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JAL、787国内線仕様を伊丹~羽田線に初就航。低騒音、全席電源装備機材の伊丹空港就航を祝う

2019年10月27日 就航

伊丹空港から羽田空港へ向かうJAL112便。ボーイング 787-8型機の国内線仕様、伊丹発の初便になる

 JAL(日本航空)は10月27日、伊丹~羽田線に国内線向けボーイング 787-8型機を初就航した。羽田からの初便は8時30分発のJAL107便、伊丹からの初便は10時30分発のJAL112便になり、当初は1日3往復6便を予定する。

10月27日~11月30日のボーイング 787-8型機運航便

JAL107便: 羽田(08時30分)発~伊丹(09時35分)着
JAL117便: 羽田(12時30分)発~伊丹(13時40分)着
JAL127便: 羽田(16時30分)発~伊丹(17時35分)着
JAL112便: 伊丹(10時30分)発~羽田(11時35分)着
JAL120便: 伊丹(14時30分)発~羽田(15時30分)着
JAL130便: 伊丹(18時30分)発~羽田(18時30分)着

 この国内線向けボーイング 787-8型機の機内仕様は、エアバス A350-900型機と同じ「日本の美意識とJALブランドの表現」をテーマにしたもの。機内Wi-Fiインターネットサービスも国際線のボーイング 787型機と同様にPanasonic Avionics製を採用しており、国内線ではインターネット無料接続を提供する。

 詳細な機内仕様に関しては、関連記事(JAL、国内線向けボーイング 787型機を公開)を参照いただきたいが、ファーストクラス、クラスJ、普通席の全席にAC電源・USB電源を装備。伊丹~羽田線はビジネス客が多いことで知られているが、そこにビジネスマンに必須とされる電源を全席装備、Wi-Fiインターネットサービスを無料で提供する機材を投入することになる。もちろん全席シートモニターを装備するが、ビジネスマンにとって全席電源装備であるのは、なによりうれしい装備であるのは間違いない。JALはこの国内線向けボーイング 787型機を12月20日から羽田~福岡線にも投入していく予定だ。

羽田空港から飛来したボーイング 787-8型機国内仕様初便 JAL107。この機体が折り返し、伊丹空港発の初便 JAL112になる

 伊丹空港では国内線仕様ボーイング 787-8型機の就航を祝うイベントを実施。JAL 執行役員 西日本地区支配人 中野星子氏、国土交通省 大阪航空局 大阪空港事務所長 河合良則氏、関西エアポート 常務執行役員伊丹空港本部長 北山博氏の3名が祝いのあいさつを述べた。

JAL 西日本地区支配人 中野星子氏は3つのポイントを紹介

日本航空株式会社 執行役員 西日本地区支配人 中野星子氏

 JAL 執行役員 西日本地区支配人 中野星子氏は、JAL便を選んでもらった搭乗客に深くお礼を述べるとともに、伊丹~羽田線にボーイング 787-8型機を投入した理由を3つ挙げた。「1つ目、この飛行機は低騒音機になります。室内はもとより離発着の音がとても静かになっています。2つ目、新たに開発したシートとインテリア、日本伝統の美をテーマに作製しました。そして全シートに電源プラグが着いているので、ご利用いただけます。3つ目、新機能を装備した機内エンタテイメントです。日本未公開の映画をはじめ、皆さまがお楽しみいただいているエンタテイメントが途中で中断しても、画面に数字が現われます。それをメモしていただければ、次回、もしくはお帰りの際にその時点からお楽しみいただけることが可能となりました」と紹介。最後に紹介した機内エンタテイメントのレジュームナンバーについては、伊丹~羽田線という搭乗時間が短い路線を意識して紹介したものだろう。

中野氏は3つのポイントを紹介した

 中野氏は、「これからも日本航空はさらに快適な空の旅をお届けしますよう、努めて参ります。本日はご利用まことにありがとうございます」と、あいさつを締めくくった。

ボーイング 787型機の投入による、静かさを歓迎

国土交通省 大阪航空局 大阪空港事務所長 河合良則氏

 来賓としてあいさつに立った国土交通省 大阪航空局 大阪空港事務所長 河合良則氏しは、2020年の訪日外国人4000万人という目標を紹介するとともに、その実現のために技術革新をしていることを紹介。787型機については、低騒音、低燃費という環境性能、機内の快適性に触れ、旅客や地域の人にとって望ましい機体であることを紹介した。

国交省作成の資料。ボーイング 787型機の静かさが分かるもの。小型機より静かな部分もある

 国交省では、ボーイング 787型機などの機種の騒音値を公表しており、中型機の767型機や大型機の777型機に比べ、ボーイング 787型機は低騒音になっている。伊丹空港周辺の騒音値も定期的に確認しており、それを踏まえての発言になっていた。

一人の航空機ファンとして語りつつ、静かさについて語った関西エアポート株式会社 常務執行役員伊丹空港本部長 北山博氏

 伊丹空港、関西国際空港を運営する関西エアポート 常務執行役員伊丹空港本部長 北山博氏は、「今日は私も一航空ファンとして非常に楽しみにしておりました。ボーイング 787、日本航空さまとして国内線に初登場という機会にあいさつさせていただけるというのは非常に光栄に思っています」と、初便を楽しみに訪れた搭乗客と同じ気持ちで語りかける。

「このボーイング 787は、みなさまご承知のとおり非常に静かで快適な機体でございます。空港の乗客の方だけではなく、空港周辺にお住まいの住民のみなさまにとっても少しでも騒音が減るということで歓迎される機体でございます。静かさだけではなく、先ほど中野役員がおっしゃいましたように、非常に機内のエンタテイメント、あるいはインテリアに日本航空さまの心意気を感じます。A350と同様のコンセプトで作られたこのボーイング 787に今からみなさまご搭乗されるということで非常にうらやましいと思います」と、JALの新投入機材を詳しく紹介。「今後とも伊丹空港としましては、787、A350のような、快適な静かな飛行機をどんどん投入いただけることを祈念して、私のお祝いの言葉とさせていただきます。本日は、誠におめでとうございます」と、静かな機材のさらなる投入をリクエストしつつ、お祝いの言葉を結んだ。

登壇者の記念写真

 伊丹空港からの初便となったJAL112便は、10時44分出発。11時40分に羽田空港到着し、次はJAL117便となって伊丹空港へ飛び立っていった。

初便搭乗客には787関連グッズを配布
結構豪華で、ちょっとうれしい
新造機なので、扉もピカピカ
17番スポットを離れ滑走路に向かう787
羽田空港に向けテイクオフ
そして左ターン

 JALは今後も787を伊丹~羽田線に投入するとしており、従来のボーイング 767を置き換えていく。ビジネスマン、そして伊丹空港周辺の住民へ向けたJALのメッセージが強く出ていたボーイング 787国内線仕様の初就航式典だった。

羽田空港に到着したボーイング 787-8型機の国内線仕様。折り返し伊丹空港へ