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首都高と横浜市、2020年3月開通の横浜北西線を公開。東名から横浜港へは約40~60分が約20分に
2019年10月10日 12:50
- 2019年10月9日 実施
首都高(首都高速道路)と横浜市道路局は10月9日、2020年3月に開通する予定の横浜北西線(K7)の現場を公開した。
横浜北西線は東名高速道路(E1)の横浜青葉IC(インターチェンジ)と第三京浜道路(B83)の港北ICを結ぶ7.1kmの自動車専用道路である。港北ICは2017年3月に開通した横浜北線(K7)に接続しているため、大黒線(K5)などを介して東名から横浜港までが直結されることになり、横浜市北西部と横浜都心・湾岸エリアとの連絡強化が図れるとしている。
今回の現場公開の冒頭であいさつを行なった、横浜市道路局 横浜環状道路調整担当 理事の高瀬卓弥氏は、「横浜北西線は平成29年(2017年)に開通した横浜北線と一体となり、東名高速道路と横浜港、あるいは横浜都心部が直結することで、横浜経済の活性化や市民生活の利便性の向上、さらには災害時における緊急輸送路の確保など、さまざまな大きな整備効果が見込まれている路線」だと話し、「横浜市にとって大変重要な路線である」とした。
事業概要を説明した横浜市道路局 横浜環状北西線建設部の柳井和彦氏は、横浜北西線のメリットの1つとしてアクセス性の向上と物流効率化を挙げ、「現在、東名高速道路から横浜港へのアクセスに保土ヶ谷バイパスを利用した場合、おおよそ40分から60分はかかる。しかし横浜北西線が開通すれば、約20分に短縮されるほか、定時制が保たれるメリットがある」と説明した。
東名から新横浜都心、横浜港、羽田空港へスムーズにアクセスできるようになることによる国際競争力の向上、そして新たなルールの確立による災害時などにおける道路ネットワークの信頼性の向上も、横浜北西線がもたらすメリットだと柳井氏はいう。
慢性的な渋滞が発生している保土ケ谷バイパスへの影響については「横浜北西線が開通すれば、(保土ヶ谷バイパスの)渋滞緩和が図られ、沿線地域の生活環境の改善にもつながる」と説明し、「地域の方々にも有効な道路である」と語った。
工事中の横浜青葉JCTを公開
続いて、工事中の横浜青葉JCTを見学。このJCTは横浜北西線と東名、そして一般道(国道246号など)を結ぶものとなる。
横浜北西線から東名へ抜ける場合は、新設の横浜青葉本線料金所を抜けたあと、途中で東京方面と名古屋方面で分岐する。逆に東名から横浜北西線に入る場合は、横浜青葉JCTに入って途中で東京方面と名古屋方面が合流し、横浜青葉本線料金所に至るという流れとなる。
新設の横浜青葉本線料金所は、横浜北西線から東名に向かう東名入口、横浜北西線から一般道へ抜ける北西線出口、一般道から横浜北西線へ入る北西線入口、そして東名から横浜北西線に入る東名出口・北西線入口の4種類の出入り口がある。
最後にトンネルのモデル区間を見学した。横浜北西線のトンネルは上下2層に分かれており、上側が車道部、下側は避難用通路となっている。上層から下層へ降りる際には、映画「シン・ゴジラ」にも登場した避難用の滑り台を利用する。
トンネル内には、事故や火災の発生を検知するために、テレビカメラと自動火災検知器、押ボタン式通報装置、非常電話が設置されている。事故や火災の発生を知らせるための設備には拡声放送スピーカーがあるほか、緊急情報を割込放送できるラジオ再放送設備も備える。火災被害の拡大を防ぐ設備としては、水噴射設備とジェットファン、さらに消化器と泡消火栓が配備されている。
最後に、首都高 神奈川建設局 局長の鶴田和久氏に、東名から首都高への流入予測について尋ねたところ、「湾岸線方面、横浜線も含めて、1万台程度が東名高速道路から流れてくるのではないかと考えている」と見通しを語った。また工費については「工事費用はトータルで約2600億円。公共事業で約1500億円、有料道路事業で1100億円を見込んでいて、当初と変わらない状況で進めている」とした。