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「日本橋川に青空が戻る」のは2040年。首都高、定例会見で「日本橋区間地下化事業」進捗状況を説明
2020年7月18日 06:59
- 2020年7月17日 開催
首都高(首都高速道路)は7月17日、東京・霞が関の本社で定例記者会見を開催した。
代表取締役社長の宮田年耕(としたか)氏が、事業認可を取得した「首都高速道路 日本橋区間地下化事業」の進捗状況について説明した。
3月31日に国土交通大臣から事業認可を、4月30日に東京都知事から都市計画事業認可を取得。本来は事業周辺地域を対象に説明会を開催するところだが、新型コロナウイルス感染症の影響から、資料投函による説明と、返信郵便などによる意見把握を進めているところ。
これまで着工は「東京オリンピック・パラリンピック終了後」としていたが、あらためて「2020年秋ごろ」より「地下埋設物の移設工事等」から着手することになっている。最終的に高架橋が撤去されて工事が完了し、「日本橋川に青空が戻る」のは2040年の予定だ(2020年6月現在の計画)。
日本橋川上空の首都高速は1964年の東京オリンピック前に建設され、半世紀以上が経過。1日約10万台の自動車が走行して損傷が激しいため、神田橋JCT(ジャンクション)付近(千代田区内神田2丁目)から、江戸橋JCT付近(中央区日本橋小網町)にかけての延長約1.8kmの構造物を更新、地下化する事業を進める。
日本橋川周辺は国家戦略特区の都市再生プロジェクトとして多くの再開発計画が立ち上がっており、首都高速の日本橋区間地下化事業や、東京都の「補助第96号線整備」も、周辺の計画と連携しながら景観・環境改善に向けて推進しているところだ。
日本橋区間地下化事業では、地下埋設物移設や常盤橋出入口・呉服橋出入口・江戸橋出入口撤去などを経て、地下化工事の準備が完了。日本橋川の水位を下げ、地上から地盤を掘削、支障となる橋脚の移設などを行ない、シールドマシンによるトンネルの掘削が終わるのが2035年ごろ。そして高架橋の撤去工事が2040年ごろに終わる予定だ。