首都高速道路)は2月6日、東京・霞が関の本社で定例会見を開催した。

 代表取締役社長の宮田年耕(としたか)氏が、3月22日に開通予定の横浜北西線(K7)や、高速1号羽田線「東品川桟橋・鮫洲埋立部」更新工事などを説明したほか、東京オリンピック・パラリンピック期間中の首都高料金上乗せについても言及した。

横浜北西線は3月22日開通

横浜北西線開通で見込まれる効果

 横浜北西線は、東名高速道路(E1)の横浜青葉IC(インターチェンジ)と第三京浜道路(B83)の港北IC間(延長約7.1km)を結ぶ。港北ICからさらに東へは2017年3月に開通済みの横浜北線(K7)を経て横羽線(K1)~湾岸線(B)へと接続し、横浜市北西部と横浜都心・湾岸エリアとの連絡が強化。保土ヶ谷バイパスの渋滞緩和も期待されている(関連記事「首都高と横浜市、2020年3月開通の横浜北西線を公開」)。

 開通は3月22日16時だが、2月29日にはファンランイベント(募集終了)を、3月8日には一般公開イベント(1万人程度を後日募集予定)を予定している。

 また、この開通のタイミングから、東名高速と渋谷線を連続して利用するルートの料金と、東名高速と北西線を連続して利用するルートの料金を同水準とした料金を適用。東名高速と北西線を連続して利用する場合のみ、上限料金を普通車で1800円とし、東名と北西線を連続して利用する場合は、現行料金とする。

横浜北西線開通後の料金

羽田線「東品川桟橋・鮫洲埋立部」更新の進捗

高速1号羽田線「東品川桟橋・鮫洲埋立部」更新の進捗状況

 首都高では、高速道路リニューアルプロジェクト「大規模更新事業」の第1弾として、高速1号羽田線「東品川桟橋・鮫洲埋立部」の工事を2016年2月から進めている。

 更新工事は「上り線のう回路を設置」「上り線を更新」「下り線を更新」「う回路を撤去/完成」という流れで進めており、現在は上り線の床版工、高欄工が完了。遮音壁工、塗装工、本線接続部ジョイント工などを実施しているところだ。本工事は東京オリンピック・パラリンピック時期までに上り線の造り替えを完了し、その新しい上り線を暫定的に下り線として運用するところを目指している。

小松川JCTと渋谷入口開通後の整備効果

小松川JCTと渋谷入口開通後の整備効果

 中央環状線(C2)の埼玉方面と小松川線(7号線)の千葉方面を接続する小松川JCTが2019年12月1日に、3号渋谷線(下り)「渋谷入口」が12月9日に開通しているが、その整備効果についてもあらためて報告があった。

 小松川JCT開通により、埼玉方面から千葉方面へ向かう車両の約8割が中央環状線を利用するようになり、都心環状線(C1)を通過するルート(小松川JCT開通前)と比較して所要時間が約17分短縮したという。また、渋谷エリアから羽田空港方面へ向かうルートでは、約4割が中央環状線を利用するようになり、都心環状線を通過するルート(渋谷入口開通前)と比較して所要時間が約9分短縮したとのこと。

鋼桁橋の点検訓練シミュレーター「近接目視点検教育システム」を開発

点検訓練シミュレーター「近接目視点検教育システム」

 首都高、東京都市大学、首都高技術、首都高速道路技術センターは、鋼桁橋の疲労き裂を対象に、効率的な点検技術の向上を目指した点検訓練シミュレーター「近接目視点検教育システム」を開発した。

 首都高管内の高架橋の約77%が鋼桁橋で、疲労き裂が多く、発生部位が多岐にわたるが、初期の疲労き裂は微細なため、確認にはある程度の経験が必要だという。今後の生産年齢人口減少に備え、発生部位や原因などを効率的に習得して、点検の確実性を向上させるために本システムを開発するに至ったとのこと。

 ヘッドマウントディスプレイを使うものと、パソコンのディスプレイを見ながらマウスで操作するものがあり、テキストによる座学と、時間や広さなどの制約が多い現場実習を補完するものとして活用されている。

「近接目視点検教育システム」の画面。内部を移動して損傷を発見。その損傷の進み具合などを判断する

東京オリンピック・パラリンピック時期は6時~22時が1000円上乗せ・24時~4時が割引

東京オリンピック・パラリンピック時期の首都高料金

 東京オリンピック・パラリンピック時期の混雑緩和のため、首都高の都内区間を日中に走行するマイカー(自家用車)利用を対象に1000円を上乗せすることを、2月4日に国土交通省が事業許可したことについて(関連記事「国交省、東京オリンピック・パラリンピック時の首都高料金上乗せと夜間割引、東名~横浜北西線利用時の料金調整を許可」)質疑があった。

 宮田社長は、1000円上乗せは6時から22時、夜間の5割引は24時から4時、それ以外の時間は従来どおりの料金と「1日に3回(種類)料金が変わるのは首都高で初めて」ではあるものの、システムなど「準備は順調」であると回答した。