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ヨドバシ梅田直結の「LINKS UMEDA」地下1階~7階を紹介。“何でも揃う”200の専門店が集う
11月16日9時30分オープン
2019年11月15日 14:37
- 2019年11月16日9時30分 開業
ヨドバシホールディングスは、複合商業施設「LINKS UMEDA」を11月16日9時30分に開業する。「LINKS UMEDA」は延床面積5万5100m 2 、インテリアやファッション、雑貨、アミューズメント、飲食店、スーパーマーケットなどが入る複合商業ビル。
日本初や新業態は19店舗、関西初23店舗、大阪初13店舗を含む約200店で構成され、舗隣接する「ヨドバシカメラマルチメディア梅田」とは地下1階から8階までの各階で接続、売り場面積は計約9万m 2 (2万7200坪)に達する地域最大級の商業施設だ。
開業に先立ち、「LINKS UMEDA」の地下1階から7階が報道公開された。そのうち、大型出店や新業態の出店など、注目のテナントを取材したので紹介したい。
7階 大型インテリアショップ、健康総合サロンのフロア
7階は「自分の好きなモノ・コトを発見」するフロア。大型インテリアショップの「ニトリ」や、セルフエステ、整体・骨盤調整の健康総合サロン「SALON de LINKS」がオープンする。
ニトリは大阪では38店舗目、梅田では初出店となる。クルマではなく電車の利用者を意識した都心型の店舗で、通常のロードサイド店舗と比べて若年層、またミドルアッパーにターゲットを広ているという。関東には同様の店舗が新宿、渋谷、池袋にあるが、関西では初めて。コーディネイトを意識した商品を中心に揃えており、専門のアドバイザーが3Dシミュレータを使ってトータルコーディネイトを提案する、インテリア相談サービスも西日本で初めて行なう。
また、LINKS UMEDA店オープンの11月16日にはスマートフォン用アプリも刷新する。画像検索機能を実装し、商品の写真やスクリーンショットからニトリの類似商品が検索できるほか、ネットショップでの購入に加え、どの店舗のどの場所にあるかまでが表示される。これにより、実物を見てから買いたいというニーズにも的確に応えられるようになる。
ヨドバシカメラがUMEDA LINKSの土地を取得した当時から出店したいと考えていたという、ニトリホールディングス取締役副社長の須藤文弘氏は、LINKS UMEDA店の特徴として「直結する大阪駅・大阪梅田駅は関西では一番の乗降客数があります。また、梅田は新宿に次いで日本で2番目に大きな商圏であり、ここに新宿店と同規模で出店する新しいニトリは、新商品をふんだんに置いて相談員も常駐し、ハードからソフトまでトータルコーディネイトできます」と話した。
須藤氏によると、LINKS UMEDAの全フロア天井はスケルトンだが、7階はインテリアのフロアであることを意識して天井が貼ってあり、またスポットライトを兼ねた照明になっている。通路も広くしており、ゆったりと買い物を楽しんでほしいという。須藤氏は最後に「ヨドバシカメラの家電と、ニトリのホームインテリアはともに引っ越しのタイミングで買いに来られる人が多く、相性が非常によい。ぜひ梅田の新しいニトリを見に来ていただきたい」と話した。
6階 スポーツ・アウトドアグッズのフロア
6階は「自分を磨く、新しいことを始める」フロア。ヨドバシホールディングスの一員となった「石井スポーツ」がフロアのほぼ全体を占め、国内最大級のショップを展開。これまで石井スポーツは、アウトドアエキスパート向けの専門性の高いMD(マーチャンダイジング)展開を行なってきたが、LINKS UMEDA店では商品の幅を広げ、ビギナーやファミリー層もターゲットにした商品を揃える。また店内には、アウトドア業界を牽引してきたTHE NORTH FACE、Mammut、Marmot、A&F、BURTON、Millet、ARCTERYXの7ブランドのショップインショップもオープンする。
店長の辺見剛氏は「例えばキャンプ用品では、これまではソロキャンプといった専門性を深く追求してきましたが、当店ではオートキャンプなども強化し、アイテム数を増やしました。テントも、従来は1~2人用がメインでしたが、3~4人用のテントなども充実させています」と語った。
