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JR西日本、大阪環状線201系を引退へ。“オレンジ色”は6月7日最終運行
2019年6月3日 17:06
- 2019年5月31日 実施
- 2019年6月7日 最終運行
JR西日本(西日本旅客鉄道)は、6月7日の最終運転をもって、大阪環状線・JRゆめ咲線からオレンジ色の201系電車を引退させる。それに先立ち、5月31日に吹田総合車両所森ノ宮支所で201系(LB9編成)と、それにとって代わる323系(LS18編成)電車を並べて報道公開した。
201系電車は、それまでの主力通勤電車であった101系や103系の老朽化に伴い1979年から開発が始まったもので、サイリスタチョッパ制御と電力回生ブレーキを装備した省エネ電車として完成、量産車は1981年から都心部と京阪神に順次導入された。京阪神エリアでは1987年の国鉄分割民営化までに合計224両(7両編成32本)が配備され、東海道・山陽本線で普通列車として運行した。JR西日本は京阪神エリアに在った全車両を国鉄から承継しており、当初は東海道・山陽本線で運行を継続、2005年に走る舞台を大阪環状線、JR関西本線に替えている。
2016年から新型車両323系の配備がはじまり、これまでに全22編成176両の投入が完了している。これに伴って201系は徐々に引退してきており、6月7日をもって“オレンジ色の電車”は大阪環状線から姿を消すことになる(関連記事「JR西日本、大阪環状線専用の新型車両『323系』を公開」)。
5月31日に公開されたのは、オレンジ色の201系で最後まで残った1編成と、それにとって代わった323系1編成。その車内外の違いを写真で紹介したい。
323系電車
大阪環状線に201系が投入された2005年から約10年間、森ノ宮支所で検査・修繕を担当したという安福健太氏がインタビューに応じた。
安福氏によると、東海道・山陽本線で快速運転をしていた201系が大阪環状線に入り、当初は車両トラブルが頻繁に発生したという。大阪環状線は駅間距離が短く、曲線も多いことから「加減速やカーブの多さからモーターや台車に負荷がかかりやすく、例えば台車から異音がするといったこともありました。そういったところに手を加えて少しずつ改善していきました。それらを乗り越えて無事引退を迎えますが、やはり寂しいなという気持ちもありますね」と話した。
また、201系の気に入っているところについての質問には、「新しい車両は電気式ブレーキなどが採用されていますが、201系はブレーキやドア開閉機構に昔ながらの空気式が使われています。そういったレトロな音が残っているところですね」と笑顔。最後に「大阪環状線といえばオレンジ。この色に愛着を持っています。長く親しまれてきたオレンジは、新しい車両でも(ストライプとして)引き継がれますので、これを見て103系やこの201系を思い出してもらいたいです」と締めくくった。
大阪環状線での最終運行は6月7日だが、時刻などは非公開。また、当日をもってオレンジ1色の車両は姿を消すが、201系の雄姿は今後も関西本線、おおさか東線で見ることができるという。