ニュース
おおさか東線 新大阪駅~放出駅に試乗してきた。前面展望写真で新規開業区間を紹介
2019年2月14日 18:12
- 2019年2月13日 実施
- 2019年3月16日 全線開業
JR西日本(西日本旅客鉄道)は2月13日、全面開通まで約1か月に迫った「おおさか東線」の新規開通区間である新大阪駅~放出(はなてん)駅間で報道向けの試乗会を実施した。
「おおさか東線」は新大阪駅~久宝寺(きゅうほうじ)駅間(約20.3km)に新設される路線で、このうち南側の放出駅~久宝寺駅(約9.2km)は2008年3月に開業している。残る北側の新大阪駅~放出駅間(約11.1km)は3月16日のダイヤ改正に合わせて開業する予定で、線路や駅舎などはすでに完成しており、現在は駅構内の什器備品の設置や乗員訓練といった仕上げの段階に差し掛かっているという(関連記事「JR西日本、おおさか東線を3月16日全通。新大阪駅~奈良駅間を最短52分で結ぶ」)。
「おおさか東線」の概要
「JRおおさか東線」は新大阪駅~久宝寺駅間の新路線で、おおむね大阪環状線の北側から東側を南北に結ぶ。ほとんどの区間が戦前から存在する「城東貨物線」を複線化した路線。新大阪駅ではJR京都線、東海道・山陽新幹線と接続し、久宝寺駅ではJR大和路線とそれぞれ接続する。運行する列車は「直通快速」と「普通」の2種類。
「直通快速」はJR大和路線に乗り入れる列車で、新大阪駅~奈良駅間を結ぶ。途中の停車駅は放出駅、高井田中央駅、JR河内永和駅、久宝寺駅、王寺駅から奈良駅間の各駅で、他路線への接続は放出駅(JR東西線、JR学研都市線)、高井田中央駅(大阪メトロ中央線)、JR河内永和駅(近鉄奈良線)。朝夕各4本運行し、これにより新大阪駅~奈良駅間が最短52分となる。車両は321系と207系(7両編成)が投入され、沿線住民の平日の通勤通学はもちろん、休日に新大阪から奈良方面へ向かう観光の足としても便利だ。
「普通列車」は新大阪駅~久宝寺駅間を34分で結ぶ。途中の停車駅は12駅で、他路線への接続はJR淡路駅(阪急京都線)、JR野江駅(京阪本線)、鴫野(しぎの)駅(大阪メトロ今里筋線)、高井戸中央駅(大阪メトロ中央線)、JR河内永和駅(近鉄奈良線)、JR俊徳道駅(近鉄大阪線)となる。201系(6両編成)を使用し、平日の設定本数は上下計134本、日中は約15分間隔で運行する。他路線との接続により、大阪府東部地域や奈良方面のアクセスが改善され、沿線住民の生活シーンにも大きな変化が生まれるだろう。
試乗にあたり、JR西日本 大阪支社副支社長の宮本芳明氏に話を聞いた。宮本氏はおおさか東線の開業まであと1か月ほどとなったことについて、「万全の準備を整えて、安全運行に努めてまいりたい」と述べた。
新大阪駅から奈良駅へのアクセスが向上することについては「新大阪駅は関西空港からのアクセスが便利で、また新幹線が発着するため、奈良県へ多くのお客さまに来ていただけるチャンス」であると話し、おおさか東線開業の3月16日から6月30日まで、奈良方面への観光需要の創出を目的とした観光キャンペーンを実施することについて触れた。また、競合となる私鉄各社については、「一緒に(奈良を)盛り上げて、サービスでは競っていきたい」と述べた。
3月16日に開業する区間(新大阪駅~放出駅)に試乗
試乗会は午前と午後に分けて実施した。試乗区間は3月16日に開業する新大阪駅~放出駅間。使用した列車は「直通快速」に投入される321系7両編成。行程は電車庫(網干電車区明石支社放出派出所)を出発し、放出駅から新大阪駅に向かい、新大阪駅から折り返し運転で電車庫に戻るというもの。ここではその前面展望写真とともに、新規開業区間を紹介する。
放出駅は、1、4番のりばが学研都市線、2、3番のりばがおおさか東線となり、1、2番のりば、3、4番のりばが同じホームだ。西から東に向かう、あるいは東から西に向かう際には同一ホームでの対面接続になり、乗り継ぎが便利になる。
JR淡路駅を過ぎると、おおさか東線は大きく進路を変えて「梅田貨物線(新大阪方向)」に合流する。現在でも貨物列車が走る城東貨物線はここで分岐、吹田貨物ターミナル駅に向かう。
JR南吹田駅は、城東貨物線と梅田貨物線とを結ぶ大きなデルタの途中にある。ここのみ吹田市で、前後の新大阪駅とJR淡路駅は大阪市となるため、運賃の特例制度の「大阪市内」が適用されることとなった。なお、この先新大阪までは京都線ではなく、貨物列車に加えて関空特急「はるか」など特急列車も多く走る梅田貨物線に乗り入れる。
試乗した列車は新大阪駅1番のりばで7分間停車した後、折り返し放出派出所へ向かった。以下に紹介するのは、新大阪駅から放出駅に向かう下り列車だ。
【お詫びと訂正】初出時、直通快速の停車駅とキャプションの駅名の一部に誤りがありました。お詫びして訂正いたします。