また、これまでスキー用品は神戸三宮に集約していたが、LINKS UMEDAではスキー用品コーナーが復活し、関西一の品揃えとチューンナップルームの併設で、今後はスキーファンにも楽しんでもらえると説明。「ヨドバシホールディングスと一緒になってはじめて、そして国内最大級の1300坪でオープンできることになりました。お客さまが1日、楽しんでいただけるようなフロアになっております」と話した。
5階 キッズコンシャスなファミリー天国
5階は「便利、学び、遊び、おいしい」フロア。アミューズメント施設「モーリーファンタジー」、幼児向けフィットネスクラブ「My Gym」、ミキハウスのテナントショップ「HOT BISCUITS」も登場する。
「モーリーファンタジー」はファミリーで安心して楽しめるアミューズメント施設として、国内外に600店舗以上を展開しているが、LINKS UMEDA店は自然とデジタルが融合した新しい“あそび場”へと進化した。店内を森のように装飾し、森の中のあそび場にやってきたような優しさや落ち着きを表現。従来の店舗では主力だったメダルゲームを一切置かず、ファミリーや外国人にも人気のクレーンゲームをメインにしている。なお、ゲームコーナーは現金はもちろん、WeChat Pay、Alipay、LINE Payに対応しており、専用のカードへのチャージすることでキャッシュレスでも遊ぶことができる。
また、親離れ子離れを育む遊び場をコンセプトとする「スキッズガーデン」では、専門教育を受けた有資格者が子供たちの遊びをサポート、子供が遊んでいる間、保護者はゆっくり買い物が楽しめる。スキッズガーデンには、インタラクティブ映像システムを使用した滑り台、足元について動く床、動く壁面スクリーンにボールを投げて遊ぶ遊具などを設置している。
イオンファンタジー 代表取締役社長の藤原信幸氏は、都心部のLINKS UMEDAへの出店で、LINKS UMEDAとの相乗効果も出るのではないかと語る。藤原氏は「弊社ではこれまで、遊べる施設を展開してきましたが、今回は遊びと学びの施設を考えました」と説明。モーリーファンタジーでは、子供が遊びを通してプログラミング、英語、そしてスポーツを体験し学ぶことができるという。「預かり施設としての機能もありますので、お子さまをお預かりしている間、保護者の方には安心して買い物を楽しんでいただけます。子供をここに連れてきてよかったと思ってもらえる施設を目指すことで、LINKS UMEDAとの相乗効果が生まれることに期待しています」と話した。
4階 デイリーなショッピングのフロア
4階は「BRAND NEW LIFE!」をキーワードに、自分らしく装う、揃える、整えるショッピングのフロアだ。17店舗が出店するが、そのうち日本初、関西初店舗などをいくつか紹介したい。
2階・3階 ファッション×スポーツ×ビューティのフロア
2階、3階は今をアクティブに生きる人のライフスタイルをカタチにする「LIVE ACTIVE!」のフロア。2階には18店舗、3階には24店舗が出店する。また、2階はJR大阪駅から続くデッキが建物を囲んでおり、東には壁面緑化したアネックス棟がある。そのなかで今回、大阪や梅田に新規オープンする店など、一部を紹介したい。
東側エレベーターで3階に着くとひときわ目を引くのが「U.F.O. by Francfranc」だ。新業態の店舗で、francfrancは生活雑貨を中心とした店だが、ベビー・キッズ用品も取り扱い、家族みんなが楽しめる品揃えを目指している。U.F.O.は「Unique&Fantastic Omiyage」のことで、その名のとおりユニークで素敵なお土産になる品も揃っている。店内の装飾はクリエイティブカンパニーNAKED inc.とコラボしたもの。家族でもカップルでも楽しい買い物シーンになるだろう。
1階 人々が行き来するグランドフロア
1階にはユニクロをはじめ、バスターミナルが整備されコンビニも出店する。
ユニクロはこれまで、ヨドバシカメラマルチメディア梅田店の7階にあったが、LINKS UMEDAのオープンを機に人々の往来が多い1階に移転、700坪強に増床して再オープンする。
ファーストリテーリング ビジュアルストアマネージャーの山口寛子氏によると、LINKS UMEDA店では“サイズ展開”にこだわっているという。これは展示方法を見直し、服のサイズごとに商品棚をまとめるという方法。山口氏によると「通常の店舗では、服の種別とカラーがまとめられ、そのなかから自分のサイズを探す必要がありますが、LINKS UMEDA店では自分の体のサイズの服が1か所に並ぶことになり、より目的の服が見つけやすくなります」と説明する。また、キッズ・ベビー服の展開も進めるなど、より多様なニーズに応えられるそうだ。
1階ビル北側はバスターミナルを設けた。日中は関西国際空港からのリムジンバスが到着し、夜間は関東方面に向かうさくら観光の夜行バスが出発する。また、11月27日にLINKS UMEDAの上層9階~35階で開業する「ホテル阪急レスパイア大阪」の宿泊者を乗せたバスや、外国人旅行者向けのJTBサンライズツアーのバスもこのバスターミナルを利用するという。
関空からのリムジンバスは、12月1日に運行開始。11時から16時45分まで15分間隔(計24本)で到着し、ここからの乗車はできない。また、それに先駆けてさくら観光の関東方面行き高速夜行バスは順次ここ(梅田YD)からの発着に切り替わっており、1日17便前後(曜日により異なる)を運行する。21時台を中心に関東方面に出発、朝は関東方面からのバスが到着する。
蛇足だが、これまで梅田駅周辺は大きなバスターミナルがなく、バス会社ごとに指定の場所で乗車している。しかしどれも梅田駅から比較的遠く場所が分かり難かったため、さくら観光のバスがここ梅田YDから発着するのは利用者にとっても大きなメリットだ。
地下1階 あらゆる梅田人の胃袋を満たす食の新名所
地下1階は梅田の新しい食のエンタテイメントフロア。スーパーマーケットと食物販が集まるEat&Walkエリアと、20店舗以上の飲み屋が集まる横丁エリアで構成される。
近鉄グループの近商ストアが展開するスーパーマーケット「食品専門館Harves」は同店最大級の売り場面積約350坪の規模で大阪北エリアに初出店。弁当・総菜でエリアトップクラスの品揃えを誇り、味にも価格にもうるさい大阪人に満足してもらえるように素材の品質も提供価格も負けないように勝負していくという。
「当店のウリというか、目玉はデリカコーナーですね。おそらく、関西最大級であろうと思います」と話すのは、Harves LINKS UMEDA店 店長の暮松直之氏。デリアコーナーは非常に広く、昼食や夕刻のピーク時には水産・畜産の弁当から、総菜、2種類のカレーなどの量り売りなど200種類以上の多彩なラインアップの弁当が並ぶ。なかにはインバウンド向けのマグロづくしの握りなども。暮松氏は「梅田エリアには(働く人に対して)食べるところが少ないため昼食難民も多く、さらにLINKS UMEDAの従業員だけで3000名以上います。(この規模でも)売り切れると見込んでいます」と話した。
アサヒグループ食品は、アマノフーズのアンテナショップ「アマノ フリーズドライステーション」を関西に初出店する。フリーズドライ食品の専門店で、品揃えは常時約100種類。みそ汁やスープ、米飯、どんぶりの素、カレー・シチュー、パスタ、にゅうめんといったラインアップはもちろん、LINKS UMEDA店オープン記念として、国産の天然ふぐを使用した「いつものおみそ汁 天然ふぐ」を1万5000食限定で、「フリーズドライの匠 一人鍋 海老天ぷら入り鍋焼きうどん」を200食限定で販売する。
「いつものおみそ汁 天然ふぐ」の発売について、アマノ フリーズドライステーション LINKS UMEDA店 店長の黒光育子氏は「弊社のWebマガジン『アマノ食堂』で関西になじみの食材をアンケートし、そのなかで『ふぐ』という声が多かったために開発しました」と説明。肉厚なふぐの身を使用し、ふぐの奥深い旨味が楽しめる。
また、「フリーズドライの匠 一人鍋 海老天ぷら入り鍋焼きうどん」の開発を担当した、食品マーケティング部アマノブランド推進室技術顧問の島村雅人氏は、「お湯で戻したときにうどんの食感が最も戻る麺と茹がき方を探し、稲庭うどんに行きつきました」と話した。でんぷん質が多いうどんと、油分の多い海老天ぷらの組み合わせは商品化が難しく、うどんは戻したときの食感を再現するために試行錯誤し、また海老天ぷらは水分が入りにくい工夫をするなど、2年の開発期間をかけて技術と工夫を凝らして完成したという。実際に試食したが、麺はつるっと柔らかく、海老はプリッとした歯ごたえ、ほかに肉や椎茸やカニカマ、油揚げやネギも大きなものが入っていて、味・量ともにとてもフリーズドライとは思えない満足できるものだった。
食料品や洋酒などの輸入・販売などを手掛ける明治屋は、自社で選び抜いたこだわりの輸入食品などを揃えた小売店を33店舗展開している。今回出店する「明治屋 PROVISIONS&WINES」は、体験型飲食物販店舗という新業態で、店舗内にイートインコーナーを設け、商品の飲食が可能。日本では東京・吉祥寺に次いで2番目、関西では初の出店となる。
この新業態での出店経緯について、本社総合企画室次長の成清修一氏は「もっと多くの人に(明治屋の商品に)出会って知ってもらって、食べてもらって、そしてワインも飲んでいただいて、ファンになっていただきたいと思って出店しました」と語る。今後もこのような出店を行なうのかという質問に対しては、「弊社としても初めての試みなので、お客さまの要望に合わせて進化さつつ、(将来的に)広げていきたい」と答えた。
“沖縄のうまいもの”をテーマに、物産をとおして沖縄を発信する沖縄物産公社「わしたショップ」もオープン。限定スイーツやもずくの実演販売、話題の商品を取り揃え、幅広い世代に店内を楽しんでもらえるようなラインアップを揃えた。
取材時には、ミス沖縄スカイブルーの玉城真由佳さんが店と沖縄をPRした。玉城氏は「さーたーあんだぎーやちんすこうとなどの“これぞ沖縄”という定番商品や、オリオンビール、もずくの実演販売、沖縄の黒糖を使用して堂島ロールとコラボした『黒糖ロールケーキ』も販売します。お店で沖縄を感じていただき、ぜひ沖縄に遊びに来てください」という。
オープンの11月16日には、同じくミス沖縄グリーングリーングレイシャスの譜久里美樹さんが来店。ちんすこう詰め放題やシークヮ-サーの実詰め放題などのイベントも開催されるという。
なお、わしたショップでは、正殿など7棟と貴重な文化財が焼失した首里城の火災を受け、復元のための募金活動を行なう。店内に募金箱を設置するほか、12月31日まで売上の1%を復元支援金として沖縄県首里城復旧・復興支援募金活動事務局を通じて寄付を実施する。
地下1階のもう1つの目玉である「オイシイもの横丁」は、20店舗(オープン時点)の粋な飲み屋が軒を連ねる飲食店街。横丁の名が付く通り、通路は少し入り組んでいて、店を選びながら歩くだけで楽しくなる構造になっている。ここは御堂筋線北改札直結で、お酒が進む料理を提供する店も多く、仕事帰りのビジネスマンがちょっと一杯、という楽しみ方もできる。
なお、取材時は店舗の大半が開店準備に追われていたため、内部は歩いてみたものの撮影はしていない。ぜひオープン後に横丁の雰囲気と味を楽しんでいただきたい。
LINKS UMEDA館長 五鬼上氏「何でも揃って1日楽しめる地域ナンバーワン」目指す
LINKS UMEDAの開業に際し、館長の五鬼上大介氏が会見を行なった。五鬼上氏によると、ヨドバシカメラはこれまで家電・カメラの量販店として事業を展開してきたが、あらゆるモノの需要が高まっていくなかで、従来の範囲にこだわることなく複合的に展開していくことにシフトし、今回のオープンにつながったという。
ほかの複合商業施設との差別化については、「他店はターゲット層をセグメントして事業展開を行なっていますが、ヨドバシカメラと(LINKS UMEDAの)専門店は独自路線。あらゆる世代や性別をターゲットに、何でも揃って1日楽しんでもらえる、地域ナンバーワンの店を目指していきます」と答えた。梅田エリアはこれまで、オフィスワーカーが多いため施設も大人向けが多く、子供は連れて来づらい環境だったが、LINKS UMEDAには親子で楽しめるフロアもあり、今まで梅田エリアを敬遠していたファミリー層にも気軽に来てもらえるような施設を目指すという。
また、インバウンドの目標については、「東京オリンピックや大阪万博なども予定されています。従来は全体の売上のうちインバウンドによるものは9%前後でしたが、関空からのリムジンバスも開通します。また、ホテル(ホテル阪急レスパイア大阪)を造ったのは、京都エリアなども日帰りが可能な拠点だからです」と答え、今後インバウンドも増やしていきたい旨を表明した。
なお、五鬼上氏によると、開業から1年間の来場者目標は7700万人、売上目標はは1700億円だという。また今後、LINKS UMEDAと同様の複合商業施設を、仙台駅前、札幌駅前に建設する計画があると述べた。
“平日の仕事帰りに”“休日に家族で”といったあらゆるニーズを叶える新しいライフスタイル拠点がいよいよ梅田にオープンする。